【行ったつもりシリーズ】富士山一周で東京五輪気分もちょっとだけ

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山中湖畔から見た朝の富士山。これは北から見た姿(撮影:光石達哉)
ようやく都道府県間の移動自粛が解禁され、国内旅行もできるようになってきた。というわけで、飽きもせず過去にサイクリングで訪れたちょっとマイナーだけど個人的なお気に入りスポットを紹介して、旅の参考にしてもらおうという企画。今回は富士山一周の旅をご案内。
 

定番コース「ふじいち」をサイクリング

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県道71号の朝霧高原付近、西から見た富士山(撮影:光石達哉)

 前回は八ヶ岳一周の旅を紹介したが、実は昨年の夏には富士山一周の旅にも挑戦していた。サイクリストの間では「ふじいち」とも呼ばれている定番コースでもある。個人的にはものすごく暑い日だったので、涼しいところを走りたいという避暑ライド目的でもあった。

夜中のうちにクルマで移動して、山中湖畔の駐車場を朝7時半にスタート。気温も20度ちょっととかなり涼しい。今回は富士山を反時計回りに回るルートで、まずは国道138号、国道139号で西へ。この地域のメインの幹線道路なので沿道にはお店も並び、交通量も多いので気をつけながら進む。途中で「富士急ハイランド」が右手に現れる。

さらに進んで「道の駅なるさわ」の先で左折し、県道71号へ。このあたりはもう富士山の西側で、青木ヶ原樹海を抜けると朝霧高原が広がってくる。アップダウンはしんどいけれど、交通量は急激に少なくなって、大自然を独占しているような気持ちいい道だ。

暑い上に周りには何もない…

そのまま南下するといよいよ静岡県に入り、左折して県道72号へ。この近くには有名な白糸の滝があったが、気づかずにスルーして国道469号に合流。山梨県側は標高800~900mあったが、こちらの静岡県側は標高500~600mと低く、時間帯も昼に近づいてきたので30度近い暑さになってきた。

お腹も空いてきたが沿道には立ち寄るお店もなく、ボトルの中身も空になってきたのに自動販売機すら見つからず、ひからびそうになりながらペダルを踏み続ける。

やっとエネルギー補給 珍しい車も!

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「富士山こどもの国」の駐車場でようやくひと休み。だだっ広い施設だったので、奥までは入らず。富士山は南から見た景色(撮影:光石達哉)

ようやく見つけた「富士山こどもの国」の駐車場に入り、自動販売機でドリンクを補給。中にはレストランもあるようだが自転車を置いて結構な距離を歩かなければいけないのが億劫で、再び自転車にまたがる。

「富士サファリパーク」の前を通過してしばらく行くとようやく街が現れ始め、コンビニで軽くお昼ご飯。このあたりは自衛隊の演習場があるので、ときおり物々しい車両も見かける。

急坂・篭坂峠現る!

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富士山の東側にある篭坂峠。「道の駅すばしり」から標高差は300mほどだが、なめてかかるとけっこうしんどかった(撮影:光石達哉)

道は東から北向きに代わり、再び国道138号に合流。「道の駅すばしり」付近から、この日、最後にして最大の難所、篭坂峠を攻略する。ここは来年に延期になった東京五輪の自転車ロードレースのコースにもなっているが、本番とは逆方向で今回は上る。短い峠だがナメていると結構きつい。

 1周100kmの旅の終わり

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一周して山中湖畔にゴール。ずっと天気もよくて、いい1日だった(撮影:光石達哉)

なんとか峠の頂上に到達し、ここから一気に下ればもう山中湖。スタート地点の駐車場に到着して、ざっと1周100kmちょっとの旅だった。

360度から富士山ウオッチは良き哉 帰りは温泉へ

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最後は日帰り温泉で汗を流す(撮影:光石達哉)

選んだ道がよくなかったのかあまり見どころもエピソードもない旅になってしまったが、1日中天気もよくて、富士山もあらゆる角度から眺められて、満足度の高い1日だった。ロードバイクがあれば富士山一周もできるんだ、というのはちょっとした感動も覚えるものだ。山中湖畔の旅館の日帰り温泉で汗を流しながら、そんな感慨にもひたることができた。
(光石 達哉)