ラグビーの欧州6カ国対抗戦「6nations」が31日(現地時間)から、最終節が行われる。上位3カ国が接戦となる中、19年W杯準優勝のイングランドはイタリアと対戦。イングランドがトライボーナスポイントつきの大勝を収め、かつあす11月1日(現地時間)の1位・アイルランドー3位・フランスの試合結果次第では、逆転優勝の可能性を残している。
試合を直前に控えたイングランド、イタリア両国の出陣情報についてご紹介。
試合のもようは、きょう深夜1時30分~WOWOWで放送される。
- 【イングランド】ジョーンズHCが「寿司たとえ」で新人にエール
- 【イングランド】WTBノウエル 親指巨大化に「本当に怖かった」
- 【イングランド】名物選手マーラーが「#優しくして」
- 【イタリア】HCが新人ガルビシに超期待
- 【イタリア】前主将パリッセが21年6nationsで引退試合熱望
【イングランド】ジョーンズHCが「寿司たとえ」で新人にエール
ロイター通信などによると、イングランドのエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)が、22歳の代表新人ジェイコブ・ウマンガ(Jacob Umaga)を「寿司職人見習い」に例えた。
ウマンガは、元ニュージーランド代表主将のタナ・ウマンガを叔父に持ち、父親マイクも元サモア代表。
そのウマンガについて、ジョーンズHCは「彼のライン突破の仕方が好ましい。所属チームでのトライを見ても、教えることのできない天性のものを持っている」と評価している。
一方で、「寿司職人は、一人前として寿司を握れるまでに10年はかかるらしい。ラグビーの10番も一緒。ウマンガは少し早く卒業できるかもしれないけど、まだ見習いが始まったばかり」とじっくり育てたい構え。「うまくいけば5年で5つ星の寿司店で握れるかな」と笑った。
【イングランド】WTBノウエル 親指巨大化に「本当に怖かった」
6nations公式によると、イングランドのWTBジャック・ノウエル(Jack Nowell)がイタリア戦を欠場する。
ノウエルは、20年9月に所属エクセターの試合で足の親指を痛めたが、チームがプレミアシップと欧州チャンピオンズカップの両大会で優勝争いを展開していたため、無理して出場を続けていた。
その後、痛みが激しくなったため検査を受けたところ、親指じん帯の損傷が判明。手術が必要なほどの重傷だという。
本人いわく「冗談じゃなく、元々大きい親指がますます大きく腫れてしまって、本当に怖い思いをしていた」という。
手術を受ける予定のため、年内の試合への復帰は絶望的な状況だ。
【イングランド】名物選手マーラーが「#優しくして」
現在はひざ故障のためイングランド代表から外れているPRジョー・マーラーが、前週に新型コロナウイルスに関する大会規定に違反してイングランドーバーバリアンズ戦中止の要因となった12選手を擁護した。
試合の中止決定後、SNS上では、規則に反してホテルを無断で抜け出し、ロンドン市内で外食をした選手たちへのバッシングが飛び交った。
これを受け、イングランドの人気選手であるマーラーが自身ツイッターに「#BeKind(優しくして)」とだけ投稿。
— Joe Marler (@JoeMarler) October 23, 2020
マーラーは陽気でいたずら好きの選手として知られ、19年W杯では「巨大な枕を移動バスで使用していた」動画(下記参照)が話題となった。
現在はリハビリ段階のためイタリア戦のメンバーから外れているが、代表に合流して別メニューをこなしている。
England prop Joe Marler & his giant travel-pillow arrive with a bump at the team’s Tokyo city centre hotel ahead of the RWC final ...(wait for it).. pic.twitter.com/sVkOqubb5G
— Dan Roan (@danroan) October 29, 2019
【イタリア】HCが新人ガルビシに超期待
イタリアのフランコ・スミスヘッドコーチ(HC)が、前節アイルランド戦でイタリア代表デビューを果たしたパオロ・ガルビシを称賛した。
6nations公式などによると、アイルランドに17-50の大敗を喫して不機嫌だった同HCだが、ガルビシに関しては「彼はいい試合をした。頭でプレーし、経験者を相手にいいトライも決めた。本当に満足しているよ。これからも成長していくだろう」と手放しで褒めた。
ガルビシ本人は「今年はいろいろなことがものすごいスピードで進んでいる。自分勝手に言わせてもらえれば、今年はPro14にも代表戦にも出られて、そう悪い年ではない。でも世界は大変な時だから…」と素直に喜ぶこともできず言葉少な。
「いつか超満員のスタジアムで代表としてプレーしたい」とコロナ禍の早期収束を願った。
【イタリア】前主将パリッセが21年6nationsで引退試合熱望
前主将パリッセは引退試合をあきらめていなかった。
19年W杯東京大会限りでイタリア代表を引退し、20年3月の6nationsで引退試合を予定していた前主将セルジョ・パリッセが、引退試合の開催をあきらめていないことが明らかになった。
スカイスポーツによると、当初は、19年W杯予選リーグの最終戦となるニュージーランド戦を引退試合とする予定だったが、これは日本を直撃した台風の影響で試合は中止に。
その後、20年春にイタリア代表の本拠地ローマで行われる6nationsのいずれかの試合で引退セレモニーを開催してファンにお別れのあいさつをしようとしたが、これも新型コロナウイルス感染拡大の影響で実現しなかった。
ローマ開催の次節イングランド戦は無観客で行われるため、すでにパリッセは外部から後輩たちにエールを送ることを明言しているが、「スミスHCとは連絡を取り合っている。来年の6nationsに一瞬でも関わらせてもらえたら最高。とはいえ、世界的にこのような状況で“最後の試合”を設定してもらうのは大変だね」ともコメント。
21年6nationsでの引退試合開催を望んでいることを明かした。
(mimiyori編集部)