東京五輪の聖火リレーがどんなところを走るのか、事前に自転車で走ってみようというこの企画。だったのだが、東京都の聖火リレーは島しょ部をのぞき、公道走行が中止となった。幻となってしまった聖火リレーだが、どんなところにコースが設定されていたのか引き続き見ていこうと思う。今回は葛飾区、江戸川区、墨田区、荒川区のコースを走る。
前回は東京都10日目の足立区まで走ったが、今回は7月19日に予定されていた東京都11日目のコースを行く。もちろん、走行中は感染対策に注意を払い、他人との接触を最小限にしている。
寅さんゆかりの地を出発
葛飾区はもう1区間ある。約3km北東にある京成金町線・柴又駅へ。柴又と言えば映画「男はつらいよ」の舞台で、「柴又駅前広場『フーテンの寅像』前」がスタート地点だった。この寅さんの像は1999年に建てられ、2017年には寅さんを見送る妹さくらの銅像も設置。「旅に出る寅さんが、さくらの方を振り返ったシーン」が再現されている。
それはそれとして、寅さんたちが立つ柴又駅前の真新しいオシャレな雰囲気にちょっと驚いてしまう。なんでも建物の老朽化に伴う再開発が今年6月末に終わったばかりで、ベージュ色に統一された外壁のコンビニやカフェのチェーン店などが並んでいる。この再開発には「男はつらいよ」シリーズの山田洋次監督も寂しさを表し、地元の人々の反感もいろいろとあったようだ。
聖火リレーのコースは、帝釈天参道へと続いていた。ここはまだ昔の面影を残しているようで、寅さんの実家としてシリーズ第4作まで撮影が行われていただんご屋「門前とらや」なども軒を連ねている(建物自体は当時から改装されているようだ)。
ゴールは、寅さんが産湯をつかった「柴又帝釈天(題経寺)」の境内にある帝釈堂の前。この第2区間は、約300mのコースが予定されていた。
スカイツリーをめざして
次は南へ3.5km移動し、第3区間の江戸川区へ。スタート地点は「FMラジオ局前」となっており、JR総武線・小岩駅南口の商店街「フラワーロード」の中にあるコミュニティFM局「FMえどがわ」の前から南へ向かって出発する。続いて国道14号・千葉街道に入り、区立第三松江小学校にミニセレブレーションというセレモニーのために立ち寄り、さらに南へ。その後、コンビニの駐車場を1周するという謎の動きも挟みつつ、最後は都営新宿線「船堀駅北口広場」にゴールする約6kmのコースが予定されていた。
続いて国道14号・千葉街道に入り、区立第三松江小学校にミニセレブレーションというセレモニーのために立ち寄り、さらに南へ。その後、コンビニの駐車場を1周するという謎の動きも挟みつつ、最後は都営新宿線「船堀駅北口広場」にゴールする約6kmのコースが予定されていた。
第4区間は墨田区で、約8km北西に移動して東京スカイツリーへ。この区間は「SKYTREE TERRACE(スカイツリーテラス)」を聖火が一周する予定だった。このテラスはスカイツリーの高さ155mのところにある鉄骨むき出しの屋外空間で、2018年10月から「SKYTREE TERRACE TOURS(スカイツリーテラスツアーズ)」として一般の見学も可能となっていた。ただ、現在は感染対策でツアーは開催されておらず、テラスに入ることはできなかったので、下から写真を撮っただけで次へ向かう。
国技館はボクシング会場に!
第5区間も墨田区で、約1km東にある「墨田区立隅田公園」がスタート地点。ここから南に向けて出発し、墨田区役所前を通過。
その後、浅草通り、スカイツリーがよく見えるタワービュー通りなどを通って錦糸町駅方面へ、そこから西へ向かい、江戸東京博物。館、国技館の前を通って、JR両国駅前イベント広場「両国駅広小路」でゴールする約4.5kmのコースだった。国技館は五輪でボクシングの競技会場となっているのだが、まだ開幕まで1週間以上あるのにすでに警備員が立っていたり、関係者が出入りしたりしていた。
この日最後の第6区間は荒川区で、北へ約7km走り、「東尾久運動場 駐車場」がスタート地点だ。ここから南へ向かい、明治通りにぶつかったら左折。サンパール荒川(荒川区民会館)前交差点で千住間道に入り、南千住野球場でゴールする約3.5kmのコースが予定されていた。
すでに東京の各地で公道での聖火リレーに替わる点火セレモニーが行われており、そろそろ日程的に追い抜かれて、五輪も開幕しちゃいそうだが、ここまで来たので最後まで聖火リレーのコースを走り抜けようと思う。
(光石達哉)