サイクリングのトラブルといえばパンク。以前、パンク修理のコツをお伝えしたが、
【自転車】「若葉マーク脱出計画」⑫~パンク修理のいろはをマスター!(基本編) - Webメディア「mimiyori」
今回は「チェーン交換」についてご紹介。
一見ハードルが高そうに見える自転車のチェーン交換だが、専用工具があれば自分でもできるし、いざというときのトラブルにも対処できる。手順を覚えて、道具をそろえておくと安心だ。
走行中にチェーンが切れた!
前回もちょっと触れたが、走行中にガチャガチャとチェーンの音がするなと思ったら、突然、ペダルの踏みごたえがなくなった。
振り返ると、切れたチェーンが地面に落ちていた。
さすがに走行中にチェーンが切れたのは初めてのことで、一瞬途方にくれたが、自転車に修理用の工具を搭載していたことを思い出し、安全なところに移動して修理に取り掛かった。
前回、チェーン交換したのは3年ぐらい前で、最近変速の調子が悪かったため、そろそろ交換時期だなとは考えていた。
年間5000km前後走っているので、約1万5000kmは使っていた計算になる。使い方にもよるけれど、1万km前後で交換するのが無難なようだ。
実はこの前日、チェーンチェッカーという工具を使ってチェーンが伸びていることは分かっていた。チェーンが伸びると言っても、グニャ~と金属が伸びるわけではない。
チェーンはおおまかにプレートとピンで構成されるが、摩擦でピンの穴が広がり、結果としてチェーン全体の長さが伸びてしまうようだ。伸びてしまうと、変速もスムーズにいかず、ギアなどの摩耗も進む。
メンテナンスはこまめにやらないといけないねと、あらためて思い知ることに…
「チェーンツール」で応急処置→自宅に生還
今回、チェーンが切れたのは、ピンが1本抜けたからのようだ。前回、自分がチェーンを繋ぐときにピンを差したところで、こういうところはトラブルが起こりやすいのだ。
自転車には、常に折り畳み式の携帯工具を搭載している。
そこには、チェーンツール(チェーン切り、チェーンカッターとも呼ばれる)というチェーン専用の工具が入っているものを選んでいる。さらに、チェーンを繋ぐコネクティングピン、予備のチェーンの切れ端も常備していた。
本来であれば、一度ピンが抜けたところは穴が緩くなっている可能性があるので、その部分を切って、予備のチェーンの切れ端をつないだ方がいいのだが、そうするとコネクティングピンが2本必要になる。
古いチェーンにピン2本使うのはもったいないし、自宅に帰るまでの数10kmだけもてばいいので、今回は元の穴でつないで無事に帰ることができた。
新旧チェーン見比べ 〝伸び〟が一目瞭然
帰宅後、新品のチェーンを注文して交換作業へ。
やはり、古いチェーンと比べると伸びていたようだ。詳しい手順は写真を参考にしていただいて、これで一件落着と思っていたら、そうじゃなかった。
どうやら使っていたチェーンツールが少しゆがんでいて、コネクティングピンがちょっと斜めに入ってしまったようだ。そのせいでチェーンがスムーズに動かず、ペダルを回すとまたガチャガチャ音がしてしまう。
10年ぐらい前に買ったノーブランドの工具セットの中に入っていたチェーンツールなので、使っているうちに不具合が出たようだ(そんなに頻繁に使うものではないけどね)。
というわけで、今度はチェーンツールを新たに購入。
シマノPROというシマノの派生ブランドのもので精度も問題なさそうだし、さらに最新の12速対応になっていることも大きい。
ちなみに、自分の自転車はもはや骨董品的な10速。変速数が増えても、自転車の後輪の車軸の幅(ハブの幅、より正確にはフリーボディと呼ばれるパーツの幅)はほぼ変わらないので、その代わりにチェーンの幅が少しずつ細くなっていく。よって、コネクティングピンやチェーンツールもチェーンの幅に対応したものが必要になるわけだ。
最後の工程は勇気を出して…ミッションコンプリート!
というわけで、新たなチェーンツールでスムーズに動かない部分を切って、予備のチェーンで繋ぎ直した。これでようやく変速もスパスパ決まるようになった。
なお、新品のチェーンはサビ防止のため表面にグリスが塗られている。そのままにするとホコリがつきやすいので、洗い落して専用のチェーンオイルを塗り直す場合もある。でも、新品をわざわざ洗うのはちょっと手間だし、もったいないので、1、2回はグリスのまま走ってもいいかなと個人的には思っている。
チェーン交換と聞くと難しくて、自転車屋さんにお願いしてもいいじゃないかと思うかもしれないが、自分で一度経験しておく意外とできるものだし、いざというときも安心だ。
(光石 達哉)