ここのところ一気に暖かくなって、関東の桜もパッと咲いたかと思うとパッと散りかけているが、今回は横浜・川崎の花見スポットをサイクリングで1日何カ所回れるか挑戦してみた。
2020年は東京23区内の花見スポットを回ったが、今回の2021年は神奈川県の横浜市と川崎市をめぐる。緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだゆっくり花見をするのは難しいので、タッチアンドゴーで1カ所の滞在時間を短時間にして、できる限り多くのスポットを回ってみる。
ちょうどほぼ満開の日だったので、写真を見てちょっとでもお花見気分を味わってもらえればいいかなという感じで、いざ出発!
映えスポット&無料の動物園
最初は川崎市の生田緑地へ。小田急・向ヶ丘遊園駅方面から坂を登ったところが、枡形山という標高84mの小さな山で、頂上の広場では桜がきれいに咲いていた。今回は寄らなかったけれど、敷地内には岡本太郎美術館もあるようだ。
JR宿川原駅のそばの二ヶ領用水宿河原堀。用水路沿いに桜並木が続く
(撮影:光石 達哉)坂を下って2㎞ほど東へ進み、二ヶ領用水宿河原堀へ。JR南武線・宿川原駅そばの宿川原橋から川崎市緑化センターあたりまで用水路沿いに桜並木が続いている。
目黒川の川崎版といった感じだけど、小さな用水路なだけに桜の木同士の密集感があって映えるスポットだ。
今度は10kmほど東南へ走り、JR新川崎駅近くの夢見ケ崎動物公園へ。ここも丘の上にあるので、階段を避けて自転車で登れそうな道を探して正面入口に回った。
なんと、ここは入園無料の動物園で、親子連れでにぎわっていた。園内にはレッサーパンダ、リスザル、シマウマ、シカなどさまざまな動物がいて、動物たちの展示スペースの間に桜が咲いていた。
「さくらの名所100選」へ!
次は3kmほど南下して横浜市に入り、鶴見区の三ツ池公園へ。
その名の通り、3つの池がある公園だ。「さくらの名所100選」にも選ばれ、78品種1600本もの桜が池の周囲に植えられているという。それぞれ開花時期が違うので長い期間、花見が楽しめるようだ。自転車も園内を徐行できたが、人が多くて結局は押して歩くことになった。
続いて5kmほど南西へ進み、新横浜駅近くの岸根公園へ。ここも篠原池という池の周りに桜が咲いていて、坂を登ったところにある「ひょうたん原っぱ」には横浜緋桜という赤い桜も花を開いていた。
さらに南下し、三ツ沢公園へ、横浜FCの本拠地・三ツ沢球技場があるところだ。その球技場の北のエリアが、桜山と呼ばれる小さな丘で花見スポットになっている。日当たりがよくて、気持ちいい空間だ。
次は、保土ヶ谷公園へ。公園の周りの坂を登ったり、下ったりして、テニスコート周辺の谷間や北口近くの銀杏坂沿いの「さくらの小径」で花見スポットを見つけた。
横浜の歴史×桜
ここからは東へ向かい、横浜の中心街へ。まずは桜木町駅のそばの掃部山(かもんやま)公園へ。ここには、幕末の大老で掃部頭(かもんのかみ)と呼ばれた井伊直弼の銅像がある。
井伊直弼といえば、安政の大獄で尊王攘夷派を処刑し、桜田門外の変で暗殺された悪役のイメージがあるが、横浜開港に貢献した人物としても知られている。その井伊直弼像越しに、桜とランドマークタワーを一緒に望むのがベストな撮影スポットのようだ。
続いては、すぐ南にある伊勢山皇大神宮へ。ここは明治3年に創建された新しい神社だが、伊勢神宮と同じく天照大神を御祭神とし、「関東のお伊勢さま」とも呼ばれている。話題になった平成25年(2013年)の伊勢神宮の式年遷宮で建て替えられた内宮の西宝殿が、昨年ここに本殿として移築されたとのことだ。
現在も境内には何本も桜が咲いているが、関東大震災まではもっと多くの桜が植えられていたそうで、社紋も桜の花のデザインとなっているという。
というわけで、前半はここまで。後半は、いかにも横浜らしいスポットも回ることになりそうだ。
(光石達哉)