なかなか遠出できない今、過去にサイクリングで訪れたちょっとマイナーだけど、個人的なお気に入りスポットを紹介し、旅気分を味わってもらう企画の第4弾。今回はちょっとメジャーな富士山を望む絶景スポットにお出かけ。
メルヘン街道の美しい景色
この日は山梨県のJR小淵沢駅まで輪行(自転車を専用の袋に入れて車内に持ち込む)して、駅前からスタート。まずは八ヶ岳を右に見ながら、北西の茅野市方面へ。この旅を行った時期は7年前の夏で、道沿いにはひまわりも咲いていた。
茅野市に入り、国道299号線、通称メルヘン街道にぶつかったら右折。この道は八ヶ岳の北側を横断するルートで、ひたすら上り坂が続く。両サイドにはおしゃれなカフェやペンション、別荘などがポツポツ建っていて、メルヘン街道の名にふさわしい高原の景色が続く。
標高2127mの麦草峠
他のサイクリストのグループに抜かれながら、つづら折りの上り坂をこなしていくと、ようやく標高2127mの麦草峠に到達。小淵沢駅が標高約800mなので1300mぐらい上ってきたことになる。ここが国道では2番目に標高が高いところ。ちなみに1番高いのは、草津温泉からも近い群馬県の渋峠付近の標高2172mなので、ほんの50mほどの差だ。
麦草峠の脇に、麦草ヒュッテという山小屋がある。八ヶ岳に登る人にとってはここが起点となるようで、中は登山客やライダー、サイクリストでそこそこ混み合っていた。ただ、なぜか建物も食事の写真も撮ってなかったため、何を食べたのかは記憶にない……。
下りは八ヶ岳ビューロード
峠の標識のところで先ほど追い抜かれたサイクリストに写真を撮ってもらって、来た道とは反対の東側に下る。途中でメルヘン街道から、八ヶ岳ビューロードと呼ばれる県道480号に入り、小海町の方に向かう。ほぼ下りきったところにある松原湖は、一周2㎞ほどの小さくて静かな湖だ。
約100kmの八ヶ岳一周はちょっとした冒険
国道141号に出たら、南へ。この道はトラックも多いので注意しながら走る。途中で見えてくる野辺山駅はJRで最も標高が高い駅として有名だ。
さらに進んで山梨県に入り、八ヶ岳エコーラインを経由して小淵沢駅に帰り着いたときはもう辺りが暗くなるころだった。というわけで八ヶ岳一周の約100kmの旅、いま思い返してもちょっとした冒険だったなという感じがするけれど、機会があれば逆回りのルートにもチャレンジしてみたいなと思う。
(光石 達哉)