【自転車】若葉マーク脱出計画20~猛暑からの逃避行!? 日光で避暑サイクリング<1>東武日光駅~日光いろは坂

日光東照宮の玄関口である石鳥居(一の鳥居)。今回は涼を求めて、日光をサイクリング!(撮影:光石 達哉)

自転車初心者の編集部見習いコイケとともに、サイクリングをより楽しむためのノウハウやアイテムを学んでいくシリーズ「若葉マーク脱出計画」。

今年も全国的に暑い夏がやってきた。
こんなときでも自転車に乗りたいのならば、標高の高い地方に行って避暑サイクリングするしかない!

ということで、サイクリング初心者の編集部見習いコイケとともに、輪行で栃木県の日光に向かった。

第1回は日光東照宮周辺からいろは坂クライムまでの模様をお届け。

 

 

 輪行で日光へレッツゴー!

日光へは特急で新宿から約2時間。直通電車なので輪行も楽ちん。車内は意外と空いていた(撮影:光石 達哉)

東京周辺も最高気温35℃前後の暑さとなると、外を自転車で走るのもちょっと命がけだ。

それならば電車で自転車を運ぶ輪行でどこかへ出かけて、避暑サイクリングしようとコイケに相談したところ、日光に行こうという話になった。

実は7月初めから計画を立てていたのだけど、東京周辺の天気は良くても日光は天気が悪かったり、7月半ばは戻り梅雨で雨が続いたりと、なかなか日程が決まらず、7月下旬の日曜日にようやく出発できた。

 

東武日光駅に到着。天気は曇りで、東京よりもはるかに涼しい(撮影:光石 達哉)

ちょうど新宿から東武日光まで直通で約2時間で行ける特急日光があり、えきねっと経由で予約すると3割引きで、大人1人2860円とお得に乗れる。

快適な電車旅で、9時半ごろ東武日光駅に到着。

標高は543mとそれほど高地ではないが、天気は曇りで気温23℃と新宿と比べてかなり涼しく、走りやすそうだ。

 

東武日光駅前は標高543m。中禅寺湖までは約700mのヒルクライム。左奥に見えるのはかつて日光を走っていた路面電車の車両(撮影:光石 達哉)

なんとなくの予定は、日光いろは坂を上って、華厳の滝、中禅寺湖あたりを見て回り、余力があればその先の戦場ヶ原付近まで行こうという感じ。

その間、気になるところは立ち寄っていく。

中禅寺湖は標高1200m以上のところにあるので、約700mは上ることになる。

 

 あの著名人もかつて宿泊「日光金谷ホテル」

日光金谷ホテル。明治26年開業時の本館は、改修しながら現在も使われている(撮影:光石 達哉)

まずは、近くの日光東照宮方面へ。

そのそばにある日光金谷ホテルにコイケが行ってみたいというので、そこに向かって日光街道を西へ進む。

左右にお土産屋が並ぶ緩やかな上り坂を1.5kmほど走ると、左側に金谷ホテルの入り口が見えてきた。

短い石畳の激坂を上り、玄関が見えてきたと思ったら、ホテルのスタッフが近寄ってきた。

宿泊客でもない自転車乗り2人が何か言われるのかと思ったら、「ぜひ中を見学していってください。写真も自由に撮ってください」とのことで、サイクルスタンドまで出してくれるウェルカムぶりだった。

 

見学するサイクリストのため、サイクルスタンドも用意してくれた。コイケは何やら寝袋らしきものを積んでいるが…(撮影:光石 達哉)

1873(明治6)年、日光東照宮の楽師(楽器演奏者)をしていた金谷善一郎が自宅の一部を外国人の宿泊施設としたのが、金谷ホテルの始まりだという。

1893(明治26)年に現在の場所に金谷ホテルとして営業を開始し、現在も当時の建物を改修しながら使っているそうだ。

その長い歴史の中ではアルベルト・アインシュタイン、ルー・ゲーリック、ヘレン・ケラー、アイゼンハワー、インディラ・ガンジーなど海外の著名人も宿泊したという。

 

日光金谷ホテルの食堂のひとつ。和洋折衷のつくりで、天井画が見事(撮影:光石 達哉)

宿泊客でなくても本館内を自由に見学でき、食堂やバンケットホール(宴会場)などを見て回る。

テーブルやいすなどは西洋風のモダンなつくりだが、壁や天井は日本風の彫刻や絵画で飾られ、和洋折衷なつくりが興味深い。

 

 日光東照宮へ

日本三大奇橋のひとつ、神橋。橋の上を歩くのは有料で、右側は閉鎖されていて渡ることはできないようだ(撮影:光石 達哉)

金谷ホテルを出ると、すぐそばに神橋がある。

日光のシンボルのひとつである朱塗りの橋は、日光二荒山神社の一部で世界遺産「日光の社寺」にも登録されている。

 

創建1200年以上の歴史を持つ二荒山神社、二荒(ふたら)山とは、日光連山の男体山のこと(撮影:光石 達哉)

続いて、日光東照宮へ。

コイケは昔来たことがあるのだが、実は僕は初めて。

 

日光東照宮、石の鳥居の左側にある五重塔。高さ36mで日本の五重塔では6番目の高さだそうだ(撮影:光石 達哉)

日光二荒山神社から東照宮の方へ歩いていったが、入口にある五重塔より先は拝観料1300円かかり、境内も広くてゆっくり観光する時間もないので、チラ見で先を急ぐ。

 

ここまでまだ3kmほどしか走っていない。

日光東照宮付近は、気温23℃と快適な涼しさ(撮影:光石 達哉)

 

 コーナーにいろは文字「日光いろは坂」

いよいよ日光いろは坂に突入! 上りは第二いろは坂を行く(撮影:光石 達哉)

さらに西へ走ると観光地的な雰囲気は薄れ、大谷川に沿って緩やかに上る高原の道が続く。

相変わらず軽快な上りを見せるコイケは、スルスルと先行していく。

 

東武日光駅から約11kmで、日光いろは坂の入り口に到着。

第一いろは坂、第二いろは坂に分かれていて、第一が下り専用、第二が上り専用の一方通行で、自転車も通行可能だ。

今の時期はそれほどではないが、紅葉の時期は渋滞もすごいらしい。

上り口は標高850mほどで、標高差約400mを約7kmかけてつづら折りの道で上っていく。

 

いろは坂は、つづら折りのコーナーごとに「いろは48文字」が順番に割り振られている。上りは20文字で、下りが28文字とコーナーが多い(撮影:光石 達哉)

いろは坂に入ると、前を行くコイケはあっという間に見えなくなった。

平均勾配は5~6%(100m進んで5~6m上昇)ほどだが、ちょっとした下りや緩斜面区間もあるので、だいたい6~9%ぐらいの勾配が続く感じだ。

10%を超えると力任せにペダルをこがないと進まない感覚だが、スポーツ自転車に慣れている人なら9%以下の勾配であれば、無心でペダルを回していけば着実に上っていく。

もちろん、それなりにしんどいけど。

 

 霧に包まれた展望台

第二いろは坂、ほぼ最高地点の明智平。標高1274mまで上ってきた(撮影:光石 達哉)

1時間弱かかって、第二いろは坂で最も標高が高い明智平という展望台に到着。

コイケは15分ほど早く到着していて「思ったよりもきつくなかったです」と涼しい顔だ。

 

ロープウェーでさらに約100m上がった先に展望台があるが、この日はあいにくの濃霧。天気がよければ男体山や華厳の滝も一望できるようだ(撮影:光石 達哉)

展望台と言っても、残念ながら濃い霧に包まれほとんど何も見えないが、コイケは目を凝らして「うっすら男体山が見えてきた」と話している。

 

明智平はなぜかトンボがたくさん飛んでいた(撮影:光石 達哉)

果たして、この先天候は回復するのか!? 

次回は中善寺湖畔へと向かう!

 

(光石 達哉)

 

今回のルート:①東武日光駅-②日光金谷ホテル―③神橋-④日光二荒山神社-⑤日光東照宮-⑥第二いろは坂入口-⑦明智平(撮影:光石 達哉)

 

 

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