【パラスポーツ】ボッチャ=「火ノ玉ジャパン」東京パラへ一丸

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日本代表「火ノ玉ジャパン」の村上光輝監督(19年9月NTC練習時、撮影・mimiyori編集部)

日本ボッチャ協会は8月28日、支援団体や企業などを対象にした「ボッチャ感謝の集い2020」をリモートで開催。延期となった東京パラリンピックに向けて、金メダルを目指す日本代表の選手、スタッフらが一丸となって歩む決意を示した。

日本代表「火ノ玉ジャパン」の現状や今後の方針について村上光輝監督が説明。選手を代表してパラリンピック代表推薦内定選手の廣瀬隆喜が1年延期されたパラリンピックへの抱負を述べた。また、20年8月からスタートした新規事業「1万人プロジェクト」の概要や初披露のボッチャ公式キャラクターが紹介された。

 

 

コロナ禍のリモート練習

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代表に内定している廣瀬隆喜(19年9月NTC練習時、撮影・mimiyori編集部)

他の競技よりも重い障がいを持つ選手が多いボッチャ。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令された後は、早くからリモートによる活動を実施。選手、スタッフが試行錯誤を重ねながら練習を続けた。

春頃からフィジカルトレーニング、さらに自宅練習ではピンポン玉、段ボール、テーブルといった身近な道具を使って狙い通りの位置に球を投じる課題を設けるなど、なるべく実戦に近い練習を行った。また、パラリンピックと同様の床素材「タラフレックスコート」のミニチュア版も使用。選手同士が意見交換しながら進めてきた。選手たちの自宅練習における様子は日本代表のFacebookでも紹介され、スタッフが挑戦したチャレンジ課題をもとに、選手自らが挑戦した動画を公開。代表に内定している江崎駿はテーブルクロス引きに挑戦していた。

7月からは少人数での合宿を再開。会場には首都圏から参加できる4選手のみが集まり、残りの選手はリモートで参加。会場と画面をつないで顔を合わせ、一体となって練習に励んだ。合宿での感染症対策は入念に行っている。フェイスシールド、マスク、手袋の着用、さらに会場となった体育館の外に消毒効果の高い掃除用のフロアシートを敷いた。選手が車いすで移動する際、タイヤの幅に合わせてシートを並べ、その上を通ってからコートに入った。

中には数カ月にわたって練習できなかった選手もいたという。廣瀬は新型コロナウイルスの予防対策のため、ほとんど自宅で過ごしていたが、最近になってナショナル・トレーニングセンター(NTC)での練習を再開した。

村上監督は「約40人の選手、スタッフが時間を合わせて練習できたことで、戦術の共有やチームの一体感を高められた」と、リモート練習の成果を挙げた。

10月から強化事業再開

現在は少人数での合宿、リモートでの活動を続けているが、10月から強化事業を再開させる方針。強化選手15人による合宿をNTC中心に行っていくという。年内は国内外で大会は予定されていないが、21年は海外の選手が集まる国内のホストタウンと連携して試合を行うことも想定。パラリンピック直前の7月には壮行試合の開催も予定されている。

日本代表は「一丸」のテーマを掲げ、「ボッチャの多様性」「日本の技術を力に」「ボッチャの魅力発信」を柱に、選手、スタッフ、さらにファンが一緒になってボッチャを作り上げる楽しさを伝えていく。
東京パラリンピック期間中は、会場近くの有明西学園を専用の練習拠点とすることを発表。パラリンピックの代表選手は廣瀬の他、中村拓海、河本圭亮、江崎駿の19年日本選手権優勝者が内定。他の選手選考については、正式な基準が発表されていないため、これまでの成績を考慮するかなど選考基準は今後決定される。

東京パラリンピックへの強化だけでなく、24年パリ大会を見据えて、東京大会終了後の9月に行われるアジアオセアニア選手権、アジアパラユースゲームズへの参加も検討している。

廣瀬は「来年に向けて一丸となって、全クラスメダル、全試合勝つために力を合わせていきたい。1日でも早くみなさんと一緒にボッチャができる日が来てほしい」と話した。

「ボッチャマン」誕生

 

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公式キャラクター「ボッチャマン」(提供:日本ボッチャ協会)

日本ボッチャ協会は28日から「みんなでボッチャ1万人プロジェクト」をスタート。1年後に迫った東京パラリンピックに向けて、SNSでのフォロワー1万人を目標に、大会に向けた競技の普及を目指す。プロジェクトに関する情報をまとめた専用WebサイトやTwitterなども合わせて開設された。

また、ボッチャ公式キャラクターとして「ボッチャマン」が披露された。ボールの色である赤、青、白を使用し、腰には車いすも付いている。廣瀬は「ボッチャのカラーを合わせ持った可愛いキャラクター」と笑顔。競技普及に向けて新たなヒーローが誕生した。(mimiyori編集部)