【ビジネス】経営哲学=ココイチ創業者の変人伝説 変人こそが成功のカギ!②

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(写真:iStock)※写真はイメージ

これまで番組などで直接取材した経営者のかたの哲学についてまとめたコラム。



日本一の変人経営者。「ココイチ」の愛称で知られる「カレーハウスCoCo壱番屋」を創業した宗次德二は、自身をこう端的に表現する。孤児院で育ち、養子になってからも極貧生活を送っていた少年が、今や世界1400店を超える企業のトップ経営者に躍り出るまでに、常に「変人であること」が逆境の扉をこじ開けるカギになった。

 

 

 

喫茶店開業で接客業に目覚める

高校卒業後、不動産仲介業などで働いていた宗次だが、妻・直美夫人との結婚後に名古屋市内で喫茶店「バッカス」を始めた。夫人が切り盛りする店として始めたものの、オープン初日を手伝ううちに接客業の魅力に取りつかれてしまう。

次から次へと押し寄せてくる客の姿を見て、「これはすごい。これは楽しい。この仕事は天職ではないか」と不動産業とは違う面白さを感じた。 

モノのサービスより真心のサービス

夫婦ともに喫茶店経営はまったくの素人。当初は客に教わりながらの手探り接客だったが、徐々に宗次流を築いていく。開店は午前7時。一番乗りの客が店のドアに来た瞬間、感謝の気持ちから夫婦で拍手した。

「マイカップサービス」など独自のサービスを実施し、名古屋式の喫茶店サービスといわれるモーニングは行わなかった。

「モノのサービスより真心のサービス」。サンドイッチは「最後の一口まで具入り」を心がけ、客によってサンドイッチのパンに塗るからしの量を調節するなど、客の好み、居心地の良さを第一に考えたきめ細かいサービスが話題となって大繁盛する。 

モットーは「ニコ、キビ、ハキ」

開店から半年後には店の標語を「お客様 笑顔で迎え 心で拍手」と決めて実践。これは、ココイチのモットーである「ニコ、キビ、ハキ」の原点となった。

「ニコ、キビ、ハキ」とは… ニコニコ いつも笑顔でお客様に接します キビキビ いつも機敏な動作でお客様に接します ハキハキ いつもさわやかな態度でお客様に接します 

新婚当初の夫人カレーをメニューに

やりがいこそ感じたものの、夫婦そろって朝7時から夜8時まで働き詰めとなり、あまりの疲れから自宅近くの踏切で寝てしまったり、「どうしてこんな商売を始めたんだろう」と弱気になって夫婦で号泣したこともあった。

それでもくじけずバッカスに続く2号店「珈琲専門店 浮野亭」をオープン。当初は客足がさっぱりだったが、当時まだ珍しかったウインナーコーヒーを導入して大繁盛店となる。 2店が成功したことで、次は新婚当時に直美夫人が作ってくれたカレーをメニューにしようと考えた。最初の試作品には5種類の市販カレールーを使用。

さらに野菜など材料も吟味し、数種類のスパイスを加えて完成させた。このカレーが看板メニューとなり、宗次は3号店としてカレー専門店を出すことを決意した。 

味で勝負! ココイチ1号店は超三流立地と素人店長でオープン

1978(昭和53)年に「カレーハウスCoCo壱番屋」1号店をオープンする。愛知県の田んぼに囲まれた超三流立地にあるカレー屋の店長には、喫茶店バッカスの客だった家電量販店の販売員に依頼した。

当初は失敗の連続だったが、ココイチが3店舗に増えた時点で宗次はカレーにすべてを懸ける覚悟を決め、喫茶店2点を売却した。

ちなみに、店名の「CoCo壱番屋」は、宗次がカレーを食べ歩く中で「自分たちのカレーが一番おいしい。自分の店のカレーが一番、ここが一番や」と確信したことに由来する。 

毎朝5時前に出社

社長時代の労働時間は、年間約5637時間。365日に割ると1日約15時間だった。96年に年間の労働時間目標として5500時間を掲げていたが、それを上回る数字となった。

当時は毎朝4時10分に起床して、同55分に出社。たまに午前2時に目覚めると、そのまま起床して、24時間営業の店舗を2、3店見回ってから出社していた。「どうせなら、もう少し早く3時55分に起きていればよかったなと思うんですよ。3時台から起きて働いていたら、ちょっと自慢になったでしょ?」と笑う。 

朝イチの仕事は顧客アンケートの熟読

早朝の出社後、毎朝の日課となっていたのが、毎日1000通は届く顧客アンケートはがきを3時間半かけてすべてに目を通すこと。クレームも褒め言葉も、気になる内容のはがきはコピーして、指示や激励の言葉を書き添えて即、店長にファックスした。コンサルティングの専門家を入れたことはない。

店舗回りも欠かさず自ら行うため、2昼夜かけて1都3県(東京、静岡、山梨、埼玉)を1人で回ったこともある。また、社長時代は自社のカレーを毎日5、6食も食べて味を確認していた。 (③につづく)

 

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