【行ったつもりシリーズ】平和の大鳥居からよみうりランドまで 東京と神奈川の境を探検

f:id:mimiyori_media:20200911171750j:plain

スタート地点は羽田空港そばの平和の大鳥居。東京モノレール・京急の天空橋駅からも近い(撮影:光石達哉)

感染予防のため不要不急の移動を控え、まだまだ自由に旅行するのは難しい日々が続いている。そんな中、サイクリングで訪れたちょっとマイナーだけど個人的なお気に入りスポットを紹介して、今後の旅の参考にしてもらおうというこの企画。今回も東京のギリギリ端っこを探検ということで、多摩川河口の平和の大鳥居からよみうりランドまで神奈川との県境に沿って走ってみた。

 
 

 

今回は海側・平地側からの景色を紹介

過去数回、山側から東京都と他県との境を見てきたが、今回は目線を変えて海側・平地側から東京のギリギリ端っこを走って、どんな景色が見えるのか探検してみる。まずは東京と神奈川の間を流れる多摩川の河口へ。スタート地点は羽田空港近くの平和の大鳥居。実際の河口はもうちょっと先で、羽田空港のエリアとなる。空港内もある程度までは自転車で入れて、僕も昔、迷い込んだことがあるが、今回は深入りせずにこの大鳥居から出発だ。

平和の大鳥居の歴史 なぜ近くに神社がない?

この平和の大鳥居は、鳥居があるだけで近くに神社はない。もともとは昭和初期に京急電鉄から穴守稲荷神社に寄付された鳥居だったという。しかし、太平洋戦争終結後の1945年9月、GHQが羽田空港建設のため付近の住民を48時間で強制退去させ、穴守稲荷も移転を余儀なくされた。ところが、この大鳥居だけは撤去を免れ、空港敷地内に残されたそうだ。その後も取り壊しや移転の危機があったが、大鳥居の不思議な力かはたまた祟りか、そのたびに事故が起こったという。結局、その後の空港拡張に伴い、1999年に現在の位置に移転されたとのことだ。

f:id:mimiyori_media:20200911171944j:plain

河口の空港の方を見ると、川崎へと渡る羽田連絡道路の橋が建設中(撮影:光石達哉)

 

 

f:id:mimiyori_media:20200911164851j:plain

大鳥居のそばでは、海老取川という小さな川が多摩川に注ぎ込んでいる。以前は漁船がたくさん泊まっていたが、今は再開発の工事中でその姿はない(撮影:光石達哉)


この大鳥居から河口の方を見ると、対岸の川崎の方へ新たな橋が建設されているのが見える。これは羽田連絡道路といって、もともとは2020年度中の開通予定だったが、台風などの悪天候により工事が遅れ、今は2021年度中の開通を目指しているという。今後は平和の大鳥居のあたりも開発されて、「HANEDA GLOBAL WINGS」という新しい街になり、企業誘致や商業施設建設なども進んで、東京の新玄関口としてインバウンド客を取り込んでいくようだ。今はまだ下町感ある川沿いの景色も、あと数年で様変わりするかもしれない。

「多摩サイ」をさかのぼる

f:id:mimiyori_media:20200911165205j:plain

現在、多摩川にかかる最も河口に近い橋。左が首都高1号線横羽線、右が大師橋(撮影:光石達哉)


話はそれたが、ここから多摩川をさかのぼっていく。堤防の上の道は、サイクリストの間では多摩川サイクリングロード、略して「多摩サイ」とも呼ばれている。とはいえ、普段は散歩やランニングしている人も多いのであえて避ける自転車乗りも多いが、この日は猛暑の平日だったので人影もまばらだ。

1kmほどさかのぼると、首都高1号線横羽線と大師橋が川崎の方へとかかっている。今のところ、この大師橋が一般道で県境を越えられる最も河口側の橋となる。

f:id:mimiyori_media:20200911165451j:plain

大師橋から丸子橋までは整備されたサイクリングロードが伸びている。河原には野球やサッカーのグラウンド、ゴルフの練習場などが多い(撮影:光石達哉)

f:id:mimiyori_media:20200911165636j:plain

二子玉川駅を過ぎたところで、いったん河原に降りてみる。芝が整えられたグラウンドの向こうに二子玉川のビル群が見える(撮影:光石達哉)


さらに10kmほど進んだ丸子橋の手前で舗装されたサイクリングロードは途切れるので、ここからは多摩堤通りを走る。その後も多摩川を左に見つつ、堤防の上の道と車道を行ったり来たりしながら、上流の方へと進んでいく。

 

f:id:mimiyori_media:20200911165828j:plain

河口から25km、調布市と稲城市の間にかかる多摩河原橋を渡る(撮影:光石達哉)

f:id:mimiyori_media:20200911170019j:plain

多摩河原橋の上からは、ゆったりとした川の流れが見える(撮影:光石達哉) 

 

f:id:mimiyori_media:20200911170140j:plain

橋を渡ったところで左を見ると、川崎市との境を示す標識がある(撮影:光石達哉)

 

河口から25kmほど登ってきたところにかかる多摩河原橋を使って、多摩川を渡る。この辺りから対岸も東京都稲城市となるからだ。

f:id:mimiyori_media:20200911170316j:plain

ルート図の一部。羽田空港の片隅にある平和の大鳥居を出発し、大師橋、六郷橋の下を通り過ぎる

 

「よみうりV通り」巨人の選手・監督・コーチらの手形が!

 

f:id:mimiyori_media:20200911170449j:plain

京王よみうりランド駅から続く上り坂、サイクリストに人気の練習スポット(撮影:光石達哉)

 

このあたりの県境は、住宅地の中を複雑に走っている。ひとまず県境を越えないように鶴川街道を西へ進む。榎戸の交差点を左へ曲がり、数100m進むと左に京王よみうりランド駅が見え、その先に上り坂がそびえている。この坂は「よみうりV通り」と名付けられているが、サイクリストの間では「ランド坂」とも呼ばれ、上り坂の練習に訪れるロードバイク乗りも多い。

f:id:mimiyori_media:20200911170614j:plain

歩道には巨人の選手・監督・コーチの手形が背番号順に並んでいる(撮影:光石達哉)


坂の歩道には、数年前の巨人の選手・監督・コーチらの手形が背番号順に等間隔に並べられている。さらに右に大きくカーブしながら登っていくと、巨人の二軍本拠地である読売ジャイアンツ球場の入り口が見えてくる。巨人の追っかけファンが出待ちをしていることもある。

f:id:mimiyori_media:20200911170729j:plain

坂の頂上付近、頭上には駅からのゴンドラが通っている。この写真の右の方へ行くとすぐ神奈川県との境になる(撮影:光石達哉)

 

 

f:id:mimiyori_media:20200911170913j:plain

坂の頂上には駅からの階段もある。この辺りからは街が見下ろせ、夜景スポットとしても有名(撮影:光石達哉)

 

f:id:mimiyori_media:20200911171055j:plain

自らの脚で階段を上ってきた人には、長嶋茂雄さんの筆による石碑が出迎えてくれる(撮影:光石達哉)

 

さらにスカイシャトルと呼ばれるゴンドラが通る下で自転車を降りると、駅からの階段があり、その頂上にはミスター長嶋茂雄さんの筆による「巨人の道」の石碑がある。この道をそのまま行けばよみうりランドの正面にも行けるのだが、道の途中に県境が通っているため、ここでいったん停止。続きは次回以降に!
(光石 達哉)

f:id:mimiyori_media:20200911171228j:plain

ルート図の一部。マップの右側から走ってきて多摩川を渡り、よみうりランドの坂を上って県境ギリギリに到達