【行ったつもりシリーズ】「多摩東京移管130周年デジタルスタンプラリー」に自転車で挑戦!(9)米軍基地から街中アートへ

福生市、横田基地の外に作られた米軍ハウス跡の「福生アメリカンハウス」。コンパクトに見えるけど、間取りは3LDK。室内も無料で見学できる(撮影:光石 達哉)

読んでいるうちに行ったつもりになれるかもしれない、プチ旅行の紀行文コラム「行ったつもりシリーズ」。

東京都多摩地域の30市町村に散らばる130カ所のデジタルスタンプを集める「多摩東京移管130周年デジタルスタンプラリー」に自転車で挑戦中。第9回は、福生市、立川市をめぐる。

 

 

 福生市で有形登録文化財を味わう

多摩川流域リバーミュージアムプランの運営拠点施設「川の志民館」。福生市の多摩川のほとりにある。利用無料(撮影:光石 達哉)

2023年は1893(明治26)年に西多摩・南多摩・北多摩の3郡が神奈川県から東京府(現在の東京都)に移管されて130周年。それを記念して多摩地域のおすすめスポット130カ所をめぐるデジタルスタンプラリーが、2023nen10月10月29日まで開催されていた。10月上旬のスタンプ収集5日目の前半は檜原村、日の出町、あきる野市を回って、ここまで合計84個をゲットした。

後半は、「あきる野ルピア」から五日市街道を東へ。多摩橋で多摩川を渡って、福生市に入ったところで右折。計約5km走って、「川の志民館」に到着。ここでは、多摩川など河川に関する自然・歴史・文化情報の発信などを行っているそうだ。

 

「旧ヤマジュウ田村家住宅」は田村酒造を営む田村家の分家で、かつて敷地内に郵便局もあった。母屋と土蔵2棟は、国の有形登録文化財(建造物)に登録されている(撮影:光石 達哉)

主屋は平屋建て。土間がある一方、風呂場やお手洗いが建物内に設置されていて、江戸時代以来の伝統に近代的な要素を加えている。入館料無料(撮影:光石 達哉)

次は北へ約2㎞走って、「旧ヤマジュウ田村家住宅」へ。明治35(1902)年に建てられた古民家で、田村家は明治44(1911)年に福生初の郵便局を敷地内に開設し、大正7(1918)年には電報電話業務を始めるなど、福生の通信業の発展に貢献したという。なお、「ヤマジュウ」は屋号を表すそうだ

 

「福生市観光案内所くるみるふっさ」。観光案内だけでなく、お土産物も販売。電動アシスト自転車のレンタルステーションもあった(撮影:光石 達哉)

ここから数100m南東へ。JR青梅線・福生駅前を過ぎ、「福生市観光案内所くるみるふっさ」へ。福生市の観光案内所で、ガイドツアーや各種イベントの案内、テレビや映画などのロケーションサービスも行っている。

 

 日本文化と米軍ハウス

「福生アメリカンハウス」の裏庭には、自由の女神像とバスケットゴールが。奥の階段から国道16号方面へ出ることができる(撮影:光石 達哉)

福生アメリカンハウス周辺の横田基地に面した国道 16 号線沿いは「福生ベースサイドストリート」と呼ばれ、アメリカンテイストのショップが多く並ぶ
(撮影:光石 達哉)

続いて約1.5km南東へ。米空軍・横田基地に面した国道16号沿いにある米軍ハウス跡の「福生アメリカンハウス」へやってきた。1951年の朝鮮戦争で横田基地が手狭になり、基地の外に作られた米兵の住宅が「米軍ハウス」。最盛期には2000棟も建てられたそうだが、その後、朝鮮戦争が終結して米兵が基地内に移り住むようになり、今では150棟ほどしか残っていないそうだ。ここはそのうちのひとつで、1958年に建てられた米軍ハウスを利用し、建物の中を自由に見学できるコミュニティースペースとなっている。

 

「茶室 福庵」では、月2回ほど茶席体験も開催。周辺の雑木林は「文化の森」と呼ばれているそうだ(撮影:光石 達哉)

今度は約1km南西へ移動し、「茶室 福庵」へ。市が運営する茶室で。茶道をはじめ、俳句、琴、華道、会議など多目的に利用できる。

 

 マンガ図書館と夕闇のアート

立川市に移動。「コトリンク」1階のルルテラスには、地元食材をふんだんに扱う農産物マルシェや地場産カフェが入る。駐輪場は自転車1,742台、原付(125ccまで)78台がとめられる(撮影:光石 達哉)

これで、コンパクトなエリアに和洋折衷まとまっていた福生市のスタンプ5カ所をコンプリート。お隣の昭島市は前回全クリしたので、その先の立川市へ。約9km走って未踏破の立川駅周辺にやってきた。

まずは多摩モノレール・立川南駅そばの「コトリンク」へ。昨年オープンしたばかりの「立川市魅力発信拠点施設」で、1階には特産品販売&カフェ、3階には情報発信センター、さらに地下1階から地上2階には有料自転車等駐車場も設置されている。

 

JR立川駅直結のエキュート立川3階にある「東京観光情報センター多摩」。多摩地域の観光パンフレットが豊富にそろう(撮影:光石 達哉)

次は北に100mほど移動して、JR立川駅の駅ビル内にある「東京観光情報センター多摩」を目指す。短時間でも駅前にそのまま自転車をとめるわけにはいかず、先ほどのコトリンクの駐輪場にも気づいてなかったので、しばらく探していたらちょうど駅の真下に駐輪場があった。こういう行程が何気に時間をとられる。そこから歩いて駅ビル3階に上がったところに「東京観光情報センター多摩」はある。ここでは、立川だけでなく多摩地域全体の観光情報を提供している。

 

旧立川市役所跡地を改修した「子ども未来センター」。「立川まんがぱーく」の他に子育てひろば、会議室、アトリエ、ギャラリー、スタジオなどが入る
(撮影:光石 達哉)

駐輪場から自転車を出して、1km弱東へ。旧立川市庁舎を改修した「子ども未来センター」2階にある「立川まんがぱーく」に向かう。

 

「立川まんがぱーく」は、マンガ、アニメなどのサブカルチャーに懐が深く、「聖地」と呼ばれる作品の舞台も多い中央線沿線を盛り上げるために作られた
(撮影:光石 達哉)

ここはマンガの図書館というか、公営のマンガ喫茶といった施設で、蔵書は約4万冊。入館料大人(15歳以上、高校生以上) 400円で、カフェスペースもあるので一日中過ごせる。「まんが絵の描き方教室」などのイベントも開催されているそうだ。

 

左は「ファーレ立川アート」の109点の作品のひとつ、ブルガリアの芸術家ゲオルギー・チャプカノフによる「道祖神(立川の動物たち‐羊)」。立川の鉄くず屋で集めた農機具の残骸を材料としている(撮影:光石 達哉)

だいぶ日が暮れてきたが、次は駅の北口方面へ。この辺の地理に不慣れなのだが、自転車で北口に抜ける道がほとんどなくて、ちょっと迷う。約1.5km走って「ファーレ立川アート」にたどりついた。

「ファーレ立川」とは単独の施設を指すのかと思っていたら、立川駅北口の米軍基地跡地に1994年に完成したホテル、デパート、映画館、図書館、オフィスビルなど11棟の建物からなる街の総称のようだ。

この街のあちこちに、36カ国92人の作家による109点のアートが展示されている。車止めやベンチ、街灯、換気口などの機能を併せ持つ作品もあるようだ。
立川の街中にアート作品があるのは以前からネットで見て気になっていたので、いろいろ見て回りたかったけど、17時半過ぎで早くも辺りが真っ暗になって探そうにも探せなかったので、またいずれかの機会に。ちなみにQRコードは「立川女性総合センターアイムホール」というビル内にあった。

これで立川市のスタンプは前回獲得した1個と合わせて、5個すべてコンプリート。檜原村から始まったこの日は計20個を集めて、93個に到達。あと3週間ほどで、130カ所全クリなるか?

 

(光石 達哉)

 

今回のルート:①川の志民館―②旧ヤマジュウ田村家住宅―③福生市観光案内所くるみるふっさ―④福生アメリカンハウス―⑤茶室 福庵―⑥コトリンク―⑦東京観光情報センター多摩―⑧立川まんがぱーく―⑨ファーレ立川アート

 

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