【スポーツ】社会貢献に取り組むアスリート表彰「HEROs AWARD 2021」 マサカリ投法の村田兆治さんら受賞

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男性部門で受賞した村田兆治さん(写真右)とプレゼンターを務めた菊地大稀さん(撮影・岡田剛)


社会貢献活動に取り組むアスリートを表彰する「HEROs AWARD 2021」は12月20日、都内で開かれた。3部門で表彰があり、男性部門では、全国の離島で野球に取り組む中学生が集まる「離島甲子園」の開催に尽力した元プロ野球選手の村田兆治さんが受賞した。

 

 

「HEROs AWARD」は17年にスタート

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2017年から始まり5回目を迎えた「HEROs AWARD」(撮影・岡田剛)


日本財団が、アスリートによる社会貢献活動の促進から社会課題解決の輪を広げていく「HEROs ~Sportsmanship for the future~」プロジェクトを2017年から実施。

スポーツやアスリートの活動を社会に発信し、社会課題解決の加速につなげようと、毎年12月に「HEROs AWARD」を開催している。

 

村田さん「子どもたちのために投げてきた」

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村田さんは「離島甲子園」の開催に尽力した(撮影・岡田剛)

部門は男性、女性、チーム・リーグの3部門。男性部門は、全国の離島の球児が一堂に集まる中学生野球大会「離島甲子園」を開催している元プロ野球選の村田兆治さんが選ばれた。

村田さんは現役時代、大きく振りかぶる豪快な投球フォーム「マサカリ投法」で野球ファンを魅了。速球、フォークボールを武器に、ロッテオリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)のエースとして活躍した。

引退後は、ライフワークとしている離島訪問を100回以上実施。離島振興の一環として「離島甲子園」構想を掲げ、08年に実現させた。

 

村田さんは「社会に貢献したいという思いで、体の動く限り、子どもたちのために投げてきた。子どもたちには人として成長してほしいとの思いで、愛情を持って背中を押してきた。活動を通じて出会った多くの人たち、地域の方々の支えがあって賞をいただけた」と感謝を口にした。

プレゼンターは、離島甲子園出場者として初めてドラフト指名を受けた菊地大稀さん(新潟・佐渡島出身、22年育成ドラフト読売巨人軍6位指名)が務めた。菊地さんは巨人への入団が決まっている。

 

東京五輪出場選手も受賞

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女性部門に選ばれた寺田明日香選手(撮影・岡田剛)

女性部門では、東京2020五輪陸上女子100メートル代表の寺田明日香選手が受賞。「A-START」プロジェクトとして。新型コロナウイルス感染拡大の影響で練習環境がままならない学生アスリートとトレーニング法や食事ついて学ぶオンラインプログラムを実施。また、寺田さんと学生が一緒に練習する場もつくった。

寺田選手は「参加した学生が自己ベストを出してくれて、高いモチベーションで取り組んでくれた。五輪を目指す大事な時期だからこそできたことで、学生と過ごした時間も大きな影響を与えてくれた。学生、その下の世代にもどのようにアプローチできるか考えながら競技を続けていきたい」と話した。

 

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チーム・リーグ部門を受賞した「千葉ジェッツふなばし」の原修太選手(写真左)と田村征也社長(撮影・岡田剛)

チーム・リーグ部門では、バスケットボールBリーグ20-21シーズンで初優勝を果たした「千葉ジェッツふなばし」が選ばれた。「“ささえる”からはじまる社会貢献」をスローガンに「JETS ASSIST」活動を展開。自宅にある寄付が可能な食品を支援の必要な人へ届ける「フードドライブ」やフードロスに貢献する肉まんの共同開発などを自治体と連携して行った。

また、歌手・シンガーソングライターのAIさんが特別表彰を受けた。SDGsの発信をテーマとしてメディアの開設や病気と闘う子供たちとその家族を支援する施設のチャリティソングを制作した。

 

中田英寿さん「広がり感じる」

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HEROsアンバサダーの中田英寿さん(撮影・岡田剛)

表彰式には、HEROsの発起人で、アンバサダーを務める中田英寿さんが出席。式後の取材では「なかなか知ることのできない幅広い活動もあり、広がりを感じている」と話し、「HEROs」活動の拡大を実感。

さらに「スポーツの力にできることは、助けるとか難しいテーマではなく、スポーツの楽しさを知ってもらい、そこに人が集まることで社会を良くしていくこと。コロナで実際に集まることは難しいけど、心のつながりが大事になる」と話した。

 

この他、東京2020五輪・パラリンピックに出場した選手も招かれ、パラリンピック水泳男子100メートルバタフライ金メダリスト木村敬一らが出席した。

(岡田剛)

 

 

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