再び全国的に感染者が増え、東京から他県への不要不急の移動自粛が求められるなど、まだまだ自由に旅行するのは難しい日々が続いている。そんな中、過去にサイクリングで訪れたちょっとマイナーだけど個人的なお気に入りスポットを紹介して、旅の参考にしてもらおうという企画。今回は、武蔵村山から多摩湖への旅へ。
武蔵村山のラウンドアバウト
本題に入る前に、前回、多摩いろは坂にあるラウンドアバウト(環状交差点)について紹介したが、都内にもうひとつあるラウンドアバウトにも行ってみた。
それは、玉川上水駅から近い武蔵村山市の「マイホームタウン玉川上水」内にある。ここは碁盤の目状に区画された一戸建ての分譲住宅地で、その中心にラウンドアバウトがあるのだ。多摩いろは坂より小さいロータリーだが、ここの住民か僕みたいな物好きの見物客ぐらいしか利用することはないのだろう。
今夏は寂しい「ひまわりガーデン武蔵村山」
ここから1.5kmほど北に行くと「ひまわりガーデン武蔵村山」がある。新青梅街道沿いの団地横の空き地に広がる大きなひまわり畑だ。面積は約3.7ヘクタールで、満開時には約50万本のひまわりが咲くという。
過去数年、夏になると様子を見に行っているのだが、今回行った時期は長梅雨の終盤で、まだ一部の区画しか咲いていなかった。毎年、ひまわりが無料でもらえたりといったイベントが行われているが、今年は新型コロナウイルスの影響で中止。それでも8月16日まで解放されていて自由に鑑賞できるようなので、時期がよければ大輪のひまわりが咲き誇る様子が楽しめるだろう。
庭先ゃ多摩湖
さて、もうちょっと足を延ばしてさらに北の多摩湖方面へ。志村けんさんが歌っていた東村山音頭では「庭先ゃ多摩湖~」との歌詞があるが、湖の大半は東村山市のお隣の東大和市の中にある。ここは昭和の初めに完成した人工的なダム湖で、村山貯水池とも呼ばれている。埼玉県側にある狭山湖(山口貯水池)とともに、多摩川から引いた水をここに貯めて水道用水としているそうだ。
今回は西側の堰堤(えんてい)の上を渡り、多摩湖北の交差点へ。交差点を渡ったところに古い木造の門がある。これは慶性門と言うそうで、もともとダムの建設によって移転したお寺の山門だったが、後年、山門だけこの地に移転されたという。現在は老朽化のため、立ち入り禁止になっている。
伝説上の大巨人 ダイダラボッチ
この門の前を通って石段を登ると、ダイダラボッチの頭の像がある。案内板によると、ダイダラボッチは大多羅法師とも書く伝説上の大巨人なのだそうだ。どれくらいの大巨人だったかというと、土をカゴで運んでいるときに落とした土の塊が富士山になり、脚を滑らせて跳ね上げた土が伊豆七島になったとの逸話もあり、とんでもなくデカかったことは間違いないようだ。その足跡から水が沸いて井戸になったという伝説もあり、今もこうして水の神様として多摩湖を見守っているとのことだ。 ちょうどこのダイダラボッチ像のところが東京と埼玉の県境。ここから目と鼻の先がメットライフドーム(西武ドーム)なのだが、県境越えは自粛して今回の旅はここまで。 (光石 達哉)