都道府県間の移動は自粛が要請され、まだまだ自由に旅行できない日。過去にサイクリングで訪れたちょっとマイナーだけど個人的なお気に入りスポットを紹介して、旅気分を味わってもらおうという企画連載です。今回は、山梨・南アルプス街道の旅についてスピンオフ第2弾、枝道探索の旅をご案内。
あえなく枝道も袋小路であった
前々回紹介した南アルプス街道の旅だが、南アルプス街道こと県道37号は袋小路の行き止まりのようになっていて、左右に分かれる枝道も山深い峠道ばかりと書いた。実は、そんな枝道のひとつも探検していたのだ。
早川町役場のちょっと先、L字型になっている県道37号がちょうど直角のように曲がっている付近に西の方へと延びる県道810号があり、そこへ潜入してみた。
この道は早川の支流、雨畑川沿いに続く山道で、3kmちょっと進むと川をせき止めたダム湖「雨畑湖」があり、周囲には宿泊施設や集落がある。さらに先をずっと行くと静岡県の大井川方面に抜けるが、残念ながらこの日は途中で通行止めになっていた。ということで枝道から他の地域に抜けるのが困難な袋小路という説を図らずも証明するかたちとなった。
”見神の滝”の金を取って長者に…
その通行止めの地点の手前に「見神の滝」という高さ50mほどの立派な滝がある。そばにあった案内板によると、「二段目の滝つぼに金があるといわれ、何人かの若者がこれを取って長者になろうと試みたが、断崖絶壁のため、全て失敗した」とのことだ。もちろん長者にはなりたいのだが、こんな山奥で1人でケガするわけにもいかないので挑戦はあきらめて退散。
”ホロホロ鳥”は悪くない
ところで、この旅は1泊2日だったと前回も書いたが、泊まった宿についてもちょっと触れておこう。街道の起点からは少し離れたところにある温泉付きの民宿で、老夫婦が営んでいた。正直、安さだけで選んだため部屋や大浴場が多少古かったが、そこは織り込み済みだった。
食事はホロホロ鳥の肉や卵を使った料理を出してくれた。ホロホロ鳥は鶏ぐらいの大きさで黒い羽根に白い斑点があり、海外でもよく食材として使用されている。僕にとっては珍しい食材だった。
(光石 達哉)