都道府県間の移動が制限されていた期間に始めた東京とその周りの県の県境を自転車で巡る旅。今や「Go To トラベル」キャンペーンで国内旅行も盛り上がっているが、せっかく始めたものを途中で投げ出すのも後味が悪いので、引き続き県境探検を続行。今回は千葉県との県境を流れる江戸川へ。
葛西臨海公園は〇〇の聖地
これまで神奈川と山梨との県境をくまなく見てきたが、今回はいよいよ千葉県との県境を探る。東京都と千葉県の間には、旧江戸川・江戸川が流れる。その旧江戸川の河口にある葛西臨海公園がスタート地点だ。
葛西臨海公園と言えば、観覧車や水族館がよく知られているが、旧江戸川に近い西側はバードウォッチングの聖地らしい。観察窓という壁に空いた穴越しに鳥を観察するスポットもある。対岸は東京ディズニーランドで、お城やホテルも見える。
江戸川サイクリングロードは快適
公園を出て、河口にかかる舞浜大橋の下をくぐり、堤防の上に出ると江戸川サイクリングロードのはじまりだ。江戸川サイクリングロードは多摩川、荒川と並んで、東京ではメジャーなサイクリングロード。大きな川沿いは道がほぼ平たんで信号もなく、長い距離を一気に走れるのが魅力だ。とはいえ、ときおり堤防の上の道が途切れていたり、工事中だったりするので車道と行ったりきたりしながら、北上する。
5kmほど走ったところで橋を渡って、中洲の妙見島へ。工場がいくつかあるだけの小さな島だが、この中にニューポート江戸川というヤマハのボートクラブ兼ショップがある。20年以上前に仕事がらみで来たことがあるので、ちょっと懐かしい気持ちになる。
東京最東端到着‼ 読めない「江戸川水閘門」
さらに上流へ向かい、江戸川と旧江戸川の分岐点近くに、江戸川水閘門という水門がある。昭和18年に完成し、今も現役で使われていて旧江戸川の水の流れを調整しているそうだ。水閘門のそばに県境があり、このあたりが東京都の最東端となる。
水閘門の先は、江戸川の河川敷に降りることができ、幅の広い道が上流までずっと続いている。子どもたちが野球やサッカーをしていたりといった河川敷ならではの光景とともに、11月初めだが、まだコスモスもたくさん咲いていた。
渡し船は今も健在「矢切の渡し」
河口から約17km走ると、現れるのが「矢切の渡し」だ。細川たかしの歌で有名な(と言っても、若い人は知らないかもしれないが)渡し船で、江戸時代初期に農民の往来のために始まったという。橋が多数かけられた今も運航されていて、ちょうど僕が着いたタイミングで船が出て、多くの観光客が乗っていた。
矢切の渡しからさらに3kmほど上流へ行くと、埼玉県との県境にぶつかる。江戸川サイクリングロードはこの先、利根川との分岐点である関宿城までずっと続いているが、今回はここまで。次回からはここから西へ曲がって、東京と埼玉との県境をたどっていく。
(光石 達哉)