【オールスポーツ】青学大・原晋監督「勝利の哲学」 新年を前向きにスタートさせる心の準備③

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絆の像、箱根駅伝スタート地点、ゴール地点になる、東京・大手町読売新聞本社前にある銅像(写真:旅ラン倶楽部/photoAC)


未知のウイルスとの戦いに多くの時間を費やした2020年。

先の見えない不安に、心も体も疲れてしまった人も多いのでは……。

 

ということで、2021年、新たな年を迎えるにあたって「心の大掃除」。正月恒例のスポーツイベント箱根駅伝に挑む青山学院大・原晋監督の教えから、前向きに、時に厳しくも必ず「勝利」に導いてくれる哲学を紹介する。スポーツだけでなく、普段の生活にも応用できる考え方ばかり。年の始めからスタートダッシュを決めるために、まずは心の準備から。

 

 

 

 

人間、窮したら基本に立ち返ること

困った時に戻れる場所があるかどうかは大切なことだ。

 

15年秋、全日本学生駅伝でライバルの東洋大に優勝をさらわれた。この時、原監督は自らの考えを基本に戻した。前年のチームと比較して出来ていないことばかりを探し出す「減点方式」から、何が出来たかを前向きに評価する「加点方式」に変えた。結果、箱根駅伝連覇へつながった。

 

人は必ずしも完璧ではない。選手には調子の波が存在する。スランプに陥った時に基本練習や基本的思考など「戻れる場所」を持っている選手は強いとされる。

 

自分の頭で考えなければ、成長しない

負傷した選手が「足を痛めました」とだけ伝えることは報告に過ぎない。足を痛めたから、今は何が出来るのか、復帰するまでの方策を考えて自分のために何をしなければならないのかを考えて言葉に出来れば、「相談」として成立する。

 

仕事でも、質問もせず分からないままにしてしまえば成長にはつながらない。分からないことがあった時に「ここまでは出来た。この先が分からない。何か方法はありますか」と聞くだけで状況は変わる。

 

原監督のサラリーマン時代、営業に就くことになり、何も分からないままスタートを切った。マニュアルはあったものの、自社そして相手のメリットを考慮した独自の営業スタイルを模索。とにかく行動したことで、現場で交渉相手と面と向かって話し合うことの重要性を理解することができたという。

 

今日のことは今日やろう 明日は明日でやるべきことがある

 

 

 

この言葉は、原監督が就任当初から掲げる3カ条の1つ。3カ条は社会人でも心に刻んでおきたい。

一、感動を人からもらうのではなく、感動を与えることの出来る人間になろう

一、今日のことは今日やろう。明日は明日でやるべきことがある

一、人間の能力に大きな差はない。あるとすれば、それは熱意の差だ

 

為すべきことがある人間は、「今日やる、明日はまたやるべきことがある」との結論にたどり着くという。為すべきことを見つけられていなければ、“明日は明日の風が吹く”という論法に行き着いてしまう。

 

レギュラーよりもやや劣る実力だろうという選手でも、4年間努力を続けて最終的にレギュラーをつかみ取った例もあるという。後回しにすればするほど、自らチャンスを逃していることになる。

 

頑張っていれば、誰か見ていてくれる

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芦ノ湖の遊覧船。往路5区のランナーは芦ノ湖を目指し、箱根の山を駆け上がる(写真:クルマ旅写真館/photoAC)


原監督は実業団時代、入社5年で陸上競技部を退部。サラリーマンをゼロからやり直した。周囲から「陸上しかできない」と見られていたこともあり、仕事で見返そうと一念発起。自らの置かれた立場で全力を尽くし、営業マンとして実績を上げた。

 

当時、そばで励ましてくれた人物が美穂夫人だった。叱咤激励もあり、一から営業の仕事を覚えて力をつけた。そして、陸上とは無縁だった生活を送っていたところに高校の陸上競技部の後輩と再会。青学大陸上競技部OBの後輩から、監督就任の話が舞い込んだ。

 

覚悟を決めて退職し、上京。部の組織作りには、サラリーマン時代のメソッドが生きている。たとえジャンルが変わっても応用できる方法論。学生たちが陸上に向き合う4年間の中で身に付けた考え方は、社会に出ても通用すると信じている。

 

詳細は『人を育て 組織を鍛え 成功を呼び込む 勝利への哲学157』(ぴあ)へ。

(mimiyori編集部)