卒業生が母校の横顔をつづる連載「母校トリビア」。
今回は都立西高校の20代OGが「入学前の準備、何をしたらいい？」をテーマに、このたび合格された新入学生の皆さんに祝福のコラムを贈ります。
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都立西高校に合格した皆さん、おめでとうございます！
受験勉強から解放され、今は最後の中学生活を満喫している頃だろうか。
振り返ってみれば1年前、休校やらリモート授業やら、先生も親御さんも誰もが経験したことのない状況で、皆さんは受験勉強を始めざるを得なかった。中学校最後の行事も軒並み中止となり、悶々としていたことだろう。
でも、皆さんは勉学に勤しみ、新たなステージへ自ら羽ばたいた。不遇な状況でも惜しまなかった努力は必ず、高校生活の中で楽しい思い出として返ってくる。
君たちは高校生になるんじゃない、西高生になるんだ。
合格発表
合格発表も、密を避けるためいつもとは異なる形だったそう。まず、都のHPで合格者の受験番号を公開、その後掲示板に張り出したとか。掲示板の中から自分の番号を探す、あのドキドキ感も全てオンラインに集約される時代。
私の合格発表もある意味、時代を先取りしていたのかもしれない。久我山の駅から西高へ、母とドキドキしながら歩いていると、あちらから手を振ってくる人影が。
「4月からもよろしくね〜！！」
一足先に合格発表を確認した同じ中学の友達家族だった。彼女はもちろん合格、さらに私と受験番号も近かったため、私の合格も確認してしまっていたのだ。
ええええ…よろしくね…。
何も聞かなかったことにして、一応掲示板を確認するときちんと番号があって一安心。さっきのドキドキ返して！
こうして私も皆さんと同じく、結果を知った上で掲示板を見る羽目になりましたとさ。
友達
合格発表後、入学手続きを済ませ、気になるのは4月からの交友関係だろう。今はどうか分からないが、私たちの学年は入学前からLINEのグループがあった。TwitterなどのSNSでも「＃春から西高生」みたいなものが散見されるだろう。
だが、焦らないでほしい。自分も入学前は不安で仕方がなかったが、不安なのはみんな同じ。無理して関係を持とうとしなくても、入学してから行事を経験するうちにどんどん仲良くなる。
私は偶然、LINEで少し話していい子だなあと感じていた子と同じクラスになり、大学生になった今も関係が続いている。気になった子には勇気を出してチャットしてみると、一生物の友達になるかも⁈
体力
あとは体力をつけよう。受験勉強でなまった体は、自分が想像している以上になまっている。
そんな体に、5月の初め頃最初の試練が訪れる。高尾山登山だ。コロナ禍でどうなるのかは分からないが、例年ゴミ拾い活動という名目のもと、高尾山とその周辺の山に登る。
高尾山くらいヘッチャラと思っているだろうが、これが案外しんどい。体力面はもちろん、初めての行事で友達と仲良くなるチャンスなので、おしゃべりしながら（ゴミも拾いながら）登り続けなければならない。
さらに夏休みには林間学校で、スキー場の斜面を登山したり（ふもとから頂上まで歩いて登る）、山々を縦走したりもするのだ。林間学校は健脚コースと一般コースでコースを選べるが、一般の方がきつい日もあるとかないとか…。いずれにしろ、体力をつけておいて悪いことはない。
百人一首
スポーツはあまり得意じゃない…けど人気者になりたいという人！ 君には3月の暇な時間に、百人一首を覚えることをオススメする。映画「ちはやふる」で見たような光景が、6月に西高でも見られるのだ。
クラスマッチの種目としてクラス対抗で行われる百人一首。体育館やグラウンドで行われる他の種目と違い、西高会館や和室という離れた場所で行われるため、存在感が薄いーーというわけではない！ 百人一首こそ、入学したばかりの新入生が輝ける場なのだ。
クラスマッチは、ハンデもペナルティもないガチンコ勝負。スポーツ系の競技では、1年生が初戦から3年生のクラスとぶつかり、１試合しかできずに終わることもザラにある。体格や技術が格段に違うため、下剋上は起こりにくいのだ。
だが、百人一首は知能の勝負、ゆえに特訓すればするだけ、上の学年とも対等に勝負ができる。他の競技が終わった中、百人一首だけ勝ち残っていると、クラスのみんなが応援に来てくれる。クラスのヒーローになるのも夢じゃない。
（五島由紀子＝mimiyori編集部）
