【パラスポーツ】パラ水泳日本選手権①~女子背泳ぎの新星・山田美幸がパラリンピックメダルも狙える好記録

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女子50メートル背泳ぎで日本新記録を大幅に更新した山田美幸(提供:日本身体障がい者水泳連盟)


パラ水泳の日本選手権は3月6日、静岡県の富士水泳場で開幕した。女子50メートル背泳ぎ(S2)で14歳の新星・山田美幸(WS新潟)が、自身の日本記録を6秒近く更新する1分5秒44をマーク。16年リオ銅メダル、19年世界選手権銀メダルに相当する好記録を出した。

 

 

スタミナ強化で大幅記録更新

泳ぐたびに世界との距離を縮めている。

山田美幸は女子50メートル背泳ぎ(S2)で日本新記録を樹立。20年11月の秋季記録会でマークした自身の日本記録1分11秒25を約6秒縮めた。

 

新潟県出身。先天性の両腕欠損、下肢にも障がいを抱えている。水泳は幼少期に始めた。20年2月のクラス分けで、従来のS3から障がいの程度がより重いS2に変更された。

 

秋に記録を出した時は、前半に飛ばしすぎて後半に余力を残せなかった。練習では、これまでの50メートル×10本から100メートル×4本と、1回の泳ぐ距離を長くしてスタミナを強化し、短期間での成長につなげた。

 

代表入りを懸ける5月のジャパンパラに向けて課題はダッシュ力の強化。スピード、スタミナを上手にコントロールして、さらなる記録更新を目指す。

 

パラに向けて背泳ぎに集中

かつては自由形、平泳ぎにも取り組んでいたが、パラリンピックに向けて背泳ぎに集中している。「クロールのほうが好きだけど、背泳ぎは息継ぎが楽。流れるプールで、背泳ぎのまま流されることが楽しい」。レース後のインタビューでは、14歳の女の子らしい素顔も見えた。

 

背泳ぎでは、背中を使って跳ねているようなイメージで泳いでいるという。体を目いっぱい使ったスピード感のある泳ぎで、急成長を遂げている。

 

2日目に出場予定の100メートル背泳ぎも、秋の記録会で自己ベストを更新した。今回も50メートルの流れに乗り、大幅な記録更新の期待がかかる。

 

同じクラスだったベテラン選手を尊敬

尊敬する選手は加藤作子。00年シドニーパラリンピック200メートル自由形リレーの金メダリストで、一度現役を引退したが、15年に復帰。今大会は100メートル自由形に出場し、大会新記録。65歳の今も、第一線で活躍を続けている。

 

加藤とはS3クラスだった時に、大会時に顔を合わせることが何度もあった。練習のことなどで相談すると、アドバイスをもらっていたという。

 

今回の新記録は世界のトップ選手と同等に渡り合えるレベル。尊敬する大先輩が頂点に立ったパラリンピックの表彰台。山田の視界にもはっきりと入ってきた。(岡田剛)

 

 

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