読んでいるうちに行ったつもりになれるかもしれない、プチ旅行の紀行文コラム「行ったつもりシリーズ」。
2023年は春の訪れが早く東京を皮切りに各地で桜が開花しているが、今回はちょっと前に盛りを迎えていた梅の話題。東京都八王子市で行われていた「高尾梅郷梅まつり」や神奈川県相模原市の本沢梅園をサイクリングで回ってみた。
旧甲州街道沿いに8つの梅林めぐり
外を走りやすい陽気になってきたので、この日は梅の花でも見に行こうかと、高尾方面へ向かってサイクリング。甲州街道(国道20号)を西に進んでJR高尾駅から約1km、西浅川というY字路の交差点を右斜めに進むと旧甲州街道に入る。この旧街道沿いに8つの梅林があり、それ以外にも民家の庭先や畑などにも梅の木が植えられ、この辺り一帯が「高尾梅郷」と呼ばれ、合計1万本余りが咲き誇っている。
ちょうどこの日は、「高尾梅郷梅まつり」(3月11日、12日)が行われていた。コロナ禍でここ3年ほど中止になっていたようなので、久しぶりの開催。天気もよく、出店なども出ていて多くの人で賑わっている。旧甲州街道はやや道がせまいので、車やバス、歩く人で混雑しているけど、自転車はスイスイと先に進めた。
難読「木下沢梅林」へ
まずは緩やかな坂を上って街道を奥へ進み、一番大きな「木下沢梅林」へ。山の斜面が白やピンクの梅の花で覆われ、青空とのコントラストがきれいだ。いつもは金網で仕切られていているのだが、梅まつり前後の時期は入り口が解放されて、梅林の中を散策することもできるようだ。ちなみに、今まで「きのしたざわ」と読むと思っていたが、看板によると「こげさわ」が正しいらしい。
さらに旧甲州街道の奥へ進み、「小仏梅林」を目指す。ここから上り坂はちょっとずつきつくなってくる。2㎞ほど走って小仏峠の登山口付近まで来たけど、梅林はこのあたりにはないようだ。どうやら1kmちょっと手前の小仏バス停付近で、JR中央本線と小さな沢沿いに並んで咲く梅が小仏梅林をさすようだ。
スタンプラリーにも挑戦!
ここからは旧甲州街道を下っていき、次は「するさし梅林」へ。ここも広い梅林で、この時期は解放されている。梅まつりではスタンプラリーも行われていて、8つの梅林のうち4カ所でスタンプをもらえるらしいので、ここからはそれにも挑戦してみる。
すぐ隣の「湯ノ花梅林」を過ぎ、さらにその先の「天神梅林」で2つ目のスタンプをゲット。次は旧甲州街道をちょっと離れて、中央自動車道の橋脚の下に広がる「荒井梅林」へ。メインの通りを離れているので、この辺りは人影も少ない。
街道に戻って、小仏関跡の「関所梅林」で3個目のスタンプを押してもらう。ついでに売店でおしるこを買って、軽くお腹を満たしておく。
高尾梅郷の玄関口「遊歩道林道」
最後の梅林は川沿いにある「遊歩道林道」。高尾梅郷の玄関口みたいなところだ。スタンプを押してもらう場所が見当たらず、うろうろしていたが、ちょっと離れた小さな公園の中にあった。4つ目のスタンプゲットでコンプリートし、その場でくじを引いた。当たったのは参加賞的なポケットティッシュだったが、軽い花粉症持ちなのでこれはこれでありがたかったりする。
ちょっと走り足りない気がしたので、神奈川県相模原市にある「本沢梅園」まで足を延ばしてみる。町田街道を南下し途中で細い道に入り、徐々にきつくなっていく坂を上っていくと目の前の斜面に大きな梅園が広がっている。
この本沢梅園には約1000本の梅の木が植えられていて、収穫された実は梅酒などに使われるという。
この先、さらに坂を上っていくと城山発電所があり、さらにその発電所を回り込むようにもう一息上っていくと城山湖というダム湖が目の前に広がる。この城山湖と南側にある津久井湖との間でダムの水を上下させて発電を行う揚水発電が行われているそうだ。
というわけで、梅の花を楽しみながら春の訪れを感じられた1日となった。
(光石 達哉)