こんにちは!
競馬ページ担当の おかだ です!
このページでは、競馬観戦歴10数年の、まだまだ勉強することばかりのファンが、競馬にまつわるあらゆる話題を気ままに書いていきます。
11月29日、東京競馬場でジャパンカップ(GⅠ、芝2400m)が行われます。芝GⅠ8冠アーモンドアイ(牝5)、初の父子無敗3冠を達成したコントレイル(牡3)、史上初の無敗3冠牝馬デアリングタクト(牝3)がついに対決。2020年の主役がそろいます。
日本競馬の歴史を塗り替えた3頭。「同じレースに出走してくれたら…」。ファンが待ち望んだ究極の対決は、絶対女王アーモンドアイの引退レースで実現します。
3頭の他にも多くの実績馬がエントリー。フランスからもGⅠ馬が来日しました。一生に一度あるかないかの特別なレース。ファンはもちろん、競馬を知らない人にもぜひ見てほしい一戦です。
最後に残った2つの課題~アーモンドアイ
「レース間隔」と「距離」。頂点に立ったままターフを去るための試練です。
天皇賞・秋で史上最多となる芝GⅠ8勝目を挙げたアーモンドアイが、ついにラストランを迎えます。
芝GⅠ8勝、数々の名馬が挑んだ大きな壁をついに乗り越えることができました。12月の香港遠征も検討されていましたが、最後は2年前に従来のレコードタイムを2秒近く縮める2分20秒6で制したレースを選択。ジャパンカップ参戦と同時に現役引退も発表されました。
芝GⅠ9勝目はもちろん、もう1つ大きな記録がかかっています。歴代賞金王です。天皇賞・秋の勝利で16億1202万9900円として4位に浮上。今回勝てば3億円を加えることになり、1位のキタサンブラック(18億7684万3000円)を抜いてトップに立ちます。
3歳馬をはじめ多くのライバルに立ち向かうことになりますが、最後も自分自身との戦いになります。戦績を振り返ると、クリアできていない課題は2つ。「間隔を詰めた競馬」「2000m以上の距離」です。今回はキャリア最少の中2週で挑んだ20年安田記念(GⅠ、2着)に続く中3週。そして前走、天皇賞・秋の2000mから2400mに距離が伸びます。
間隔が詰まった時にパフォーマンスが落ちることは安田記念を見れば明らか。2500mの19年有馬記念は9着に惨敗。4歳以降は1600m~2000mが中心だったことを考えると、距離延長で良さが出るとは思えません。
実際、天皇賞・秋では最後に追い込んできたフィエールマンに詰め寄られています。3歳時は能力でカバーできていた2400mへの対応も厳しいと思います。とはいえ、東京競馬場は8戦6勝。「疑うほうが間違い」、そんな結果になるかもしれません。
「無事是名馬」。結果はどうあれ、無事に完走してくれることを願っています。
無敗3冠馬 世代交代証明~コントレイル
無敗の3冠馬となったコントレイル。絶対女王を下して世代交代を果たせるでしょうか。
菊花賞(GⅠ)は2着のアリストテレス(牡3)に徹底マークされ、最後の直線では競り合いになりましたがクビ差しのいで勝利。父ディープインパクトに続く無敗の3冠を達成しました。
3000mの長距離戦、マークを受けながらの競馬となり、レース後の疲れが心配されましたが、当初の予定通りジャパンカップ参戦が決定。日本ダービーを制したコースで、今度は「挑戦者」の立場で大一番に挑みます。
無敗の3冠牡馬、シンボリルドルフ、ディープインパクトの2頭は大記録の後に出走したレースで初めて敗れました。ルドルフはジャパンカップ、ディープは有馬記念。誰もが勝利を疑わない状況での敗戦は衝撃を与えました。「競馬に絶対はない」とは、まさにこのことです。
今回は菊花賞後の疲れがどこまで回復しているかが大きなポイント。仮に調教で動きが良くなっていても「目に見えない疲れ」が残っている可能性もあります。
年長馬、さらに同世代の最強牝馬と初対決。疲労回復も気になるところ。無敗3冠馬のジンクス打破へ、高いハードルが待ち構えています。
先輩3冠牝馬の胸借りる~デアリングタクト
史上初の牝馬無敗3冠を達成したデアリングタクト。18年の3冠牝馬アーモンドアイに挑みます。
後方一気の競馬から一転、3冠最後の秋華賞(GⅠ)は自ら勝ちに行く競馬でいつもより早く動いて他馬をねじ伏せました。3強の中で最初にジャパンカップ参戦を発表。この秋はまだ1戦。今回は2戦目での上積みも期待されます。
能力があることは大前提として、斤量面で大きな優遇を受ける3歳牝馬にとって有利なレースになっています。4歳以上の牡馬は57キロ、3歳牡馬が55キロ、牝馬はそれぞれ2キロ減。3歳牝馬(53キロ)と一番重い4歳以上の牡馬では4キロの差があります。
アーモンドアイも3冠達成後に出走して前述の通り圧勝。12年の3冠牝馬ジェンティルドンナも優勝。直近の3冠牝馬2頭はいずれもジャパンカップを制しています。
3強と言われている馬の中では一番、ベストな状態で臨めるのではないかと思っています。不安要素が少なく、何と言っても斤量面での恩恵は大きなアドバンテージです。
21年の競馬にアーモンドアイはいません。コントレイル同様、次の世代が主役になることを完全に証明するためには、女王からの勝利が絶対条件です。
3強に割って入る馬は?
ジャパンカップを秋の大目標として挑んでくる馬は他にもたくさん。不安要素がちらつく3強に割って入る馬は、この中にいるはずです。
19年の2着馬カレンブーケドール(牝4)は、同じ厩舎のアーモンドアイと最初で最後の対決。20年は3月のドバイ遠征が中止となり、ローテーションの修正を余儀なくされました。
結局、春は1走もできず、9月のオールカマー(GⅡ)で復帰。少頭数9頭のレースでしたが、久々の実戦で2着と地力を示しました。全11戦4着以内、2着は6回のシルバーコレクター。重賞初勝利が大金星となるでしょうか。
前走アルゼンチン共和国杯(GⅡ)は、明らかにジャパンカップへの叩き台だったユーキャンスマイル(牡5)も上昇気配。京都大賞典(GⅡ)を制したグローリーヴェイズ(牡5)も3強崩しの有力候補です。
創設以来、初めて外国馬の出走がなかった19年。コロナ禍で今回も厳しいかと思われましたが、フランスGⅠ馬ウェイトゥパリス(牡7)が来日しました。異国の地でラストラン。芦毛の白い馬体が目を引きます。このような状況の中、出走してくれるだけでも本当にありがたいことです。
それでは筆者の見解です。
3強はデアリングタクト、コントレイル、アーモンドアイの順。1着については3歳馬2頭のいずれかで、無敗継続に期待します。
特にデアリングタクトは、斤量のアドバンテージよりも2頭に比べ順調にレースを迎えられる点を強調。菊花賞後の疲れが未知数のコントレイル、レース間隔と距離に不安が残るアーモンドアイより上位評価です。
他に相手はカレンブーケドール、ユーキャンスマイル、グローリーヴェイズの3頭。
中でもグローリーヴェイズには「3強崩し」以上の大逆転を求めても良いでしょう。前走から斤量1キロ減で、4戦3勝と海外GⅠも制した得意距離の2400m。初の東京競馬場、大外枠が嫌われるならば、なおさら面白い存在です。
今回はここまで。
次回はダートの頂点を決めるチャンピオンズカップ。国内無敗の王者が登場します。
参考:馬名、成績など競走馬に関するデータはJRA公式サイト