【エンタメ=行ったつもりシリーズ】埼玉の山奥で神と仏が融合 子ノ権現と竹寺

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足腰の神様として知られる子ノ権現。境内には重さ2トンの巨大な鉄わらじ(撮影:光石達哉)
都道府県間の移動自粛が解禁され、国内旅行もできるようになってきた。とはいえ、まだまだ過去にサイクリングで訪れたちょっとマイナーだけど個人的なお気に入りスポットを紹介して、旅の参考にしてもらおうという企画。今回は埼玉県飯能市の山奥にある子ノ権現(ねのごんげん)と竹寺への旅。
 

       もはや壁!勾配40%の激坂

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多くのサイクリストが挑む子ノ権現に至る激坂。僕はあえなく撃沈…(撮影:光石達哉)

 

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無理やり崖を登ろうとしているような道なんだけど、写真でわかるかな?(撮影:光石達哉)

子ノ権現は関東でも屈指の激坂スポット、つまり勾配のきつい坂としてサイクリストの間では知られた存在だ。僕は東京の青梅市方面から北上して飯能へ。山王峠を越えて、しばらく進んだ郵便局のそばに子ノ権現と竹寺への案内看板がある。それにしたがって進むと、道は細く曲がりくねった山道になっていく。

徐々に勾配も険しくなり、「ここがメインの坂か? ここで脚を使い切っていいのか?」とおそるおそるペダルを踏みしめ、しだいに呼吸も荒くなっていく。しばらく進んで左に曲がったところで勾配40%とも言われる激坂が目の前に立ちふさがり、すでに力を使い果たしていた僕はあえなく脚をついてしまった。無念… ちなみに勾配40%とは100m進んだら40m上る傾斜のことを指す。こう聞くとたいしたことないように思えるが、目の前で見たらもはや壁だ。

神仏習合の名残が残る子ノ権現 重さ2トン!鉄の草鞋

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子ノ権現天龍寺とも呼ばれ現在は仏教寺院なのだが、参道には朱塗りの鳥居が立つ(撮影:光石達哉)

 

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その先へ行くと仏教寺院ならではの仁王像。写真は片方のみだが、実際は両サイドに立っている(撮影:光石達哉)

 

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境内の中、神社でよく見かける狛犬の向こうに観音像が立っている(撮影:光石達哉)

 

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鉄の草鞋と並んで目を引く、巨大な夫婦下駄(撮影:光石達哉)

 

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参道の茶屋でお饅頭を買ったら、お茶のサービスが(撮影:光石達哉)

 

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足腰健康守りを買って帰る。草鞋がイイね(撮影:光石達哉)

 

そこからは自転車を押して上り、山上の子ノ権現に到着。ちなみに僕が上ったのは南からのルートだったが、北側のルートがちょっとだけ緩やかでクルマでの参拝客はこちらを通ることが多いようだ。

短い参道の先には鳥居があり、その先は山門、さらにその先には朱塗りの仁王像が立っている。そこではじめて気づいたのだが、ここは神仏習合の名残を残す寺院なのだ。神仏習合とは神道と仏教を融合した信仰のことで、江戸時代まで日本中で一般的だったが、神道復古を目指した明治政府が神仏分離令を発令して以降は、ほぼすべての寺社が仏教か神道に分けられたという。

また、この子ノ権現は険しい山の上にあるだけに足腰の神様としても有名で、境内に入ると2tあるという鉄の草鞋、巨大な夫婦下駄などがまつられている。

東日本唯一の神仏習合信仰が続く寺

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竹寺への道も結構な激坂だった…(撮影:光石達哉)

 

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竹寺と言いつつ、鳥居が出迎える。中の輪っかは「茅の輪」という(撮影:光石達哉)

 

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竹寺の本尊は牛頭天王だが、こちらの像は牛頭明王となっている(撮影:光石達哉)

 

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境内に置かれた「平和の鐘」。フィリピンに落とされた米軍の不発弾で作られたという(撮影:光石達哉)

 

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竹寺の名の通り、周りは竹林に囲まれている(撮影:光石達哉)

この近くには竹寺というお寺もある。寺社巡りが好きな人や山歩きをする人はセットで回ることが多いようだが、僕は2年後の秋にふと思い立って行ってみた。

子ノ権現ほどサイクリストの間ではさほど知られてはいないが、竹寺への道もなかなかの激坂で、たんまりと苦しめられる。舗装が途切れたところで自転車を降りてしばらく歩くと、こちらもお寺なのに鳥居に出迎えられる。しかも、ここは子ノ権現とは違い、今でも神仏習合の信仰が続いている東日本唯一のお寺なのだそうだ。

その鳥居には、茅の輪(ちのわ)という珍しいわら細工のような大きな輪っかがつけられている。ここの本尊は牛頭天王(ごずてんのう)で、インドにあったとされる祇園精舎の守護神なのだそうだ。

埼玉の山奥とは言え、東京からさほど離れていない場所に特殊な信仰が残っているのはなかなか興味をそそられる。パワースポットとしても人気だそうなので、気になる人はお出かけしてみては。
(光石 達哉)