【母校トリビア】現役慶應大生が教える季節別あるある~三田キャンパス編

三田は留学生も多いグローバルなキャンパスになっている(photoAC=写真はイメージ)

慶應大学への進学を控えた新入生と親御さんの皆様に、ナマの「慶應あるある」をお届け。

本州の端から上京した筆者が、多くの慶應生が経験する日吉キャンパスから三田キャンパスへの流れを、季節を追ってご紹介する。新入生やご家族はもちろん、これから慶應を目指す中高生やOB・OGのかたもご一読を。

2023年は、一世を風靡(び)した「マルモリ」の2人がそろって慶大へ進学するほか、3月18日に開業した東急・新横浜線は、三田キャンパス、日吉キャンパス、湘南藤沢キャンパスを結ぶために「慶應線なのでは」という声もあがる。トピックスに事欠かない大学だが、キャンパスの中も負けず劣らず話題であふれれている。

前回に続き今回は三田キャンパス編。慶應の代名詞でもある三田キャンパスの学生は、「らしさ」マックス。三田でのお作法を学んでおこう。

 

 

春:三田キャンこそ慶應

Windows VS Mac論争が三田でも続く(photoAC=写真はイメージ)

まぶしい。同じ大学とは思えないほどまぶしい。

学内でも、最もおしゃれといわれる文学部女子、就職活動真っただ中でスーツを着こなす法学部男子、社会人のような風格をまとった商学部や経済学部のみなさん。

日吉キャンパスと異なり、男子ばかりの理工学部生がいないせいか(ごめんなさい)、キラキラした薫りを感じざるを得ない。「これが慶應か」と口に出してしまうような光景に、なじむまでかなり時間がかかるだろう。

 

夏:「慶應ボーイ」と言われたい

案外お手頃に借りれるようだが、躊躇(ちゅうちょ)なく実現させる姿に脱帽(photoAC=写真はイメージ)

三田キャンパスに来てしばらく経つと、「ホンモノ」のお坊ちゃまを見かけるようになる。その筆頭が「慶應ボーイ」だ。

世間では「男子慶應生=慶應ボーイ」という認識が強いが、正しくは幼稚舎からの内部進学生を指す。過去には石原良純や櫻井翔らを輩出してきた超名門校であり、1学年の定員は150人程度と大変狭き門だ。いかに「慶應ボーイ」が稀有(けう)な存在かが分かる。そして、彼らは以下のことを普通にやってしまう。

①ブランド「バレンシアガ」のコートを優雅に羽織りながらも、早朝の一限に生真面目に出席
②馬車の描かれたペンを使う(筆者はエルメスの存在すら知らなかった)
③インスタグラムのストーリーで頻繁にリムジンが登場する
④校門のそばからタクシーで登下校する
⑤ウソみたいな本当のブラックカードを使っている

日吉キャンパスでは夏休み前、周りの目を気にしていたお坊ちゃまやご令嬢たちが、本領を発揮し始める。生まれ変わったらバレンシアガ一枚で塾内を闊歩(かっぽ)してみたい。

 

秋:名実ともに日本一の文化祭「三田祭」

弘中綾香アナ、水卜麻美アナといったOGゲストも多め(photoAC=写真はイメージ)

三田祭のパンフレットが秋学期を感じさせる。

暑さが和らぎ木々も色づき始めると、三田祭実行委員会は打ち合わせと称してよく授業を休み(本当に打ち合わせだそうです)、どのサークルも年1度の大舞台に向け、授業より練習に気合いが入る。日本一と呼ばれる文化祭だけあって、ゲストも豪華な顔ぶれがそろう一方、あまり興味のない塾生は、1週間の休講期間を利用して旅行に出るチャンスだったりもする。みんなが幸せになる1週間だ。

ちなみに三田祭実行委員会、通称「三田実」は慶應でも指折りの人気サークルで、サークル入会にかなりの選考が必要になる。彼らの「三田実プライド」は高く、就活で「学生時代に力を入れたこと」、いわゆる”ガクチカ”を求められると「三田祭実行委員会で~」と枕詞(ことば)のように使う癖がついているらしい。

 

冬:心も温まった「はじめてのコート選び」

成績よりも友達の方が大事です。大事です(photoAC=写真はイメージ)

ここからは大学1年の冬に経験した筆者の体験談になる。

地元はかなり雪が降るため、上着といえばモンベルなどの「ジャンパー」を親に着せられていた。そのため、上京してから初めて「コート」という概念に触れると同時に、東京に「ジャンパー」を着る学生などもういないことを知り、かなり冷え込むまで上着なしで過ごしていた。

すると、見かねた友人グループが「人生初のコートを選ぶ会」を開いてくれ、ZARAで人生1着目のコートを購入したのだった。三田で迎えた冬も、その時から同じコートを羽織っている。

 

慶應が日本一の私学といわれる所以(ゆえん)は、人間的な温かさもあるのだろう。経済的余裕が心のゆとりを生んでいるという意見もありそうだが、「慶應ボーイ族」に属していない筆者には断言する資格がない。

 

(mimiyori編集部 藤崎次郎=この項おわり)

 

 

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