【行ったつもりシリーズ】聖蹟桜ヶ丘でジブリとショッカーの聖地巡礼

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数年前の春のいろは坂さくら公園。雨の後で桜の花びらが地面を埋め尽くしているのが印象的。奥には聖蹟桜ヶ丘の街が見下ろせる

再び全国的に感染者が増え、東京から他県への不要不急の移動自粛が求められるなど、まだまだ自由に旅行するのは難しい日々が続いている。そんな中、過去にサイクリングで訪れたちょっとマイナーだけど個人的なお気に入りスポットを紹介して、旅の参考にしてもらおうという企画。今回は、東京・多摩市の聖蹟桜ヶ丘周辺で聖地巡礼気分を味わってみる。

 

 

 

多摩いろは坂へ

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いろは坂と言えば栃木の日光を思い出すけど、東京の多摩にもある(撮影:光石達哉)

まず聖蹟桜ヶ丘駅前の交差点を南へ。大栗川にかかる橋を渡ると、「いろは坂通り」という上り坂になる。行ったことないけど本家(?)の日光いろは坂は、いろは48文字と同じく48カ所の急カーブがあると言われるが、そこと比べるとこの多摩いろは坂はかなり小ぶり。長さは約1.2kmで標高差は約50m、急カーブはわずか4カ所ぐらいだ。しかし、坂の傾斜はそこそこ登りごたえがある。

登り始めてすぐ右手に「いろは坂さくら公園」がある。その名の通り、桜の時期には満開の桜が見事で聖蹟桜ヶ丘の町並みも見下ろせる。

「耳をすませば」の聖地

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いろは坂にある歩道の階段も映画「耳をすませば」の舞台のモデルとなったという(撮影:光石達哉)

ここからつづら折りの坂が始まり、坂が緩やかになったところからさらに進んでいくと、丘の頂上付近にロータリーがある。

このロータリーやいろは坂周辺のいろいろなスポットは、スタジオジブリのアニメ映画「耳をすませば」のモデルとなっている。聖地巡礼に訪れるファンも多いようで、近隣の店が協力してスタンプラリーなんかもやって町おこししている。

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ロータリーのそばにある洋菓子店「ノア」。「耳をすませば」の顔ハメ看板もある (撮影:光石達哉)
 

 

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「ノア」で買った「耳をすませばサブレ」。甘さ控えめで、さくさく。税込み648円(撮影:光石達哉)

ロータリーのそばにある「ノア」という小さな洋菓子店もそのひとつ。店内には「耳をすませば」関連の展示も数多くある。せっかくなので、お土産に「耳をすませばサブレ」を買ってみる。甘さ控えめで食べやすい… と言いつつ、実は僕はその映画を見ていないので、いまいち感動が薄かったりする。機会があったら見ます…

都内に2つしかないラウンドアバウト

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坂の頂上にあるロータリー。ラウンドアバウト(環状交差点)であることを示す標識がある(撮影:光石達哉)

ちなみにこのロータリーは、ヨーロッパなどでは多数あるラウンドアバウト、日本語で言うところの環状交差点になっている。これは信号機のない交差点で、左側通行の日本では時計回りに走り、入るときも出るときも左折、ラウンドアバウト内を走っているクルマが優先というルールになっている。入るときに必ず減速するので事故が少なくなり、ある程度の交通量まではクルマの流れがスムーズで時間短縮や大気汚染削減にもつながるという。世界的に有名なのはパリの凱旋門で、日本では2014年から導入が始まり、東京ではここと武蔵村山市の2カ所のみとまだまだ珍しい存在だ。

「ショッカー」の聖地 旧多摩聖蹟記念館

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聖蹟桜ヶ丘駅の駅名の由来となった旧多摩聖蹟記念館。秋は紅葉がきれい。中に入ることも可能だが、僕が行ったときは休館日(撮影:光石達哉)

さて、もうちょっと足を延ばしてみよう。いったん丘を下り、川崎街道を東へ向かうと、連光寺坂という上り坂となる。坂の頂上にある交差点を右折すると、桜ケ丘公園というちょっと大きな公園がある。

公園内に旧多摩聖蹟記念館という洋館風の建物がある。案内板によると、明治10年ごろこの近辺に明治天皇が兎猟や鮎漁のため4回ほど訪れたという。時は巡り昭和5年、明治天皇の偉業を讃えるため、ゆかりのあるこの地に記念館が建てられたとのことだ。

 

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仮面ライダーの劇中では、円柱の上の屋根みたいなところの上で戦っていたらしい。よい子はマネしないでね(撮影:光石達哉)

実はこの記念館、1970~80年代には仮面ライダーのショッカーの秘密基地をはじめ、特撮モノのロケ地としてかなり使われていたそうだ。当時はこんな由緒正しき建物で戦ったり、よじ登ったりして、のどかな時代だったんだなあと感じてしまう。こちらも、聖地巡礼に訪れる価値あり!?
(光石 達哉)