サッカーのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝トーナメント1回戦、北京(グループE1位=中国)VS FC東京(グループF2位)は、12月6日(日本時間)にカタールのエデュケーション・シティ・スタジアムで行われる。キックオフは同時間19時予定。
今回は日本勢の対戦相手を知るコラムとして、北京の情報をご紹介。
新型コロナウイルス感染拡大で国内リーグは一時中断、ユニホームに刻んだ異例のメッセージなどについて。
コロナ禍を避けるべく世界を転々
中国スーパーリーグは当初2月22日に開幕する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大により1月には無期限延期を決めた。
結局、約5カ月遅れで7月下旬に開幕すると、16チームを2グループに分け、開催地を大連と蘇州の2都市に限定した。
中国メディア「新浪体育」などによると、チームは20年はじめから、コロナ禍を避けるために国内外の各地で練習を実施した。
まずは欧州で冬季練習を行い、ACL出場のためにタイにも渡った。北京に戻った後は、6月からクラブではなく、北京市内のスポーツ強化施設を拠点とした。
リーグは7月下旬にようやく第1節が行われたが、ホームでもアウェーでも北京の試合はすべて蘇州市内で開催することとなった。
ユニホームの「武漢加油」
北京は2月18日、ACLでチェンライU(タイ)を1-0で撃破。アウェー戦を制し、中国メディアは「流行する疫病の中、苦しんでいる人たちに元気をもたらした」とした。
その試合では、ユニホームの胸に「武汉加油(武漢、頑張れ)」という文字がプリントされていた。
中国メディア「新浪体育」によると、このメッセージを入れるにあたり、チームはAFCサイドに申し入れた上で、印刷先を探し始めた。
しかし、漢字であったことや突貫作業であったためか、現地の会社を3つ渡り歩いた。
実現にこぎつけたのは、現地在住の中国人・周国泉さんが協力し、小さな工場を見つけてくれたこと。チーム全員分のプリントを終えるまで12時間かかったという。
クラブ側は仲介してくれた周さんに印刷代を支払おうとしたところ、周さんは「私は中国を心配しているが、どうしていいか分からない。だから、これが私にできる貢献に仕方」として代金を受け取らなかったという。
リーグ得点王 FWセドリック・バカンブ
得点源は、コンゴ代表でもあるFWセドリック・バカンブ。20年シーズンに14得点で中国スーパーリーグ得点王に輝いた。
17-18季まではリーガのビシャレアルでプレー。18年から北京でエースストライカーとしてゴールを量産していた。
スペイン・マルカ紙では、バルセロナが獲得に興味を示しているという報道もある。
FWアランはブラジルから帰化
クラブは7月、ブラジル出身FWアラン・カルヴァーリを同じ中国スーパーリーグの広州恒大からのレンタル移籍で獲得した。
フルミネンセ(ブラジル)のユースなどを経て、10年からレッドブル・ザルツブルク(オーストリア)でプレーし、UEFAカップで得点王獲得した。
15年1月に広州恒大に移籍。19年は天津天海(中国スーパーリーグ)にレンタルされ、20年1月に中国滞在5年間を満たして中国国籍に帰化した。
前線でセンターフォワードとウィングをこなす。スピードとテクニックを併せ持ち、ロングシュートも得意でチャンスメークもできる。
2020年スーパーリーグは15試合出場5ゴール。ACLはすでに3ゴールの活躍を見せている。
(mimiyori編集部)
※北京ーFC東京戦のもようは、日テレNEWS24で12月6日(日)18時45分~放送予定。