今回は千葉の聖火リレーコースをサイクリング
(撮影:光石達哉)
東京五輪の開催まで約3カ月。コロナ禍で1年延期になり、この先もまだまだどうなるかわからないが、すでに聖火リレーも始まり一歩ずつ前へと進んでいる。そこで今回は、聖火リレーのコースを自転車で走ってみようということで、まずは千葉県のコースに出かけてみた。
聖火リレー自体も有名人の辞退が相次いだり、人が集まりすぎたり、一部地域で中止になったりとネガティブなニュースも聞こえてくるが、すでに3月25日に福島県をスタート。4~5月は西日本を、6月は東日本を回り、7月に関東に戻って、7月23日に開会式が行われる新国立競技場にゴールする予定だ。
この先どこまで予定通りに行われるかまだまだ予断を許さないが、どんなところをリレーするのか事前に見に行ってみる。あまり遠出もできないため、まずは7月1~3日に聖火リレーが行われる千葉県のコースを走ってみた。
聖火リレーというとずっとリレーして走っているのかなと思ったら、街中を2~3km走ったら、また別の街に移動して2~3km走って、ということを繰り返しているようだ。
海ほたるのカッターフェイスからスタート!
アクアラインのトンネルを掘ったカッターフェイス前が、千葉県の聖火リレーのスタート地点。実際は欠けてなくて、まん丸の円だった
(撮影:光石達哉)
千葉県1日目は、6区間で行われる予定。区間1はなんと、東京湾アクアラインの海ほたるの中を走るコースだ。いきなり自転車では走れないところなので、クルマに積んでアクアラインを目指す。
聖火リレーのスタート地点は、海ほたる1階の川崎側にあるカッターフェイス前。カッターフェイスって何のことだと思ったら、アクアラインのトンネルを掘ったシールドマシンと呼ばれる機械の先端のカッター部分だそうで、それを復元したものが展示されている。
区間1のコースは海ほたる1階の広場をちょっと走り、左側の階段を最上階の5階まで駆け上がる
(撮影:光石達哉)
5階まで上がったら、左側のデッキ部分を走る
(撮影:光石達哉)
その後、1階をちょこっと走って、海ほたるの外階段を最上階の5階まで登る。左側のデッキ部分を走り抜けて木更津側に出て階段を降りると「幸せの鐘」があり、そこがゴールだ。
木更津側に出たら階段を下りる
(撮影:光石達哉)
4階にある幸せの鐘がゴール地点。鳴らしたら、結構大きな音がした
(撮影:光石達哉)
ちなみに聖火ランナーが1人走る区間は「スロット」と呼ばれ、1スロットは約200m。この海ほたる内は2スロットで、そのうちひとつはアトランタ五輪1万m代表の千葉真子さんが走るそうだ。
工業地帯を走る
区間2のスタート地点は、君津大橋手前。この信号付近から走り出すようだ
(撮影:光石達哉)
クルマに戻ってアクアラインを木更津側へ渡り、区間2のスタート地点の君津市へ。君津大橋の手前、ちょうど信号のあるあたりから始まる。
なお、千葉県1日目の聖火リレーのテーマは「県内道路網を活用し本県の基幹産業や豊かな自然をアピールするルート」ということで、君津大橋の上からは右側に京浜工業地帯の工場群が見える。
君津大橋の上。この写真にも薄っすら写っているけど、晴れてれば正面やや右にきれいに富士山が見えるだろう
(撮影:光石達哉)
橋から右を見ると、京浜工業地帯が広がる。千葉県の産業を紹介するのも、聖火リレーのテーマだ
(撮影:光石達哉)
橋を渡ってすぐ、「君津メディカルスポーツセンター」という市民のためのスポーツ施設がある。聖火リレーはこの敷地内をちょっと走り、ミ二セレブレーションと呼ばれるセレモニーも行われるそうだ。
橋を渡ってすぐ左の市民向けのスポーツ施設「君津メディカルスポーツセンター」の敷地内にも聖火リレーは立ち寄る
(撮影:光石達哉)
左にゲートボール場が見えるこの辺りまで聖火は来るようだ
(撮影:光石達哉)
このセンターを出るとすぐ隣の富津市に入り、左折して湾岸道路を離れ、内陸へ。この日は人もほとんど歩いていない静かな道を進み、JR内房線・青堀駅のロータリーが区間2のゴールだ。ちなみに、この区間2は17スロットある。
隣の富津市に入り、JR青堀駅前のロータリーの一番奥まったあたりが、区間2のゴール
(撮影:光石達哉)
トンネルを抜けると海! 道の駅でおやつも
35kmほど南へ移動し、南房総市の岩井海岸が区間3のスタート。天気もよくなってきたね
(撮影:光石達哉)
次の区間へは、ここから南下。国道127号・内房なぎさラインに合流すると、交通量も増えて、トンネルもたくさんあるので、ビビりながら進んでいく。東京湾フェリーの金谷港や鋸山などを過ぎ、35kmほど移動すると、区間3スタート地点の南房総市の岩井海岸に到着。
海岸沿いを真っすぐ進み、突き当りを右折して内陸へ向かう
(撮影:光石達哉)
釣りや海遊びをしている人がパラパラいるものの、この時期はまだ静かな海岸だ。ここも内陸に向かい、内房線の線路を越えた先にある「道の駅富楽里(ふらり)とみやま」へ。ここの第2駐車場が区間3のゴールで、この区間は13スロット。
区間3のゴールは、道の駅・富楽里とみやまの第2駐車場。この道の駅は、自動車専用道路からも一般道からもアクセスできる
(撮影:光石達哉)
中では聖火リレー限定のグッズも売っていた
(撮影:光石達哉)
南房総はいちご狩りが人気ということで、生いちごサンドでカロリーチャージ。スポンジも生クリームもフワフワで、いちごは新鮮でみずみずしかった
(撮影:光石達哉)
ここからは県道89号を使って、房総半島を横断する。この道は信号もほとんどなく、クルマも少なく、適度にアップダウンもあって、自然を堪能しながら走れるサイクリング向きの道だ。だけど、サイクリストとは全然すれ違わなかった。
もう時期は終わってるかなと思ったけど、菜の花もまだところどころ咲いていた。山桜もよく見かけた
(撮影:光石達哉)
国道128号・外房黒潮ラインに出て鴨川の市街に入ると、また交通量が増えて、トンネルも連続して現れるので、慎重にペダルを回し続ける。
絶景のサーフィン会場 房総半島はデカい!
結局、70km以上移動して、ようやく区間4のスタート地点、いすみ市の太東(たいとう)海水浴場に到着。ここと繋がっている釣ヶ崎海岸は東京五輪の新競技、サーフィンの会場で、この日もサーファーの姿が見られた。
房総半島を横断して、約70kmの大移動。区間4はいすみ市の太東海水浴場からスタートし、五輪のサーフィン会場である釣ヶ崎海岸の砂浜を聖火が走る
(撮影:光石達哉)
ここの聖火リレーは14スロットで、いすみ市出身のロス五輪マラソン代表、増田明美さんらが砂浜の上を走る予定。しかし、ロードバイクでは砂の上は難しいので国道に戻って隣の一宮町に入り、右斜め前に伸びている九十九里ビーチラインへ。
ほどなく釣ヶ崎海岸へのゲートが見えたが、工事のため立ち入り禁止。すでに、五輪用の大きなテントがいくつか設置されているのが見えた。聖火リレーのフィニッシュ地点はまだ1kmほど先なので行ってみたが、そこも砂浜には入れなかった。
釣ヶ崎海岸の入り口は工事のため立ち入り禁止
(撮影:光石達哉)
ビーチには五輪用の施設と思われるテントもいくつか建っていた
(撮影:光石達哉)
聖火リレーのバナーもあった。五輪とは別日程でパラリンピックの聖火リレーも行われるようだ
(撮影:光石達哉)
先ほどのゲートから約1km先、このゲートの先が区間4のゴール地点のようだ。今回は時間切れでここまで
(撮影:光石達哉)
さて、千葉県1日目はあと2区間あるが、次の区間5はここから40km以上離れた匝瑳市。時刻はすでに午後5時で、そろそろ日も暮れそうだし、何より富津の駐車場まで戻らないといけないので、今回はいったん終了。
結局この日は170km以上走り、ここ数年で一番のロングライドとなった。房総半島デカかった… 続きはまた次回!
(光石達哉)
(この項つづく)