【ブラインドサッカー】どんな練習をしているの?~編集部見習い記者が日本代表合宿を徹底観察

ブラインドサッカーは〝音が命〟(撮影:いいの)

視覚障がいの選手を対象としたパラスポーツ「ブラインドサッカー」の男子日本代表強化合宿が2022年5月28日、東京・小平市のMARUI ブラサカ!パークで行われた。

日本は東京2020パラリンピックで初めてパラリンピック出場を果たした。そのリサーチ業務にも携わった編集部見習いのインターン記者が今回、強化合宿の練習をつぶさに観察。

試合は東京大会の中継番組やニュースで見たけれど、どんな練習をしているのか。

写真とともに、その詳細な様子をリポートする。

 

 

 

 

 練習の内容をつぶさに観察

ブラインドサッカー取材はこれで2回目。初めて現場に足を踏み入れた時は、編集長に現場到着の連絡や状況報告を行わず、注意された。叱られた後に「報告を」と促され、まずは自分の個人的な感想を言ってしまい、「それはさておき」と流された。

今度こそ、編集長に「なかなかやるじゃないか」と思わせたい。

今回は現場到着後にすぐ連絡。ついでに「雨が降ってきました」まで連絡した。「雨が上がりました」も報告したところ、「おめでとう」と返された。釈然としないが、編集部見習いとしては今のところ、何でも報告して様子を見たい。

 

さて、練習である。

東京2020パラリンピックでは、まず「競技として面白い!」と感じた。アイマスクをして視界を遮断してのプレーにまず驚き、選手たちのテクニックにも俄(が)然興味が湧いた。前回の取材時では無我夢中だったため、今回は練習の中身をしっかり観察することにした。

 

 複数のボールが飛び交う全体練習でも聞き分ける

八王子では気温26度を超え、雨上がりとあって蒸し暑い気候となった(撮影:いいの)

午後2時30分から午後の練習開始。集合早々にパス練習が始まり、「左!」「右!」の声が飛び交う。フィールドの距離感を確認しているようだ。

試合ではボールが1つだけだが、全体練習となるとボールも増加。3~5個のボールから同時に、ボールに内蔵されている金属がすれる「シャカシャカ」という音が出る。ペアの相手から蹴り出されたボールを判別することも、容易ではなさそうに思える。

 

その後、アイマスクを着けた状態で芝生の上を往復。前を走る選手との距離を確かめながら、コーチの周りを一周するという練習も、難なくこなした。居場所の把握は足音だけではなく、選手やコーチの掛け声も聴覚からの大切な情報になっているのだろう。

 

ボイストレーニングを行うエース川村怜(右=撮影:いいの)

15分ほどのウオーミングアップを終えると、メニューが二手に分かれた。1チームはボイストレーニングが中心。「はい!」「あい!」とひたすら大きな声を出してみたり、3人組になって声出しの先導者に付いていったりと、さまざまなメニューをこなした。

ブラインドサッカーは音が命。すなわち声も命。プレーを左右する「声」の訓練だという。

 

 音で情報を察知する力がスゴイ!

ダンベルを使ったウエートトレーニング(撮影:いいの)

ウエートトレーニングの様子は合宿リポート記事に記したため、詳細は割愛。佐々木ロベルト泉選手が声出しで盛り上げ、丹羽海斗選手もいたずら?を仕掛けている様子に、記者もちょっとウケてしまった。チームの明るさがうかがえる。

 

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練習開始から約1時間。ウエートトレ後の休憩が終わり、コーチ陣がフェンスを軽く叩いて選手を集合させた。これまでの練習ではアイマスクを着けていなかったが、今度は各選手が装着してのパス練習にシュート練習。ロベルト選手は先ほどまでとは打って変わって、表情は真剣そのもの。合間に水分補給を挟みながら、30分以上をかけて入念にメニューに取り組んだ。

 

躍動感のあるシュート練習。ゴールキーパーはアイマスクを着けず、晴眼者が務めることが多い唯一のポジション(撮影:いいの)

選手はボールが近づく音をリサーチするかのように、音のする方向へ顔を動かしている。ここでも二手に分かれての練習とあってか、ボールや声を聞き分けるのが難しそう。

記者が注目したのは、鳥居健人選手とロベルト選手のパス。鳥居選手が小気味よくボールを運び、ロベルト選手が声を掛けてボールを受け取る。この2人のペアはパスの成功率が非常に高く、声の重要性を再認識させられた。

と思っていたら、「やべー、やりすぎ!」と声が上がった。シュート練習の園部優月選手だ。アイマスクでボールの行方が見えない中で、足元の感覚だけで失敗に気づいたのだ。

 

  激しいプレーも満載

ドリブルは視界を遮断しているとは思えないほど華麗だ(撮影:いいの)

最後の20分間は、フィールドプレーヤー3対3のゲーム練習。最初は園部選手、ロベルト選手、丹羽選手組と、鳥居選手、田中章仁選手、平林太一選手組に分かれて実戦形式の練習が行われた。

試合さながらに選手、ゴールキーパー、コーチ陣らの声が飛ぶ。少し小さめなコートにすることで動きの密度を高めるといい、激しいプレーも繰り返された。

ロベルト選手が自陣の2人に対して「ケガするから声出そう!」と強めにリクエストする場面も。フェンスの外からは、監督やコーチを中心にたくさんのアドバイスが送られた。

 

練習前後は明るい雰囲気。仲の良さがうかがえる(撮影:いいの)

何度かチームの入れ替えを行い、16時37分に実戦練習は終了。スタッフ含め全員がコート中央に集まり、円陣を組んでミーティングを行った。

その後のストレッチでは再びムードがなごみ、選手それぞれが体のケアを始める。

立っているだけでも暑さと湿気で嫌になるような天気。選手たちはその疲れも見せずに、ピッチを後にした。

(いいの けい=mimiyori編集部)

 

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