「ブラインドサッカー(5人制サッカー)」の国際大会「Santen IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ 2021 in 品川」は6月3日、東京・品川区立天王洲公園で5カ国総当たりのリーグ戦2試合が行われ、日本(世界ランキング12位=5月29日付)は、同1位のアルゼンチンと対戦し0ー0で引き分けた。日本はリーグ戦全4試合を終えて2勝2分の勝ち点8とし、初の決勝進出を決めた。
強力な攻撃に耐え無失点
世界最強クラスの攻撃に耐えた。日本は、前半からアルゼンチンの攻撃に押し込まれる時間が長く続いた。攻撃では川村怜(パペレシアル品川)、黒田智成(たまハッサーズ)が決定的な場面を作ったものの、限られたチャンスの中で得点を挙げることはできなかった。
後半もアルゼンチンが優勢。相手のスペースを消す、トップスピードに乗らせない日本の守備をかいくぐって何度もゴールに迫られた。日本は、ボールを持った相手を複数で囲んで奪うなど、組織的な守備で粘り強く守り抜いた。
日本は過去アルゼンチンから未勝利。引き分けは18年8月の親善試合の0ー0以来2度目。
見抜かれた攻撃パターン
高田敏志監督は「相手の必要な時間とスペースを奪うことは、どの国よりもできるという前提でゲームに入った。自力で勝ち点1を取って決勝に行こうとやっていたので、100点ではないが、決勝に向けて合格点」と評価。佐々木ロベルト泉(パペレシアル品川)、田中章仁(たまハッサーズ)の体を張ったディフェンスも光った。
一方、攻撃は思うようにいかなかった。今大会、日本の得点パターンになっているバックパスからの攻撃。パスを受けたGK佐藤大介が相手陣内にいる黒田にボールを送ったが、待ち構えていた相手に何度もボールをカットされた。
日本は攻撃パターンを変えて攻めるも、得点できなかった。高田監督は「分析されて、全て見られていた。ボールに近づく選手が少なかった。逆サイドの選手が関わらないといけない」と、攻撃での課題を指摘した。
際立つアルゼンチンの選手層
アルゼンチンは、前回大会の得点王&MVPのマキシミリアーノ・アントニオ・エスピニージョを中心に、強力なフィジカルを生かした攻撃、守備で力を示した。
マキシミリアーノは、1日に行われたタイ戦で4得点。日本戦は無得点だったが、鮮やかなドリブルで相手をかわす突破力、得点機を逃さない決定力を武器に、今大会もゴールを量産している。
守備の要である42歳のベテラン、フロイラン・ドゥルヴァル・パディージャに加え、20歳のファン・イグナシオ・オビエード、18歳のヘスス・アンヘル・メルロスら若手も出場。個人の能力はもちろん、選手層の厚さも際立っている。
決勝は6月5日13時キックオフ
今大会は5カ国総当たりのリーグ戦で1~5位の順位を決め、最終日の6月5日に3位決定戦、決勝戦が行われる。決勝戦は13時キックオフ。
日本の相手は、6月4日のアルゼンチンースペイン戦の結果で決定。アルゼンチンは引き分け以上で決勝進出。スペインは勝利した上、勝ち点で並ぶアルゼンチンとの得失点差で決まる。(岡田剛)
決勝戦は下記より視聴可能。
【Santen ブラサカグランプリ 2021】6/5(土)|(M12)決勝戦 - YouTube
◆大会情報
Santen IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ 2021 in 品川(Santen ブラサカグランプリ 2021)
日程:2021年5月30日(日)〜6月5日(土)
会場:品川区立天王洲公園(〒140-0002 東京都品川区東品川2-6-23)