【競馬ブログ】「気まぐれウマ放談」 牝馬に続いて「無敗3冠」なるか~菊花賞

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無敗の3冠を目指すコントレイル。未知の距離に挑む(写真:おかだ、19年12月撮影)


こんにちは!
競馬ページ担当の おかだ です!

このページでは、競馬観戦歴10数年の、まだまだ勉強することばかりのファンが、競馬にまつわるあらゆる話題を気ままに書いていきます。

 

 

10月18日に京都競馬場で行われた秋華賞(GⅠ、芝2000m)は、松山弘平騎手騎乗のデアリングタクト(牝3)が優勝。日本競馬史上初、無敗の3冠牝馬が誕生しました。

 

道中は、やや後ろの位置に控えて3コーナーから徐々に進出。最後の直線入り口で前を射程圏に入れると、松山騎手のアクションに応えて力強く抜け出し、先頭でゴールイン。これまでは直線一気での勝利でしたが、今回は自分から動いて勝ちに行った競馬。盤石のレース運びで他の馬を寄せ付けませんでした。

 

人馬一体でつかんだ勝利。デビュー戦から騎乗している松山騎手が馬を信じ、春の2冠とはまた違った強さを見せつけて歴史を動かしました。同世代との勝負付けが済み、今度は超一流の年長馬が待っています。

 

さて、今週は牡馬の出番。10月25日、3歳世代限定GⅠを締めくくる菊花賞(GⅠ、京都・芝3000m)が行われます。皐月賞、日本ダービーを勝利したコントレイル(牡3)が無敗の3冠に挑戦。記録、そして記憶にも残る2020年3歳GⅠ戦線のフィナーレです。

 

 

 


3冠はあくまで通過点~コントレイル

名馬の系譜に名を刻めるか。2冠馬コントレイルが3冠最終戦に臨みます。

 

不利とされた最内枠から勝ち切った皐月賞。幼い一面を見せながらも脚力の違いを見せつけた日本ダービー。他馬に付け入る隙を与えず、前哨戦の神戸新聞杯(GⅡ)も余裕でクリアしました。これまでの競馬を見ていると、負ける姿を想像することが難しいです。

 

ライバルの走りも同馬の強さをさらに際立たせました。11日に行われた毎日王冠(GⅡ)で皐月賞、日本ダービーいずれも2着のサリオスが、年長馬との初対戦で3馬身差の快勝。展開の恩恵やメンバーレベルを差し引いても完勝の内容で、サリオスの先を走っていたコントレイルはどれだけ強いのかと考えさせられました。

 

父と子の無敗3冠は史上初。過去、同一年に牡、牝両方で3冠の年もありません。無敗となれば、まさに不滅の大記録。「快挙」「偉業」など、ありきたりな言葉で表現しても足りないくらいの大きな出来事だと思います。

 

死角を探すことは野暮な気もしますが、最後の関門は3冠最長の「距離」です。展開、位置取り一つでどのような結果になっても驚けない淀の3000m。出走してくる全馬が「走ってみなければ分からない」状態で大一番を迎えることになります。

 

 

とはいえ、過去に3冠を達成した馬は、距離の問題など関係なしに能力を発揮して他馬を圧倒。父ディープインパクトの無敗3冠も異次元の末脚を見せつけ、飛んでくるような走りで駆け抜けました。父に追いつき、追い越すためにも最後の試練は是が非でもクリアしたいところです。

 

無敗の3冠は大きな勲章ですが、デアリングタクト同様、同世代との勝負が終われば古馬との戦いが待ち受けています。はたから見れば大記録。しかし、コントレイルにとっては、まだまだ続く競走生活の通過点にすぎないのかもしれません。

 

 

金星奪取で兄弟制覇へ~ヴェルトライゼンデ

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大逆転を狙うヴェルトライゼンデ。兄も春は無冠だった(写真:おかだ、19年12月撮影)


絶対的存在がいたとしても、逆転の可能性がゼロとは言えません。ダービー、神戸新聞杯で結果を残したヴェルトライゼンデは、19年の優勝馬ワールドプレミアに続く兄弟制覇を狙います。

 

皐月賞は8着と勝ち馬に大きく水を空けられましたが、ダービーは3着と好走しました。レース後、右後脚の骨折が判明。回復したものの、今度は熱発で予定していたレースを回避。順調さを欠いた中で迎えた神戸新聞杯は、大外枠からのスタートと難しい条件がそろったレースとなりました。

 

コントレイルには及びませんでしたが、最後はケガなどの影響を全く感じさせない末脚を披露して2着を確保。本番に向けて安心できる内容の走りでした。

 

兄弟は長距離で結果を出していることから、春よりも菊花賞が大本命と見られていました。兄弟で2年連続勝利となれば、93年ビワハヤヒデ、94年ナリタブライアン以来となります。無敗の3冠と同様、兄弟での記録も簡単に達成できるものではありません。

 

無敗の王者に過去4戦全敗。「打倒コントレイル」の最右翼が1度も勝てていない相手に先着できるとするならば、兄がたどったビクトリーロードしかありません。

 

 

伏兵陣は横一線 抽選組も侮れない

 

他の馬は横一線。どの馬が上位に来てもおかしくありません。

 

神戸新聞杯で前述の2頭に続いたロバートソンキー。1勝馬ながら、インコースから伸びて3着に入り、出走権を獲得しました。当然、力がなければできないこと。フロックでないことを大舞台で証明できるでしょうか。

 

セントライト記念(GⅡ)を逃げ切ったバビット。コントレイルと未対戦の馬として魅力的な存在ではありますが、最後まで息が持つのか気がかりです。同じ逃げ馬が出走することもあり、厳しい競馬になることが予想されます。

 

春にもGⅠに出走していたサトノフラッグガロアクリークはセントライト記念で2着、3着。善戦しましたが、本来であれば勝って本番に臨みたかった2頭。春の時点で力関係がはっきりしていることもあり、逆転までは見込めず、距離延長も不安です。

 

秋華賞では上位に食い込んできた抽選組。今週も侮れない強運の持ち主からは、2勝クラスを勝ち上がってきた馬に注目します。春のGⅠで出走ラインに届かなかったアリストテレスは、最後の1冠で何とかゲートイン。GⅠ出走馬や素質馬にもまれてきた経験があり、軽視は禁物です。

 

ダノングロワールは全3勝が2400m以上。初GⅠに初の関西遠征と初物づくしになりますが、乗り越えられれば一発の可能性を秘めています。ディアマンミノルは京都コースで4戦して全て3着以内。中2週の強行軍ですが、最内枠に入って不気味な存在です。

 

 

 

それでは筆者の見解です。

本命はコントレイル。2週連続で無敗の3冠馬が見たいとの願望もありますが、素直に同馬の強さを評価します。

 

対抗はヴェルトライゼンデ。3冠レースの中で一番期待できる舞台。唯一の逆転候補になります。

 

他は一長一短ありますが、2、3着候補で強調したい馬を2頭。ここまで名前の挙げていなかったヴァルコスレクセランスです。

 

ヴァルコスは前残りのセントライト記念を上がり最速の脚で追い込み5着。直線の脚は上位馬より目立っていました。母父ダンスインザダーク。菊の舞台でこの名前は見逃せません。

 

レクセランスは内枠があだになった神戸新聞杯からの巻き返しへ、枠は希望通りの真ん中より外の12番をゲット。関西圏の競馬場でしか好走歴がなく、距離延長も大歓迎。3冠ジョッキーとなった松山騎手が騎乗することも心強いです。今週は外から飛んできてくれることを願っています。

 

 

 

今回はここまで。

次回は天皇賞・秋。芝GⅠ8冠再挑戦、アーモンドアイの登場です。

 

 

参考:馬名、成績など競走馬に関するデータはJRA公式サイト