【競馬ブログ】「気まぐれウマ放談」 初めて見た無観客競馬

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20年2月23日、新年最初のG1が行われた東京競馬場。春のG1シーズンが始まる頃に同じ光景は戻ってくるのか(撮影・おかだ)

こんにちは!
競馬ページ担当の おかだ です!

このページでは、競馬観戦歴10数年の、まだまだ勉強することばかりのファンが、競馬にまつわるあらゆる話題を気ままに書いていきます。

20年2月29日の開催から、当面の間、無観客での競馬開催となりました。3月7、8日も無観客です。

新型コロナウイルスの感染拡大防止のためで、無観客競馬は戦後初。筆者にとっても初めての出来事です。G1開幕から1週間、春のG1に向けて多くの有力馬が始動するタイミングで、このような事態になったことは残念です。

今回は無観客競馬について取り上げます。前回の終わりに予告していた外国人騎手の話題は次回に持ち越しです。

 

 

 

 

戦後初の無観客競馬

2月27日、JRAが同29日からの競馬開催について、当面の間、観客を入れずに開催することを発表しました。

冒頭の写真のように、2月23日、東京競馬場でフェブラリーステークス(G1)が行われた時には、多くのファンが集まっていました。この時はまだ、競馬場から観客がいなくなることを想像していませんでした。

しかし、同26日の政府の発表、さらに地方競馬が次々と無観客開催に踏み切ったことで流れは変わったと考えています。仕方のないことではありますが、G1馬が競演した中山記念(G2)は現地で見たかったです。

無観客での競馬開催は戦後初。過去をさかのぼると、1944年、第二次世界大戦中に無観客競馬がありました。当時は能力検定競走として行われていました。電話・インターネット投票が可能な今、無観客開催での馬券発売は史上初めてということになりました。

JRAの発表にあった「当面の間」という言葉。具体的な通常開催の再開日は示されていません。

3月20日からは3日間開催、そして3月29日には中京競馬場で高松宮記念(G1)が行われ、本格的な春のG1シーズンがやって来ます。

何とかG1シーズンには間に合ってほしい。早期の終息を願うばかりです。


静かな競馬場で「別れ」と「出会い」

無観客でもレースは行われました。筆者はテレビで観戦していましたが、いつもは聞こえにくい鞭の音などがはっきりと聞こえてきて、新鮮な感覚もありました。一方で、観客がいないパドックは異様な光景でした。

しかも無観客競馬が始まった2月の終わり、3月の始まりは、競馬界では別れと出会いの季節です。

2月29日、調教師に転身する四位洋文(しい・ひろふみ)騎手が引退式を行いました。「四位騎手と言えば」と印象的な場面を聞かれると、競馬を見始めたタイミングによって答えが大きく変わりそうな気がします。

筆者は07年の日本ダービー、ウオッカでの勝利が強く印象に残っています。64年ぶりの偉業。牝馬がダービーを勝つなんて、考えもしませんでした。テレビの前でしたが、歴史的瞬間を目の当たりにして「凄いものを見た」という思いになりました。

最後の直線、牡馬を相手にせず、馬場の真ん中へウオッカを導き、ゴールに飛び込んでいく姿は鮮明に覚えています。

個人的な話ですが、2019年末あたりから、エーティーラッセン(牡6)やヒルノサルバドール(牡7)といった四位騎手とのコンビなら絶対に買いたいと思った馬が予想通りに来てくれました。先行して最後まで残す。ベテランらしい騎乗が光っていました。

引退式で本人も話していましたが、今度は多くの観客がいる競馬場に、勝利を挙げてウイナーズサークルに、調教師として戻ってきてほしいです。

そして、3月1日には調教師の引退と新人騎手のデビューがありました。

中でも、阪神競馬場の第1レース、牝馬限定の3歳未勝利戦。デビュー戦となった泉谷楓真(いずみや・ふうま)騎手が初騎乗で初勝利を挙げました。初騎乗初勝利は9年ぶり、史上46人目でしたが、加えて史上初の出来事が起きました。「無観客」ではありません。

メイショウヒバリ(牝3)に騎乗し、スタートから主導権を握ると、最後の直線に入っても先頭を譲りませんでした。後続の馬が差を詰められず、初勝利へセーフティーリードかと思いきや、外からテイエムレビュー(牝3)が急追。2頭は鼻面を揃えてゴールしました。

写真判定に持ち込まれ、いつもより長く感じた写真判定の結果、1着同着。初騎乗初勝利を同着で達成した騎手は泉谷騎手が初めて。異例の競馬開催で、記録にも記憶にも残る初勝利でした。

他のルーキーに勝利はありませんでしたが、初日から積極的な競馬が目立っていました。馬券圏内の3着以内、5着までの掲示板確保もあり、条件が整えば、どの騎手も初勝利は近いと思います。いつもと違う雰囲気の中ですが、頑張ってほしいです。


スタンドから「声」がなくてもレースは続く

3月1日、中山競馬場で行われた中山記念は、悲願のG1制覇を狙うダノンキングリー(牡4)が勝利。勝ち馬はもちろんですが、3着に入ったソウルスターリング(牝6)は、19年5月以来の実戦でした。2度の出走取り消しから、無観客となった舞台で久々の好走でした。

さらに同レースでは、個性派の逃げ馬マルターズアポジー(牡8)がラストラン。見応えのあるレースを作ってくれました。最後に手綱をとった武士沢友治騎手とのコンビも印象的でした。最後に現地で見たかったです。

阪神競馬場では阪急杯(G3)が行われ、ベストアクター(せん6)が優勝。単勝1番人気のダイアトニック(牡5)が2着で入線しましたが、最後の直線コースで内側に斜行し、他馬の走行を妨害したとして3着に降着。重賞レースの降着は久々に見ました。

馬の名前や騎手の名前、歓声と悲鳴、さらには「差せ」、「そのまま」。

メインレースの重賞だけでも、本来であれば、スタンドからいろいろな声が聞こえてきたと思います。前述の騎手、調教師引退、新人騎手のデビューも含めて、これだけの出来事があってスタンドに盛り上がりがなかったことは寂しい限りです。

それでも、レースは続きます。今週もG1に向けて大事な前哨戦が予定されています。

3月7日、中山競馬場ではオーシャンステークス(G3)が行われます。高松宮記念の前哨戦、本番でも有力視されそうなタワーオブロンドン(牡5)、ダノンスマッシュ(同)が出走します。一騎打ちか、それとも他馬が割って入るか。中山巧者のナックビーナス(牝7)に「2強崩し」を期待します。

同日の阪神競馬場のメインレースは、桜花賞(G1、阪神・芝1600m、4月12日)の優先出走権を懸けた最重要トライアルレース、チューリップ賞(G2)です。2歳女王・レシステンシア(牝3)をはじめ、19年12月の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)上位馬が揃いました。結果だけでなく、本番に向けて内容にも注目したいです。

日曜日、同8日は中山競馬場で弥生賞ディープインパクト記念(G2)が行われます。今回からレース名にディープインパクトの名前が加わりました。

皐月賞(G1、中山・芝2000m、4月19日)に向けて重要な一戦。レースに名を刻んだディープを父に持つサトノフラッグ(牡3)、そのディープに05年有馬記念(G1)土をつけたハーツクライを父に持つワーケア(同)など、若駒たちが負けられない戦いに挑みます。




今回はここまで。
次回、外国人騎手でいきたいと思います。最新の話題から昨秋の状況も含めて取り上げます。



参考:馬名、成績など競走馬に関するデータはJRA公式サイト