ラグビーの欧州6カ国対抗戦「6nations」が31日(現地時間)から最終節が行われる。ウェールズのベテラン、アラン・ウィン・ジョーンズが、今回のスコットランド戦で”鉄人”級の世界記録更新を控えている。試合を直前に控えた両国の出陣情報をお届け。
試合のもようは、きょう午後11時からWOWOWで放送される。
【ウェールズ】主将ジョーンズが世界記録
ウェールズの主将アラン・ウィン・ジョーンズが、次節スコットランド戦で歴史に名を刻む。
スコットランド戦に出場すれば、代表通算149試合(ウェールズ通算140試合目)となり、元ニュージーランド代表のリッチー・マコ―が保持してきた148キャップの史上最多記録を抜いてトップに立つ。
地元メディア「ウェールズ・オンライン」などによると、世界記録に沸き立つ周囲とは裏腹に、当の本人は「がっかりだ。このチームはまだまだやるべきことがある」と前週のフランス戦の敗戦にご立腹。「スコットランド戦はしっかり準備して臨みたい」と記録のことは頭にないようだ。
【ウェールズ】母国で本拠地は”コロナ病院”に
次節のウェールズ‐スコットランド戦は、ウェールズのホームゲームとして開催されるが、カーディフにあるこれまでのプリンシパリティ・スタジアム(ミレニアム・スタジアム)ではなく、ウェールズのラネリーにあるParc y Scarletsで行われる。
英国営放送BBCなどによると、本来のウェールズ本拠地は、20年4月から新型コロナウイルス感染患者のための医療施設として使用されている。
当初は2000床が設置され、軽症から重症患者までを受け入れていた。20年9月にウェールズ大学病院に隣接するコロナ専門施設が完成したため、現在のベッド数は400床まで減っている。
年内は医療施設として稼働するため、同スタジアムでラグビーが再開できる時期は、早くても21年以降。
【スコットランド】デビューしたての若手にZoomのご褒美
前週のジョージア戦で代表デビューを果たしたスコットランドのドゥアン・ファンデルメルヴァの評価が急上昇している。
南アフリカ出身で、16年まで所属していたフランスのモンペリエではわずか4試合出場。17年にエジンバラと契約して覚醒した。在住条件を満たして今年からスコットランド代表選出が可能となったが、世界的にはまったく無名の存在だった。
6nations公式、ヘラルド紙によると、デビュー戦となったジョージア戦は「すごく緊張していた」と言い、タウンゼンドヘッドコーチらに「思い切って自分のプレーをしてこい」と背中を押されて落ち着けたという。
すでに試合中から相手のマークが厳しくなり、「世界のチームはこうやって相手のことを徹底的に調べてくるのか」と驚いたとか。
試合後は、デビューを祝うために代表スタッフが南ア在住の家族とZoomでつないでくれるサプライズが待っていた。「家族や仲間みんなと話すことができた。すごく特別な日になったよ」と喜んだ。
【スコットランド】現主将が”怒られたあの人”を大歓迎
次節ウェールズ戦から代表に合流する主将スチュアート・ホッグが、今秋から代表復帰したフィン・ラッセルとのプレーを心待ちにしている。
これまで長年スコットランド代表の同僚である2人は、20年10月18日に行われた欧州ラグビーチャンピオンズカップ(ハイネケン・チャンピオンズカップ)で初対戦。ホッグはエクセター、ラッセルはラシン92の一員として初めて直接対決した。
接戦の末、エクセターが4点差で優勝したが、BBCによると、ホッグは「やっぱりラッセルはすごい」と仲間の才能を再確認したという。
その両者が試合後にスタンドでビール片手に乾杯している写真が世界のメディアで取り上げられている。ラッセルは今年1月に代表合宿中の飲酒騒動で、6nationsスコットランド代表から外されていた。
(mimiyori編集部)