東京五輪開幕まで約3カ月となり、すでに聖火リレーも始まっている。コロナ禍でこの先まだまだどうなるかわからないが、聖火リレーがどんなところを走るのか事前に自転車で走ってみようというこの企画。今回は千葉県編の第2弾。
千葉県での聖火リレーは7月1~3日の3日間行われるが、前回は1日目の区間4、一宮町の釣ヶ崎海岸まで走った。今回は区間5のある匝瑳(そうさ)市から出発。もちろん感染対策にも注意を払い、他人との接触を最小限にして走る。
中学校の正門前からスタート!
スタート地点は、匝瑳市立野栄(のさか)中学校。正門前から走り出し、田んぼに囲まれた静かな道を抜け、野栄ふれあい公園へ。公園内も聖火は走るが、自転車は乗り入れできないので押して歩く。園内のみはらしの丘を登り、頂上でフィニッシュだ。
ちなみに聖火ランナー1人が走る約200mの距離はスロットと呼ばれ、この区間5は16スロットある。
橋を渡れば1日目のゴール
次は西へ10kmほど移動。この日は天気はいいけど西からの風が強く、平坦でも時速15kmぐらいしか出ない。ようやく区間6のスタート地点、山武(さんむ)市の蓮沼交流センターに到着。ここから九十九里浜に向かって走り、蓮沼海浜公園へ。公園横の歩道をしばらく進んでから園内に入り、出会い橋という陸橋を渡ったところにある第2駐車場がゴールだ。
ここで1日目の聖火リレーが終わり、聖火の到着を祝うセレブレーションが行われる予定だ。この区間は18スロットで、山武市出身の世界的ダンサーで大河ドラマ「いだてん」で人見絹江役を演じた菅原小春さんらが走る。
またこの2つの区間は、東日本大震災で津波被害を受けた沿岸部を走るというテーマがある。自転車で走っていると、津波避難タワーという施設もいくつか見られた。
2日目!海岸沿いを走る
さて、引き続き千葉県2日目のルートに突入する。まずは海岸沿いを東へ。今度は追い風に押されて、軽くペダルを回すだけで時速30km以上出る。前回訪れた釣ヶ崎海岸から続いている県道30号・九十九里ビーチラインを進むが、路肩が狭く交通量もあるので、ちょっと危なっかしい。途中、飯岡九十九里自転車道線という看板が見えたので、合流。海沿いの道で、さらに追い風を受けてビュンビュン飛ばせたが、しばらく走ると道が砂で埋まっていたのでやむなく県道に戻る。
途中で国道126号へ入り、約40km移動して銚子市へ。アップダウンのある道をこなし、市街地から漁港の方へ抜けていく。せっかく来たので犬吠埼灯台もちょっとだけ観光して、2日目・区間1のスタート地点の銚子ポートタワーへ。駐車場を出て左へ曲がり、利根川の河口をさかのぼっていくと、川岸にたくさんの漁船が係留されているのが見える。最後は銚子大橋の手前で左折し、銚子市役所でゴールだ。
震災から10年~聖火とともに「伝えつなぐ」
続いては国道126号を10kmちょっと戻り、区間2のスタート地点、旭市のいいおかみなと公園へ。園内を一周して県道30号を西へ進む。まだ向かい風だが、午前中より風も穏やかになった気がする。
しばらく走ると、左側に「東日本大震災 旭市飯岡津波被災の碑」が見える。旭市飯岡地区は東日本大震災で千葉県内でも大きな津波被害のあったところ。この石碑によると、海抜7.6mの津波が押し寄せ、13人が亡くなり、3708世帯の住宅が被害に遭ったという。
この碑の後ろに、小さな石像がある。「あしたのジョー」の矢吹丈とライバルの力石徹をデフォルメした像だ。作者のちばてつやさんが育った町ということで、設置されたようだ。また岩井俊二監督のドラマ「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」のロケ地もここ飯岡だったそうで、ロケ地めぐりのポスターもあった。
ここからすぐ先のいいおかユートピアセンターが、区間2のフィニッシュ地点。この駐車場内にも東日本大震災の慰霊之碑が置かれている。なお区間2は12スロットだ。
さて、千葉県2日目の聖火リレーはあと4区間あるが、続きは次回!
(光石達哉)
(この項つづく)