【行ったつもりシリーズ】サイクリングに最適の季節~新緑の東京・武蔵野を行くデジタルスタンプラリーに挑戦!<前編>

都立井の頭恩賜公園

出発地点の「三鷹の森ジブリ美術館」から「小金井公園」を目指して(撮影:光石 達哉)

読んでいるうちに行ったつもりになれるかもしれない、プチ旅行の紀行文コラム「行ったつもりシリーズ」。

5月はサイクリングに最適な季節ということで、今回は新緑の東京・武蔵野エリアでデジタルスタンプラリーに挑戦し、玉川上水周辺の20のポイントを回る。

前半は「三鷹の森ジブリ美術館」から「小金井公園」まで走っていく。

 

 

 ロボット兵に見送られてスタート!

三鷹の森ジブリ美術館

「第18回森の地図スタンプラリー」に挑戦。どこからスタートしてもいいが、今回は井の頭公園内にある「三鷹の森ジブリ美術館」(入場料大人・大学生1000円、事前予約制)から出発(撮影:光石 達哉)

冬の寒さも過ぎ去り、梅雨が始まるまでのこの時期は、1年の中でも気持ちよく自転車に乗れる季節。

そんな中、今回は東京・武蔵野エリアで開催されている「第18回森の地図スタンプラリー」に挑戦。このスタンプラリーは、実際に用紙にスタンプを押すリアルとスマホアプリを使ったデジタルの二通りで楽しめる。

デジタルを始めるには、「Furari」というスマホアプリをダウンロード。全国10カ所ほどのデジタルスタンプラリーが公開されているので、その中から選択する。

 

スタンプポイントは、東大和市・小平市・小金井市・三鷹市・武蔵野市の5つの市に20カ所置かれている。個人的には小平市と武蔵野市は住んでいたことがあるし、最近でも自転車でよく通る馴染みのエリアだ。

 

三鷹の森ジブリ美術館

美術館の上から『天空の城ラピュタ』のロボット兵が見下ろしている(撮影:光石 達哉)

最初の目的地は、吉祥寺駅近くの井の頭公園内にある「三鷹の森ジブリ美術館」。

言わずと知れたジブリ映画の世界を楽しめる施設だが、まだ午前9時前でオープンしておらず、チケットも事前予約制なので、外側から屋根の上にたたずんでいるラピュタのロボット兵を仰ぎ見る。

 

なお、今回のデジタルスタンプラリーはGPSを使用。指定のポイントのそばでアプリの各施設のページを開き、「スタンプを取得する」ボタンを押すとゲットできる。

 

三鷹市山本有三記念館

「三鷹市山本有三記念館」(入館料一般300円)。門の前には作家・山本有三の代表作『路傍の石』のモデルとなったとされる石が置かれている(撮影:光石 達哉)

次は吉祥寺通りを左折し、玉川上水に沿って少し走り、約700m離れたところにある「三鷹市山本有三記念館」へ。

『路傍の石』などで知られる作家・山本有三の邸宅跡だ。大きくて立派な洋館で、その周りの庭園は無料開放されているというが、ここも開館時間前だった。

 

井の頭自然文化園

「井の頭自然文化園」本園の動物園前。リスやモルモットと間近でふれあうこともできるという。分園の「水生物園」と合わせて、入場料一般400円(撮影:光石 達哉)

再び吉祥寺通りに戻って約300m走り、「井の頭自然文化園」へ。

今年で開園80周年の歴史があり、本園の「動物園」、分園の「水生物園」に別れている。動物園は2016年に国内最年長の69歳で亡くなったゾウの「はな子」がいたことでも有名で、現在もツシマヤマネコなど珍しい動物が飼育されているという。スタンプは動物園の正門前でゲットできる。

 

 「吉祥寺」地名の由来とは?

都立井の頭恩賜公園

「都立井の頭恩賜公園」。井の頭池に浮かぶ朱塗りの井の頭弁財天が新緑に包まれる(撮影:光石 達哉)

続いてその向かいの「都立井の頭恩賜公園」へ。

吉祥寺駅からも歩いてすぐの市民の憩いの公園で、ストリートミュージシャンが音楽を奏でたり、手作り雑貨の露店が並んでいたりと、サブカル的な雰囲気もある。

 

お茶の水

徳川家康が関東随一の名水と称え、お茶を淹れたという「お茶の水」の湧水。ちなみに神田のお茶の水は別の湧水のことで、直接の関係はないようだ(撮影:光石 達哉)

デジタルスタンプは吉祥寺通り沿いの公園案内所付近でゲットできるが、ちょっとだけ井の頭池の方へ行ってみる。池のほとりには井の頭弁財天や徳川家康が誉めたという「お茶の水」の湧水がある。

 

武蔵野八幡宮

吉祥寺の繁華街のはずれにある「武蔵野八幡宮」。喧騒を忘れる静かなたたずまい(撮影:光石 達哉)

公園を出て、吉祥寺通りを北へ約1km。パルコや東急百貨店などが並ぶ吉祥寺の繁華街を抜け、五日市街道とぶつかる交差点に次のポイント「武蔵野八幡宮」がある。

 

武蔵野八幡宮

本殿。もともとは平安時代に坂上田村麻呂が宇佐八幡の分社として創建し、明暦の大火後に小石川からこの地に移ったという(撮影:光石 達哉)

 

ここは吉祥寺という地名の由来と繋がる神社。江戸時代の明暦の大火(1657年)後、水道橋付近の吉祥寺村の住民がここへ移住し、この八幡宮も遷座したという。今回はコンパクトなエリアにポイントが固まっているので、スタンプもザクザク溜まっていく。

 

 市民憩いの公園は「零戦」エンジン製造の跡地

都立玉川上水緑道

杉並区から福生市まで約24km続く「都立玉川上水緑道」。三鷹駅南口前には井戸のポンプもある(撮影:光石 達哉)

五日市街道、成蹊通りを通って、先ほどの山本有三記念館のそばの玉川上水沿いの道に出て、計約2.5km走って三鷹駅南口へ。

次のポイントは「都立玉川上水緑道」だが、緑道自体は約24kmの長さがある。そのためスタンプは、駅前の観光案内所付近でゲットできる。

 

むさしのエコreゾート

ゴミ処理施設をリノベーションした環境問題を学べる施設「むさしのエコreゾート」。中庭の緑が美しい(撮影:光石 達哉)

次は三鷹通りを北へ。武蔵野市役所の先で左折し、約3kmで「むさしのエコreゾート」という施設へ。

ここは武蔵野クリーンセンターというゴミ処理施設の一部をリノベーションしたもので、環境問題について学べるスペースになっており、カフェなどもあるという。

 

都立武蔵野中央公園

「都立武蔵野中央公園」。広大な緑の「はらっぱ」が、市民の憩いの場(撮影:光石 達哉)

1kmほど西へ移動し、「都立武蔵野中央公園」へ。かつて中島飛行機(現在のSUBARU)武蔵製作所があったところで、零戦のエンジンなどを作っていた。

 

都立武蔵野中央公園

かつて中島飛行機の工場だったところに作られた公園。零戦の模型も飾られていた(撮影:光石 達哉)

そんなこともあり、戦時中は米軍の空襲の対象となり、僕がこのあたりに住んでいたころもよく不発弾処理のお知らせがあった記憶がある。戦後は米軍住宅を経て、公園となった。

 

 前半のゴール「小金井公園」へ 日比谷公園の5倍!

浴恩館公園

小金井市の「浴恩館公園」。この浴恩館は作家・下村湖人が館長を務めた学校で、現在は小金井市文化財センター(入場無料)(撮影:光石 達哉)

公園を出て五日市街道を西へ。さらに玉川上水の南側、五日市街道と並行に走る上水桜通りをしばらく走って、約4.5km。「浴恩館公園」が次のスポットだ。

アカマツ、ナラ、クヌギなどの木々が鬱蒼と生い茂り、園内は薄暗さも感じる。

 

浴恩館公園

園内にかかるその名も次郎橋。下を流れるのは仙川だが、この日は干上がっていた(撮影:光石 達哉)

ここは下村湖人の小説『次郎物語』の舞台となったところだそうだ。

下村湖人は僕の地元・佐賀県出身の作家で、『次郎物語』も次郎の幼少時代は佐賀が舞台となっている。自分も子どものころに読んでみようとしたが、序盤で挫折した記憶がある。

ここの浴恩館とは全国の若者が自給自足しながら勉強していた生活学校で、下村湖人はその初代館長だったという。今は浴恩館の建物は、小金井市文化財センターとなっている。

 

都立小金井公園

広大な「都立小金井公園」。レンタサイクルやサイクリングロードもある(撮影:光石 達哉)

玉川上水の上を渡って500mほど北へ走り、「都立小金井公園」へ。日比谷公園の5倍の面積があるという大きな公園だが、スタンプは南側のサービスセンター付近でゲットできる。この日はまだゴールデンウイーク中だったので、園内は家族連れなどでかなり賑わっていた。

 

江戸東京たてもの園

小金井公園内にある「江戸東京たてもの園」(入園料一般400円)を外から眺める。奥に見える銭湯「子宝湯」付近はジブリ映画『千と千尋の神隠し』のモデルになったと言われる(撮影:光石 達哉)

公園内の「江戸東京たてもの園」もスタンプゲットできるポイントだ。去年、東京五輪の幻の聖火リレーのコースを走る企画でも紹介したが、江戸時代から昭和中期までの建物30棟が移築され、展示されている。

 

ここまで11カ所を回って、約16km走ってきた。時間はまだ午前11時。残りは後編に続く!

 

(光石 達哉)

 

今回のルート:①三鷹の森ジブリ美術館-②三鷹市山本有三記念館-③井の頭自然文化園-④都立井の頭恩賜公園-⑤武蔵野八幡宮-⑥都立玉川上水緑道-⑦むさしのエコreゾート―⑧都立武蔵野中央公園-⑨浴恩館公園-⑩都立小金井公園-⑪江戸東京たてもの園(撮影:光石 達哉)

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