東京五輪開幕まで約2カ月半となり、すでに聖火リレーも始まっている。コロナ禍でこの先まだまだどうなるか分からないが、聖火リレーがどんなところを走るのか事前に自転車で走ってみようというこの企画。今回は千葉県編の第3弾。
千葉県での聖火リレーは7月1~3日の3日間行われ、ここまで2日目第2区間の旭市飯岡地区まで見てきた。今回は2日目第3区間の香取市佐原地区からスタート。走ったのは緊急事態宣言前だったが、もちろん感染対策に注意を払い、他人との接触を最小限にした。
舟に乗って聖火をつなぐ⁉
佐原地区は「北総の小江戸」として、いろんなメディアでも紹介されている古い町並みや水郷で有名。江戸時代は舟運で栄え、問屋や商家などが軒を連ねていたという。ここでの聖火リレーは、水郷らしく舟に乗って小野川を進んでいくというので、川沿いを自転車で走ることにする。
JR佐原駅近くの入船橋緑地広場からスタートし、1kmほど南下すると、より古い建物が集まっているエリアがある。その川岸の一角に伊能忠敬の旧宅がある。江戸時代に日本中を徒歩で測量して、日本初の実測全国地図「大日本沿海輿地全図」を作った伊能忠敬だが、17歳のときにここ佐原の裕福な商家・伊能家に婿養子に入り、米の売買や酒造りなどを営んでいたとのこと。
ちなみに忠敬は49歳で商人を隠居してから本格的に勉強し、測量を始めたのは55歳からということで、今で言えば、定年後のセカンドキャリアで日本地図を作るという大仕事をやってのけたわけだ。
ここから数10m進むと、ゴールの大土蔵付近の船着き場がある。この区間は4スロットということで、4人でリレーすることになっている。
「日本の玄関口」成田へ
次は南西へ約20km走り、第4区間のスタート地点、航空科学博物館へ。住所は芝山町だが、成田空港の南端に位置する。ここから空港の外側を時計回りに走り、滑走路や格納庫がよく見える「ひこうきの丘」に一度立ち寄り、さらにその先の「三里塚さくらの丘」の上でゴールだ。この区間は11スロット。
ちなみに2日目の聖火リレーのテーマは、「本県の魅力あふれる歴史・伝統文化や国際都市をアピールするルート」となっており、世界とつながる空の玄関口である成田空港を眺めながら、聖火はつながれていく。
成田山で安全祈願!
続いて北西に約10km進み、第5区間のスタート地点の成田市役所に到着。ここからJR成田駅前に出て表参道に入り、お土産物屋や飲食店の間を抜けると、初詣や節分のニュースでお馴染みの成田山新勝寺の総門に到着する。
ここで自転車を降りて石段を登り、新勝寺の大本堂前でゴールだ。この区間は9スロットある。成田山に来たので、交通安全祈願をして次へ出発だ。
次の区間までは西へ40km弱。今さらながら、この企画は聖火リレーのコースを走るよりも、そのつなぎの区間を走る方がはるかに大変な気がする。そうこうしているうちに景色も田園地帯から、次第に住宅地の中を走るようになってきた。
2日目のゴールは幕張
千葉県2日目最後の第6区間のスタートは、習志野市の国際総合水泳場。東京五輪会場ではないが、1996年に完成した50mの長水路プールがある施設で、2007年には世界競泳も行われた。
JR新習志野駅の目の前にあり、駅のロータリーを一周して大通りに出て、幕張新都心の広い道をまっすぐ進んでいく。
3kmほど走ると、右側に幕張メッセが見えてくる。幕張メッセは東京オリンピックではフェンシング、テコンドー、レスリングの3競技、東京パラリンピックではゴールボール、シッティングバレーボール、テコンドー、車いすフェンシングの4競技の会場となっている。
ちなみに千葉県内のオリパラ会場は、以前訪れたサーフィンの釣ヶ崎海岸とここ幕張メッセの2カ所だ。
この先を左折して海浜幕張駅前を通り、グルっと一周して幕張メッセ駐車場の中に入ったら、千葉県2日目のゴールだ。
千葉県の聖火リレーはあと1日あるが、緊急事態宣言で県境を越える移動は自粛が求められているので、また時機を見て走りに行くことにしよう。
(光石達哉)