東京五輪開幕まで約2カ月となり、すでに聖火リレーも半分を過ぎた。コロナ禍でこの先まだまだどうなるかわからないが、聖火リレーがどんなところを走るのか事前に自転車で走ってみようというこの企画。今回は、東京都のコース第4弾で奥多摩町、日の出町を回っていく。
353mのダムを北から南へ
緊急事態宣言中で県境越えを自粛し、今は東京都の聖火リレーのコースを下見中。感染対策に注意を払い、他人との接触を最小限にして走っている。各地で聖火リレーが中止や縮小になる中、東京の聖火リレーも予定通りに行われない可能性もあり、こうやって聖火リレーコースを走るのは貴重な経験となるかもしれない。
前回は東京都・3日目(7月11日)の第1区間、檜原村まで走った。今回は日を改めて3日目の第2区間、奥多摩町の小河内ダムからスタートする。
小河内ダムによってできたダム湖が、奥多摩湖。青梅街道から奥多摩湖畔に上がっていくと、東京オリンピック・パラリンピックのマスコット、ミライトワとソメイティの像が立っていた。昨年夏にこのあたりに来たときはなかった気がするので、最近設置されたのだろう。
この区間はダムの上を走るルートだが、自転車は入れないので徒歩で見ていく。スタート地点は「小河内貯水池管理事務所奥」となっていて、要はダムの上の北端だ。ここから長さ353mのダムの南端まで走る。
小ぶりなダム竣工50周年記念植樹
ゴールは「小河内ダム竣工50周年記念植樹手前」で、ダムの南端右手にその記念植樹がある。小河内ダムは、太平洋戦争をはさんで19年余りの歳月をかけて昭和32年(1957年)11月26日に完成。50周年というと2007年になるが、この記念植樹のヒメドウダンはそれから約14年経っているものの、まだ高さ50cmほどの小ぶりな木だ。また、記念植樹の奥には慰霊碑ある。なんでもダムの建設工事では87人の方が命を落としたそうだ。
ここから自転車にまたがり、青梅街道に戻って約5km東へ。下り坂が続くが、トンネルやコーナーも多く、交通量もそこそこあるので、慎重に進んでいく。
ミニセレブレーションが行われる奥多摩駅へ
次の第3区間も再び奥多摩町だ。この地域の新バイパス「多摩川南岸道路」と分岐する愛宕大橋の交差点の先、弁天橋東からスタートする。聖火はそのまま青梅街道を進み、途中、JR青梅線の終点・奥多摩駅に立ち寄り、ミニセレブレーションと呼ばれるセレモニーが行われる。
その後、青梅街道を離れて昭和橋を渡り、再び多摩川南岸道路に合流する手前の東長畑橋がゴール。約2kmのコースだ。
次の区間へは多摩川南岸道路、青梅街道、吉野街道を繋いでさらに東へ向かう。青梅市の吉野梅郷を過ぎたところで右折し、梅ケ谷峠を越える。ここは小さな峠だが、きつい勾配が1km前後続くので、多少骨が折れる。
第4区間のスタート地点は大統領も訪れた町
峠の頂上を越えたところで日の出町に入り、さらに南東へ。トータル20km以上移動した日の出町庁舎が、第4区間のスタート地点だ。
聖火は駐車場内をぐるりと回って、目の前の永田橋通りへ出て、さらに東へ。途中で右折し、亜細亜大学・日の出キャンパスでゴールする約2.09kmだ。この区間は道幅が広くて、自転車も走りやすかった。
この日の出キャンパスは、大学野球などでも活躍する亜細亜大のスポーツの拠点。人工芝の野球場、サッカーグラウンド、陸上トラック、テニスコートなど施設が充実している。
ちなみに、日の出町は中曽根康弘元首相の別荘「日の出山荘」があることでも有名で、過去に米国のレーガン元大統領との「ロン・ヤス会談」が行われ、旧ソ連のゴルバチョフ元大統領も訪れている
この日は、さらに数区間走ったのだが、続きは次回見ていこう。
(光石達哉)