東京パラリンピックは1年延期されたが、21年8月24日に開幕することが決まった。オリンピック競技は知っているけれど、パラリンピック競技はよく分からない……という人も多いかもしれない。
この連載「パラQ&A」は各競技について、見どころをクイズ形式で紹介する。今回はパワーリフティングに関するクイズを出題。ルールや競技の特徴、さらには個性的な選手まで幅広く紹介。
- Q.パラパワーリフティングはどこの筋肉を使う?
- Q.試合での成功、失敗は何が基準?
- Q.どんな選手が有利とされている?
- Q. 試技前に胸を張る選手、張らない選手がいる…なぜ?
- Q.16年リオ金シャマンド・ラーマン(イラン)の世界記録は何キロ?
Q.パラパワーリフティングはどこの筋肉を使う?
- ①胸・肩・三頭筋
- ②胸・三頭筋・腹筋
- ③胸・三頭筋・広背筋
①胸・肩・三頭筋
使用する筋肉は胸・肩・三頭筋という、胸よりも上の筋肉。下肢はベルトで固定し、上半身の筋力だけを使う。パラスポーツでは珍しく、障がいレベルのクラス分けがない。脊髄損傷、下肢切断、脳性まひなど下肢機能障がいの選手が、あくまで体重別で純粋にパワーを競う。
Q.試合での成功、失敗は何が基準?
- ①より長い時間挙げることができたら成功
- ②バーベルを傾けることなく、まっすぐ挙げたら成功
- ③呼吸をしたら失敗
②バーベルを傾けることなく、まっすぐ挙げたら成功
試技バーベルを胸まで下ろしたら、胸の上で一瞬(0.5秒など、“止めた”ことが審判が目視で分かる程度)止めてからバーベルを挙げる。バーベルが傾いたり、途中で止まったり下がったりすると失敗とみなされる。3人の審判は、白=成功、赤=失敗として旗を上げる。
Q.どんな選手が有利とされている?
- ①先天性障がい
- ②切断選手
- ③腹筋が使える選手
①先天性障がい
同じ階級でもそれぞれ障がいが異なり、胸から上の筋肉を使う競技のため、より上半身の筋肉が発達した方が有利。先天性障がいの場合、下肢には筋肉がなかなかつかず、えてして細いままだが、その代わり上半身は筋骨隆々とした堂々たる体躯の選手が多い。
Q. 試技前に胸を張る選手、張らない選手がいる…なぜ?
- ①自己ベスト記録に臨む場合は張っている
- ②勝負をかけた試技の時に張る
- ③張れる選手と、張れない選手がいるから
③張れる選手と、張れない選手がいるから
試技前のフォームとして、胸を張る方法は健常のベンチプレスでも行われている。バーベルを持ち上げる移動距離を短くするために胸を張ってアーチをつくる。試技の時間は3秒。わずか3秒のために、選手たちはさまざまな工夫をする。
Q.16年リオ金シャマンド・ラーマン(イラン)の世界記録は何キロ?
- ①200キロ以上
- ②250キロ以上
- ③300キロ以上
③300キロ以上
16年リオ男子107キロ超級で、イランのシャマンド・ラーマン(Siamand Rahman)が史上初めて300キロの壁を破った。規定通り3回の試技で金メダルを確定させた後、記録挑戦に特化した4回目で世界記録310キロをマーク。12年ロンドンから連覇を達成した。
東京大会を目指していたが、20年3月に亡くなった。パラスポーツ界の「超人」とも呼ばれた選手。イランパラリンピック委員会は偉業を称えて植樹を行い、像が建立された。(mimiyori編集部)