青梅街道を西へ
青梅街道と言えば新宿駅の大ガードがその起点で、東京に住んでいる人なら聞いたり通ったりしたこともあるだろう。街道は、その新宿から西へと延々と伸びている。その名の元となった青梅を抜けると町並みもまばらになり、左手に多摩川が見てきて渓谷沿いの自然豊かな景色が広がる。
奥多摩湖で一服
JR青梅線の終着駅である奥多摩駅のそばを過ぎ、多摩川をせき止めて作られた小河内ダムとそのダムが作る奥多摩湖でひと休み。ここまでは民家や観光客用のお店などもポツポツあるのだが、さらに先に進んで山梨県に入るとますます人里離れた感じになり、もの悲しさが漂ってくる。
奥多摩湖から15kmほど進んだ「道の駅 丹波山」で休憩しようかなと思ったけど、まだ大丈夫かなと思って通り過ぎたのだが、失敗だった。この先、お店や自動販売機すらほとんどなく、喉も乾いてきてヒイヒイ言いながら上り坂をこいでいく。
救世主!「奥多摩湖源流の湧水」
さらに約15km行ったところに旅館があって、その入り口でわらび餅を売っていた。しかし、当時の僕はなぜかわらび餅は買わず、「奥多摩湖源流の湧水」が汲み放題だったので、水だけをボトルに詰めて先を目指した。
柳沢峠到着!片道100km超…
そこからひと踏ん張り、ふた踏ん張り上って標高1472mの柳沢峠に到着。ちょうど峠の茶屋があり、ランチでとろろそばをいただき、Uターンして帰った。当時住んでいた自宅から片道100km超、往復約210km、家に帰り着いたのは午後8時過ぎと今までで最長のサイクリングとなった。なお、青梅街道は柳沢峠の先も続いていて、塩山市を抜けて甲府市が終着点になっている。
江戸時代の青梅街道は別ルート
ちなみに江戸時代の青梅街道は、柳沢峠より東にあるもっと山深い大菩薩峠を通っていたという。大菩薩峠と言えば、中里介山の同名の長編小説で有名だが、個人的にはだいぶ昔に読みかけたまま途中になっている。ただ、主人公の剣士・机龍之介が修業した道場のある沢井は青梅線の駅にもあり、今日通ってきたところが物語の舞台だったんだなあと思いを馳せたりもする。ちゃんと読み返さないとね。
(光石 達哉)