
読んでいるうちに行ったつもりになれるかもしれない、プチ旅行の紀行文コラム「行ったつもりシリーズ」。
紅葉シーズン真っただ中、茨城県の名所・袋田の滝へサイクリング。奥久慈と呼ばれる茨城県北西部を走り回った。後編は、茨城県大子町のもみじ寺と呼ばれる永源寺と月待の滝を訪れた。
「もみじ寺」参道が赤く染まる

(撮影:光石 達哉)
袋田の滝を出発して西へ向かい、大子町の中心の方へ。JR水郡線・常陸大子駅の前を通ると、SLが展示してあった。このSL「C12187 号」は1938年に完成し、九州の路線で約30年間活躍した後、1967~1970年に水郷線など茨城県を走っていたとのことだ。

(撮影:光石 達哉)
駅から数分走ると「臥雲山 永源寺」に到着。ここは「もみじ寺」の別名があり、AIが考えたルートには入っていなかったが、寄ってみたかったところだ。
袋田の滝からは約7kmの距離で、ちょうど午後1時ごろ。ここも駐車場内にサイクルラックがあって、先客の自転車も数台ある。駐車場はいっぱいで、観光客も多い。

紅葉に囲まれた坂道を上って、境内へ向かい、本堂にお参り。ここは弁財天を祀るお寺だそうだ。

(撮影:光石 達哉)
境内の端からは常陸大子駅や大子の街並みが見下ろせる。この日は境内よりも参道や駐車場の周りの方が紅葉が見ごろだった。
裏側からも眺めたい「月待の滝」

続いて北へ約6km、久慈川に沿って進む。午後2時前に「月待の滝」に到着。駐車場の奥にあったサイクルラックに自転車をかけ、急な坂道を降りて滝を目指す。

「月待の滝」は私有地の中にある。もともと知られていなかったこの滝をもっと多くの人に見てもらいたいと、1984(昭和59)年、すぐそばに茶屋もみじ苑を建てた店主がオーナーとのこと。今では人気観光地のひとつになり、ご当地ソングの女王・水森かおりの歌のテーマにもなっている。
高さ17m、幅12mと袋田の滝を比べるともちろん小さいが、十分迫力はある。滝が左右二筋に分かれているので夫婦滝とも呼ばれ、水量が多い時は三筋の親子滝になるという。

近づいていくと、滝の下に人がいるのが見える。

滝の裏に入ることができるようで、足元に気をつけて僕も入ってみる。ちょうど下流側から日光が差し込んできて、渓流沿いの木々の紅葉が赤く光って見える。ちなみに、事前に申し込めば滝行もできるようだ。

茶屋の裏側から沢に下りて、対岸に渡ることもできる。

ここにはりんご園もあった。奥久慈りんごが町の名産で、りんご狩りもできるようだ。
道の駅で名物をいただく

(撮影:光石 達哉)
一通り散策して午後2時20分、まだ時間はあるし、他に寄りたいところもあったのだが、日没が早くなっているのでここで出発地点に戻ることにする。
帰りは久慈川に沿って、国道118号をしばらく南下。久慈川の上流エリアを奥久慈と呼び、奥久慈渓谷も紅葉の名所として知られる。川を囲む山々が紅葉しているのを見ながら、自転車を走らせる。信号はほとんどないのだが、交通量はそこそこ多いので、気をつけながら進んでいく。

「秋の日は釣瓶落とし」の言葉通り、みるみるうちに日が傾いて、気温が下がっていく。月待の滝から約30km、午後4時ごろに常陸大宮市の「道の駅 常陸大宮 ~かわプラザ~」で休憩。

市の特産品、瑞穂牛メンチカツ(220円)をおやつ代わりにいただく。市内の瑞穂農場で育てた牛のみを使っているレアなグルメだそうだ。
休憩を終えてしばらく走ると、あたりは真っ暗に。「道の駅 常陸大宮」から20km弱、午後5時半にスタート地点の「道の駅 ひたちおおた」に帰り着いた。トータル約107km、獲得標高は1000m弱のライドだった。
観光シーズンで交通量の多いところもあったが、紅葉もきれいだったし、走っていて気持ちいい道が多かった。袋田の滝は他の季節も必見のようなので、また機会があれば訪れてみたい。
(光石 達哉)
