【行ったつもりシリーズ】全国旅行支援 ワクチン2回接種・ビジネス利用で使ってみた

全国旅行支援を利用! ワクチンは2回しか接種していないので、PCRの陰性結果を提示。1,000円分の地域クーポンももらった(撮影:光石 達哉)

読んでいるうちに行ったつもりになれるかもしれない、プチ旅行の紀行文コラム「行ったつもりシリーズ」。

ウィズコロナ時代の旅行業界を盛り上げるため、10月11日(一部地域を除く)から始まった全国旅行支援。さっそくキャンペーンが始まった最初の週末で利用する機会があったので、実際に体験してみた。「複雑」、「わかりにくい」といった声がある中、自分も1つ1つのプロセスで「この場合はどうなるんだ?」と調べることも多かったので、これから利用する人の参考になる部分もあるかもしれない。

 

 4000円お得に釣られた

かかりつけの病院で無料検査を受検。結果は当日中に書面でもらえた
(撮影:光石 達哉)

全国旅行支援では、まず旅行代金の40%相当が割引される(1人1泊あたり割引上限額は交通付旅行商品8,000円、宿泊のみなどその他5,000円)。さらに、現地で使えるクーポン券(平日3,000円分、休日1,000円分)が宿泊施設チェックイン時に渡される。つまり、最大で1人1泊あたり1万1,000円分お得になる計算だ。

そもそも、今回は最初から全国旅行支援を使おうとしたのではなかった。山梨県での自転車イベント取材のため1泊しようと、大手旅行サイト・楽天トラベルのアプリでホテルを探していたところ、とあるビジネスホテルで全国旅行支援の40%割引が適用された料金がデフォルトで表示されていた。割引前の宿泊代は約1万1,000円だったが、全国旅行支援適用で7000円弱となっていたのだ。

 

 GoToトラベルとの比較

今回、ホテル代は取材のクライアント負担だったのだが、経費は抑えられるにこしたことないので、この割引価格で予約することに。このとき残り1部屋だったが、アプリの画面が誘導する通りポチポチと進んでいったら、割引価格で予約できた。他で何かに登録したり、申請する必要は特になかった。

ちなみに東京都の全国旅行支援は10月20日からスタートしたが、これは東京の宿泊施設や東京を目的地とするツアーに対する割引。自分のように東京都民が他県に旅行する場合は、20日以前でも適用された。

また2年前の「GoToトラベル」キャンペーンのときは出張などのビジネス利用は除外で、会社名での領収書をもらうことなどできなかったようだが、今回はビジネス利用でも原則割引が適用されるようだ(行政機関等の公費出張の場合は対象外)。

ただし、チェックイン時には(1)ワクチン接種歴または検査結果 (2)本人確認書類の提示が必要になる。これらを忘れた場合は、割引適用前の本来の料金を払うことになる。

ワクチン接種歴は、原則3回以上が必要。都道府県によっては同一県内の旅行なら2回接種でもOKなど細かい違いがあるようだが、いずれにせよ3回以上接種していれば、だいたいのところは大丈夫のようだ。

 

 接種2回のため陰性証明が必要

ところが自分の場合、ワクチンは2回しか接種していないので、検査での陰性証明が必要になる。PCR検査なら3日以内、抗原検査は前日か当日の陰性結果が必要で、時間的な余裕があるPCR検査を受けることにした。

運よく、かかりつけの皮膚科で無料検査を行っていて、いつも空いていたので、宿泊前日にそこでPCR検査を受けた。予約なしでその場で検査を受けられて、15分ぐらいで紙の検査結果をもらった。鼻の穴に綿棒を2cmくらい突っ込む鼻腔検査だったが、めでたく陰性で検査日から3日後までの有効期限も記載されていた。メールで検査結果を通知する検査所も多いので、そういう場合はメール画面をホテルで見せればいいのだろう。これで事前の準備はひとまず完了だ。

今後、頻繁に旅行支援を利用したり長期の旅行をするなら、毎回検査を受けるより、ワクチン3回接種していた方が手間が少なくていいかもしれない。

 

 山梨県内のビジネスホテルに宿泊

泊まったのは、山梨県内のビジネスホテル。全国展開しているところで、天然温泉の大浴場もあって、部屋も含め快適さは申し分なし(撮影:光石 達哉)

いよいよ当日、予約していた山梨県内のビジネスホテルにチェックイン。フロントでワクチン接種証明を求められたので、代わりにPCR検査結果を見せる。本人確認・居住地確認書類として運転免許証も提示した。他にマイナンバーカード、パスポートなど国または地方公共団体の機関が発行した身分証明書が使えるようだ。ちょっとドキドキしたが、無事に割引料金で決済でき、クライアントの会社名で領収書ももらえた。

さらに、1000円分の地域クーポンももらえた。ただし、有効期限が宿泊当日(チェックイン日)と翌日(チェックアウト日)の2日間のみ。この日は他の用事もあったので、チェックインしたのは午後9時。もう開いている店も少なそうなので、この日は使うのを断念。

 

 クーポン券を使えるお店探しに苦戦

クーポンの使用期限は、宿泊の翌日まで。使えるお店を選ぶのに時間がかかって、結局は地元のスーパーでシャインマスカットなどを購入(撮影:光石 達哉)

翌日、昼過ぎに取材が終わったので、ようやく地域クーポンを使うことに。クーポン券のQRコードを読み込むと、登録宿泊施設・クーポン利用可能店舗の検索ページが開く。クーポン利用可能店舗は地域、市町村、業種、フリーワードなどで検索できる。

車で出かけていたので、高速に乗る前に寄れる店ということで、同じ市内で探すことにした。市内には60件ぐらい使えるお店があったが、コンビニ、ファミレス、家電量販店、ドラッグストアなど全国的にお馴染みの店もあれば。地元の飲食店、日帰り温泉施設。お土産屋など旅行者向けのものもある。

イベントのエイドステーションで軽い食事は済ませていてさほど空腹でもなかったし、検索結果の一覧だけ見てもどんなお店かわからないところも多い。深掘りしていろいろ調べていると、時間ばかり過ぎていく。

結局、地元のスーパーに寄って、シャインマスカットと帰宅後の夕食になりそうなものをいくつか買って帰った。1,600円分ぐらい買い物をして、レジでクーポン券を店員さんに渡すと、ちゃんと1,000円割引してもらった。

 

 自分にぴったりのプラン発見は至難の業…?

というわけで、今回は宿泊代とクーポン券で合わせて約5,000円お得になった。

宿泊料金については、ニュースやSNSでも便乗値上げではと話題になっているが、確かに今回の割引された宿泊代は、過去に同じ系列のホテルに宿泊したときとほぼ変わらない気がする。需要増で全体的に高騰しているからかもしれないが、割引が適用されない場合は、余計に払って損した感はあるかもしれない。

また開始から2週間程度たって、すでに売り切れている宿泊プランやツアーなども少なくないようだ。今後、資金追加などで状況改善されるかもしれないが、いずれにせよホテル、公共交通機関、高速道路など、どこも混みあっているようなので、日程や行先など自分の条件に合うものを見つけるのは至難の業、運しだいかもしれない。

 

(光石 達哉)

 

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