読んでいるうちに行ったつもりになれるかもしれない、プチ旅行の紀行文コラム「行ったつもりシリーズ」。
東京都多摩地域の30市町村に散らばる130カ所のデジタルスタンプを集める「多摩東京移管130周年デジタルスタンプラリー」に自転車で挑戦中。第11回は府中市、調布市、三鷹市を走って集めていく。
大國魂神社からスポーツバーへ
2023年は1893(明治26)年に西多摩・南多摩・北多摩の3郡が神奈川県から東京府(現在の東京都)に移管されて、130周年。それを記念して多摩地域のおすすめスポット130カ所をめぐるデジタルスタンプラリーが、10月29日まで開催されていた。10月中旬の挑戦6日目、前半は日野市の多摩動物公園と国立市で4つのスタンプをゲットし、計97個に。後半は国道20号周辺を東へ進み、府中市へと向かっていく。
国立市の「城山さとのいえ」から、中央自動車道の側道を走ったりしながら南東へ約5km、府中市の「郷土の森観光物産館」に到着。ポスターのQRコードをスマホカメラで読み込んで、デジタルスタンプをゲットする。
以前にも紹介したことがあるが、ここは多摩川サイクリングロードからも近い物産館。地元農産物や特産品・観光関連グッズを販売しているほか、地元食材を使ったレストラン「ことみ食堂」や観光案内所もある。
続いて2kmちょっと北へ進み、府中市のシンボルである大國魂神社の参道沿いにある「ふるさと府中歴史館」へ。この神社周辺は古代の武蔵国府の跡でもあり、ここではそうした市の歴史や文化を紹介している。
ここから200mほど北に進んで、大鳥居のすぐそばにある「府中市観光情報センター」で続けてスタンプをゲットする。
次のスポットは、数百m北の京王線・府中駅の駅ビル2階にあるようだ。違法駐輪を取り締まっている係の人に駐輪場の場所を教えてもらって、駅の中へ。大きな駅なので少し探したけど、QRコードが設置してある「183 FUCHU FAN ZONE」は2階の北口改札の目の前にあった。
ここはスポーツバーのようなお店で、店内の大型モニターでは府中を本拠地とするラグビーチーム「東芝ブレイブルーパス東京」「東京サントリーサンゴリアス」の試合のほか、サッカー、野球、バスケットボールなどのスポーツ中継を観戦できるそうだ。「中央フリーウェイ」の歌詞にも出てくるサントリー工場の新鮮なビールも味わえる。これで府中市のスポット4カ所をコンプリートだ。
スタジアムと天文台
府中駅から甲州街道を東へ約5km走ると、調布市の「味の素スタジアム」が見えてきた。
ここはJリーグ「FC東京」、「東京ヴェルディ」などのホームスタジアムで、2019年ラグビーW杯、2020東京五輪をはじめ、様々なスポーツやコンサートなどの会場としてお馴染みだ。QRコードのポスターは管理事務所の入口的なところにあったので、ちょっと探すことになった。
だいぶあたりが暗くなってきたけど、続いては2kmちょっと北東へ。三鷹市に入って、「国立天文台」正門に午後4時50分ごろ到着。見学受付は午後4時30分までだったが、守衛さんに声をかけてスタンプ取得のために敷地内に入らせてもらった。
国立天文台は、1924年(大正13年)に現在の港区・飯倉からこの地へ移転。ここは国内に何カ所かある国立天文台の施設をまとめる本部であり、三鷹キャンパスと呼ばれている。
自転車を降りて、徒歩で敷地内に入る。僕が歩いたルートからはドーム状の建物から大きな望遠鏡がのぞいているような天文台は見えず、大学のようにいくつかの建物が並んでいた。そのうちのひとつにQRコード入りのポスターが貼ってあった。
緑を感じるスポットへ
次は、数百m北にある「三鷹市星と森と絵本の家」を目指す。ここも天文台の敷地内にある。いったん正門を出てしまったが、北側にある裏門からも入ることができた。
ここは絵本の図書館といったところ。また大正・昭和に使われていた天文台職員の官舎を一部利用していて、当時の日本家屋の様子を見学できるそうだ。こちらも閉館時間ギリギリだったのでQRコードを読み込んで、次へ向かう。
約1km南東に走って調布市に戻り、「神代植物公園」へ。1961(昭和36)年に都内唯一の植物公園として開園し、現在は約50万平米の敷地内に約4,800種類、10万本・株の植物が植えられているという。午後5時の閉園時間は過ぎていたが、外の掲示板でQRコードを読み込むことができた。
次のスポットはすでに閉まっていたので、約2㎞南へ走って団地の下にある「調布のやさい畑 農産物直売所」へ。ここは調布市内外の農家と自社農園から年間300種以上の農産物を入荷している直売所。とはいえ、こちらもすでに閉まっていて真っ暗だったが、外に出してあったQRコードでスタンプゲットした。
多摩動物公園から始まったこの日は13個のスタンプをゲットし、合計106個に。あと2週間あまりで130個制覇のゴールが見えてきたようだ。
(光石 達哉)