今回は弊社のインターンである地方出身の大学生が短期留学へ行き、大胆にも米国フロリダで本場のウォルト・ディズニー・ワールドに1人で行ったお話について。
なぜ1人でディズニーへ?
大学2年の秋、筆者は交換留学でフロリダに4カ月間滞在した。現地での期末試験を終え、留学生活のシメに、地元No.1観光地のウォルト・ディズニー・ワールド(WDW)へ行こうと考えた。
WDWには4個のパークがあり、総面積は山手線内の1.5倍。そのため、何泊かして回るのが一般的だ。
留学生活の中で、なるべく現地学生のコミュニティに入ろうと考えた。わざわざ米国に行く意味はそこにあると思った。大学のサッカーチームにトライアウトを受けて入団し、多くの友人ができた。
だが、それは裏目に出た。ディズニーへ彼らを1人1人誘ったが、誰ひとり乗ってこなかった。現地学生からすれば、WDWはさして特別な場所ではない。費用もバカにならないから、日本人留学生と泊まりがけで行くハードルは高かった。
やむなく、たった1人で2泊3日WDW旅行を敢行した。
ひとりでディズニー、メンタルは大丈夫?
夢の国・ディズニー。周りではたくさんのカップルや家族連れが幸せそうに過ごしている。そんな場所でアトラクションを回りショーを観るなんて、普通はメンタルがもたない。
だが、ひとたび海を渡れば、1人ではしゃいでいても全く問題なかった。むしろ、パーク内では現地人がフレンドリーに話しかけてくることも多い。
本場のディズニーに、1人で楽しげなアジア人。現地人の好奇心をくすぐる存在だったかもしれない。
「どこから来たの?」
「ジャパンだよ、飛行機で丸一日かかるんだ」
「凄いね、よく来たね、ようこそ」となる。
筆者とて、東京ディズニーランドなら今でも1人では行けない。異国の地だからこそできることだ。
待ち時間すら楽しむ
話し相手もいないのに、アトラクションの待ち時間をどう過ごせばいいか。安心してほしい。楽しい仕掛けが至るところに用意されている。
筆者のイチオシは、TDLにもあるビッグ・サンダー・マウンテン。このアトラクションのモチーフは西部開拓時代の鉱山会社だ。アトラクションへの列に並ぶと、壁にはいくつものボードが。見ると、採掘マシンの設計図や鉱山の情報、社員の給料などが書かれている。まるで当時の会社の中にいるような気分だ。ボードを読みふけっている間に列が進むということもしばしば。少し恥ずかしい。
公式アプリに落とし穴
1人とはいえ、思い出の写真は欲しいもの。パーク内には撮影スポットが何か所も設置されていて、一眼レフを持ったスタッフに写真を撮ってもらうことができる。ポーズを決めて、スマイル、パシャリ。
「データは公式アプリでダウンロードしてね!」
これでカンペキ!
と思いきや、ここに落とし穴がある。写真のダウンロードには、1枚ごとにお金がかかるのだ。それもなんと1枚数千円。高すぎる!
写真が欲しいなら、観光客の誰かにお願いしよう。
安心安全のジャパンエリア
パークは全部で4エリア。
「マジックキングダム」は、夢と魔法の世界。東京ディズニーランドをそのまま大きくしたイメージ。
「ハリウッド・スタジオ」では、ハリウッド映画を題材にしたアトラクションが楽しめる。
「アニマル・キングダム」は、自然をテーマにしており、一部はサファリパークのようになっている。
「エプコット」は、半分が近未来をイメージしたパーク。もう半分は世界各国の文化を楽しめる大きなショーケースのようになっている。ここに、ジャパンエリアもある。
五重塔、厳島神社、百貨店の三越などを1カ所に詰め込んだジャパンエリア。ここで働いているのは日本人のスタッフだ。不安も多い1人旅、貴重な日本人と話せる場所。このエリアでは、カツカレーや豚骨ラーメンなど和食を楽しむこともできる。
筆者はこの日本エリアだけで2時間以上を過ごした。――旅には安らぎも不可欠である。(長松巧)