【パラQ&A】障がいによって泳ぎ方もルールも変わる~水泳①

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日本のパラ水泳にはメダル候補が続々(撮影:mimiyori編集部)

20年8月25日に開幕する東京パラリンピック開催まで1年を切った。オリンピック競技は知っているけれど、パラリンピック競技はよく分からない……という人も多いかもしれない。この連載「パラQ&A」は各競技について、見どころをクイズ形式で出題する。
今回は水泳に関するクイズを出題。障がいによってクラスが分かれており、健常の水泳では見られないさまざまなルールや泳ぎが見られる。初回は、パラ水泳のルールや障がいによる泳ぎの特徴について紹介する。

 

 

Q.視覚障がい選手はターン、ゴール時、どうやって壁を確認する?

  1. ①コーチが声を出す
  2. ②コーチが棒を使って選手をタッチする
  3. ③壁に近づくとセンサーが反応、音が鳴る













②コーチが棒を使って選手をタッチする

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選手の後ろに立つタッパーは、先端に柔らかい素材をつけた長い棒(タッピング棒)を持っている(撮影:mimiyori編集部)

壁にぶつかってケガをしてしまう恐れがあるため、コーチがゴールやターンの直前に棒(タッピングバー)で選手をタッチして壁が近づいていることを伝える(タッピング)。タッピングが早すぎても、遅すぎてもタッチのタイミングに影響するため、日ごろの練習が重要。日本では弾力がある釣竿の先にスポンジを装着したタッピングバーが多い。国際レースでは、国によってさまざまな形状、長さのタッピングバーが使われる。

 

Q.視覚障がいクラスで最も障がいの重いB1クラスの選手が使用するゴーグルは?

  1. ①黒塗りのゴーグル
  2. ②白塗りのゴーグル
  3. ③耐久性の高いゴーグル













①黒塗りのゴーグル

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黒塗りのゴーグルを装着して泳ぐ木村敬一選手(撮影:mimiyori編集部)

全盲のクラス(S11)でにはまったく見えない選手、光は感じる(光覚)選手が混在しており、レースを公平に行うために光を完全に遮断した黒塗りのゴーグルを使用。レース後に競技役員からゴーグルのチェックを受ける。

 

Q.体の片方に障がいがある選手。競技を行う上で何が一番難しい?

  1. ①水に浮かぶこと
  2. ②いわゆる4泳法を覚えること
  3. ③まっすぐ泳ぐこと













③まっすぐ泳ぐこと

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自分に合ったオリジナルの泳ぎ方を見つけることもパラ水泳の鍵(撮影:mimiyori編集部)

片腕、片脚欠損選手、片半身まひの選手が泳ぐ際、浮力、水の抵抗に左右差が生まれる。水のひとかき、ひとけりで生み出す推進力も左右で異なるため、バランスを考えずに泳げば、左右どちらかに偏ってしまう。 ちなみに、バタフライは通常、前を向いて呼吸するが、障害の度合いによっては横向きで呼吸する選手もいる。

 

Q.背泳ぎのスタートで許されているものは?

  1. ①ベルトを使って体を支える
  2. ②タオルを口でくわえて体を支える
  3. ③専用の器具をスタート台に引っ掛ける













①②③全部OK

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(写真:photoAC)※写真はイメージ

スターティンググリップを握ってスタートするが、障がいによって握ることができない選手は補助具を使う。両腕欠損の選手は、スターティンググリップを握ることができないため、コーチが選手の身体を固定。スタートと同時に開放する。 ちなみに、聴覚障がいの選手はスタートの合図音を聞き取ることができないため、視覚でスタートのタイミングが分かるように、スターターの身振りを工夫し、シグナルなどを使う。

(mimiyori 編集部)

 

 

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