再び一部都府県に緊急事態宣言が発令され、外出や移動にも自粛が求められるようになった。そこで、以前からお送りしていた東京都を出ずに県境沿いギリギリをサイクリングする旅のレポートを引き続きお届け。
今回は埼玉県との県境第3弾、大泉学園周辺から西武園まで走っていく。
23区を出て西東京市 東久留米市へ
前回は練馬区の都立大泉中央公園で終わったが、今回はここからスタート。この公園のすぐ北は埼玉県の和光樹林公園と陸上自衛隊朝霞駐屯地が広がっていて、まずはその間の道を行く。
さらにクネクネと住宅街の中を行ったり来たりしながら南西方向に進んで、関越自動車道の上を越える。いつの間にか練馬区を抜けて、西東京市へ。久しぶりに東京23区の外に出た。西武池袋線のひばりヶ丘駅近くまで来たら北に向かい、東久留米市に入る。
ちょうど県境がとんがっているあたりは、使われなくなった団地や空き地が広がるちょっと寂しいエリアだ。と思ったら、その近くにスパジアムジャポンという巨大な温泉施設があった。
数年前にオープンして雑誌やテレビで紹介されていたので興味があったが、こんなところにあったんだなと発見。周りには大型のスーパーやホームセンターもできていて、新しい街として生まれ変わりつつあるようだ。
ひまわりの衛星画像を収集分析 気象衛星センター
そこから西へ向かい、松山三丁目という交差点で北東へ進路を変え、新小金井街道に入るとこのあたりから清瀬市だ。途中、県境に近づくために新小金井街道から右折したところに、塔の上にドームのようなものが載った施設がある。
ここは気象衛星センターといって、気象衛星ひまわりの画像データを収集分析しているところ。我々が日ごろから見ている天気予報は、ここのお世話になっているんだね。
さらに北東に進んで、志木街道に合流。さらに県境に沿って細かい道を北へ向かい、JR武蔵野線の下をくぐり、清瀬水センターの北側、柳瀬川の河川敷がこのあたりの県境の一番奥まっているところだ。
秋津駅を抜け河童伝説のある柳瀬川へ
ここから県境はほぼ柳瀬川に沿って南西に進んでいる。必ずしも川に沿って道があるわけじゃないので、スマホのマップを見ながらジグザグと進んでいく。西武池袋線の秋津駅まで来ると、東村山市だ。
駅の近くに「かっぱも喜ぶ柳瀬川」という看板があった。どうやら、柳瀬川には民俗学者・柳田国男の『山島民譚集』にも紹介されている河童伝説があるようだ。
その昔、馬や人間に悪さをした河童が村人に捕まって焼き殺されそうになったところ、お寺の和尚に助けられて川に帰され、その後いたずらがなくなったという。
ここからさらに柳瀬川沿いをクネクネと道を探しながら西へ。だんだん景色も住宅地から山里っぽくなってきた。川から離れ、見えてきたこんもりとした丘は八国山緑地だ。上野、下野、常陸、安房、相模、駿河、信濃、甲斐の八カ国の山々が眺望できたことから八国山と呼ばれるようになったそうだ。
そのふともの一角には縄文~中世にかけての遺跡、下宅部遺跡はっけんのもりがある。
さらにその先、坂を登って西へ向かうと西武園の駅があり、西武園ゆうえんちの大観覧車も見えてきた。
あたりも暗くなってきたので、今回はここまで。埼玉県との県境もだいぶ奥深いところまでやってきたので、そろそろゴールも近づいてきたかな。
(光石 達哉)