【五輪金メダリスト連載】戦友と挑んだ五輪~柔道男子100超級・鈴木桂治

伊勢神宮 日本国旗

三重・伊勢神宮の日本国旗(写真:丸井 乙生)

丸山城志郎、阿部一二三の2人の世界選手権覇者による激しい代表争いが繰り広げられている柔道男子66キロ級。東京五輪の代表決定戦が12月13日に決まった。

 

同階級のライバル同士が代表を争う場面は過去にもあった。04年アテネ五輪、男子100キロ超級で金メダルを獲得した鈴木桂治。同学年の絶対的エースとの代表争いを繰り広げ、戦友とともに頂点を目指した。

 

  

 

井上康生、棟田康幸と代表争い

インターハイ男子100キロ級の個人・団体優勝、講道館杯史上初の高校生王者、世界ジュニア選手権優勝。鈴木は輝かしい実績を残してきたが、同階級には同学年のエースが存在した。00年シドニー五輪男子100キロ級金メダリストの井上康生だ。

実績を積み上げても井上の陰にに隠れる柔道人生。「打倒・井上康生」に燃えていた。

 

04年アテネ五輪の代表争いには前年の世界選手権で優勝した3人が名乗りを上げた。鈴木、井上、棟田康幸。3人の王者が100キロ級と100キロ超級の代表2枠を争った。

100キロ級は代表選考会の全日本体重別選手権を制した井上に決定。鈴木は後がない状況で出場した全日本選手権決勝で井上に勝利し、100キロ超級での代表を勝ち取った。

 

100キロ超級王者がアドバイス

本来は100キロ級の選手。1階級上で戦うことは難しい。

そこで手を差しのべたのが03年世界選手権の100キロ超級王者である棟田。強豪選手の特徴を付きっ切りで教え込んだ。共に代表の座を争ったライバルから授かったアドバイスを胸に大舞台へ臨んだ。

 

決勝では一回りも大きいロシアのトメノフと対戦。120キロを超える強敵に対し1分過ぎ、小外刈りで華麗に1本勝ちを決めた。「棟田と2人で取った金メダル」。戦友と二人三脚で頂点をつかんだ。

日本の最重量級金メダル獲得は、当時監督を務めていた88年ソウル五輪男子95キロ超級金メダリスト故・斉藤仁氏以来16年ぶりの出来事だった。

 

08年北京五輪では日本選手団主将を務めた。連覇はならなかったが、五輪、世界選手権で3階級制覇は男子選手初。実績は今も色あせない。

 

ライバルと再び五輪の頂点へ

19年に現役引退。現在は男子日本代表の重量級担当コーチを務める。20年10月には自身のブログで母校・国士舘大の柔道部総監督への就任を報告。後進の育成に、より一層力を入れる。

 

男子日本代表といえば、監督は井上。現役時代のライバルとともに再び五輪の頂点を目指す戦いに挑んでいる。12月に代表決定戦が行われる66キロ級以外の階級はすでに内定選手が決定。日本代表で担当している100キロ級はウルフ・アロン、100キロ超級は原沢久喜の2人が内定している。

(mimiyori編集部)

 

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