【行ったつもりシリーズ】「多摩東京移管130周年デジタルスタンプラリー」に自転車で挑戦!(12)中央線沿線を西へ

調布市の「深大寺」へ。参道には深大寺そばの名店が並ぶ(撮影:光石 達哉)

読んでいるうちに行ったつもりになれるかもしれない、プチ旅行の紀行文コラム「行ったつもりシリーズ」。

東京都多摩地域の30市町村に散らばる130カ所のデジタルスタンプを集める「多摩東京移管130周年デジタルスタンプラリー」に自転車で挑戦中。第12回は狛江市、調布市、三鷹市、武蔵野市、小金井市を走っていく。

 

 

 深大寺へ

狛江市の「狛江市市民活動支援センター(こまえくぼ1234)」。ボランティアや市民活動の力を借りたい人たち、活動してみたい人たちを支援しているセンター(撮影:光石 達哉)

2023年は1893(明治26)年に西多摩・南多摩・北多摩の3郡が神奈川県から東京府(現在の東京都)に移管されて、130周年。それを記念して多摩地域のおすすめスポット130カ所をめぐるデジタルスタンプラリーが、10月29日まで開催されていた。ここまで6日間自転車で回って106個ゲットと、ようやく完全制覇が見えてきた。そこで10月下旬の挑戦7日目は、今まで獲得し損ねていたところをしらみ潰ししていく。

まずは、狛江市の「狛江市市民活動支援センター(こまえくぼ1234)」へ。ここは午前10時オープンで、以前訪れたときはまだ開いていなかったところ。今回はゆっくりめに出発したのだが、それでもオープン10分前に着いてしまった。しかし、外で職員さんが作業していたので声をかけると中に入れてくれ、無事QRコードを読み込んでスタンプをゲットできた。

職員さんが「どれくらい集めたんですか? こないだ来た人は120個ぐらい集めたそうですよ」と話しかけてくれた。これまであまり出会ってないけど、他にもスタンプ集めを頑張っている人がいるようだ。

 

733(天平5)年に開山した古刹「深大寺」。東日本最古にして都内寺院唯一の国宝仏とされる「銅像釈迦如来倚像」(深大寺白鳳仏)が所蔵されている(撮影:光石 達哉)

この日は、初秋の暖かいサイクリング日和。次は約6km北西へ走って、調布市の「深大寺」へ。神代植物公園と隣接しているが、先日、訪れたときは時間が遅くて山門が閉まっていた。この日は本堂にお参りして、そばに立っていたのぼりのQRコードを読み込む。

 

参道の鬼太郎茶屋も参拝客に人気。『ゲゲゲの鬼太郎』の漫画家・水木しげるさんは長年、調布に住んでいた縁がある(撮影:光石 達哉)

日曜日だったので参拝客も多く、参道のお店も賑わっている。

 

 中央線沿い観光スポットを総ナメ

三鷹市の「三鷹の森ジブリ美術館」。建物自体が1本の映画のようでありたいというコンセプトで展示が構成されている。入場料(大人・大学生)1,000円
(撮影:光石 達哉)

ここからは、今までほぼ手つかずのJR中央線沿いのスポットを総ナメしていく。まずは北へ約5km進んで、吉祥寺駅近くの井の頭公園内にある「三鷹の森ジブリ美術館」へ。

言わずと知れたスタジオジブリの映画の世界を体験できる日本初のアニメーション美術館で、2001年オープンといつの間にか20年以上の歴史を数えている。スタンプは出口付近でもらえるとのことで、係の人に聞いたら、QRコードが載っているチラシを見せてくれた。

 

「山本有三記念館」は、作家・山本有三が1936~46年まで暮らした家を改装。大正末期に建てられた本格的な洋風建築で、石を自然に積み上げたような煙突などが特徴(撮影:光石 達哉)

次にやって来たのは、数百m西の「山本有三記念館」。以前にも訪れたことがあるが、小説「路傍の石」などで知られる作家・山本有三が住んでいた記念館。記念館自体は入館料(大人300円)が必要だが、その周囲の庭園は有三記念公園として誰でも散策できるようになっている。

 

庭園の入口には、山本有三の代表作にちなんで「路傍の石」と呼ばれる巨石も置かれている(撮影:光石 達哉)

洋館ときれいに整えられた緑のコントラストが美しい。

 

武蔵野市の「武蔵野プレイス」。武蔵境駅前に2011年に完成した図書館、生涯学習センター、市民活動センター、青少年センターなどからなる複合施設(撮影:光石 達哉)

次は西へ約3km進み、武蔵野市の武蔵境駅前にある「武蔵野プレイス」へ。図書館などが入っている複合施設で、鉄腕アトムに出てくるような近未来風の建物だ。駐輪場が建物の裏だったので、警備員さんに声をかけて入口前に自転車を停めさせてもらい、一瞬だけ中に入ってQRコードを読み込んだ。

 

 明治・大正・昭和の面影をたどる

小金井市の「菓子工房ビルドルセ」。自家製カスタードクリームをふわふわ生地に詰め込んだ「黄金井パフ」が人気。賞を受賞したり、TVでも紹介されるほどだ
(撮影:光石 達哉)

これで狛江、調布、三鷹、武蔵野のスタンプをコンプリート。ここからさらに西の小金井市に向かう。このあたりは20数年前に住んでいたのだが、当時が思い出させないほどすっかり様変わりしている。そう見えるのは、中央線が高架化されたのも原因のひとつで、高架下には新しくお店や公園ができている。

そんなことを考えながら約2㎞西へ走って、JR東小金井駅南口にある「菓子工房ビルドルセ」でスタンプゲット。

 

作家・下村湖人ゆかりの「浴恩館」を改修した「小金井市文化財センター」。現在は市内で発見された考古資料・古文書・民具などを常設展示している(撮影:光石 達哉)

続いて2km弱北西へ移動し、「小金井市文化財センター」へ。以前も紹介したが、この建物は「浴恩館」と呼ばれ、作家で教育者でもあった下村湖人が昭和初期に所長を務めた青年団講習所が置かれていた。湖人はここで若者の教育にあたり、ここを舞台とする小説『次郎物語』を著した。

 

「小金井市立図書館」本館で、隣に別館がある。小金井市に5カ所ある図書館・図書室のひとつ(撮影:光石 達哉)

次は約2㎞南下し、「小金井市立図書館」でスタンプを獲得。今度は約1km西へ移動して、「滄浪泉園(そうろうせんえん)」という庭園へ。

 

湧水が豊かで多くの野鳥が訪れる「滄浪泉園」。右の門標文字は、庭園名を名付けた犬養毅元首相自筆によるもの。入園料(15歳以上)100円
(撮影:光石 達哉)

ここは、明治・大正期に政治家などとして活躍した波多野承五郎の別荘の庭園。波多野の友人である犬養毅元首相がここを訪れたとき、「手や足を洗い、口をそそぎ、俗塵(ぞくじん)に汚れた心を洗い清める、清清(せいせい)と豊かな水の湧き出る泉のある庭」という意味を込めて滄浪泉園と名付けたそうだ。

これで、小金井市のスポット4カ所を全制覇。次回は、さらに西の国分寺市を目指す。

 

(光石 達哉)

 

今回のルート:①狛江市市民活動支援センター(こまえくぼ1234)―②深大寺―③三鷹の森ジブリ美術館―④山本有三記念館―⑤武蔵野プレイス―⑥菓子工房ビルドルセ―⑦小金井市文化財センター―⑧小金井市立図書館―⑨滄浪泉園

 

 

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