【ビジネス】就職活動~念願の職業についた元インターンが教える「就活の極意」とは?

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桜の季節は旅立ちの季節でもある(撮影:丸井 乙生)

東京では桜が満開。穏やかな季節とは裏腹に、新型コロナウイルスの影響により人々の生活は大きな影響を受けている。
就職活動に励む新4年生も、就職戦線でその直撃を受けた。初めてのことばかりで戸惑い、悩む学生も多いだろう。
mimiyori編集部、および取材・リサーチ会社アンサンヒーローで2年間にわたってインターンを続けた新社会人が、悩める新4年生に「就活の極意」を自身の経験を踏まえてお伝えします。

 

 

 

そもそも甘く見ていた

3月になると、世の大学4年生はリクルートスーツに身を包み、一様に就職活動を始める。1年前、私もその中の1人だった。

今回は、この春から社会人になる“就活OB”が、実際に体験したことを交えながら、自身の就職活動を振り返ってみたいと思う。

就職活動を始めた時期は大学3年生の12月頃だった。一般的には早い方。だが、今考えてみると、私は就職活動そのものを甘く見ていたのかもしれない。

各企業リサーチで自己満足

 

 

 

まず、私は行きたい企業の情報を片っ端から調べることに執心した。企業が発表する情報から、就活情報誌、そして口コミサイトまで。公開されている情報はすべて目を通した。

年が明けると、必死にエントリーシートを書いた。自慢ではないが、ほとんどの企業で書類が通過した。手書きのエントリーシートを何度も失敗し、やり直すことも全く苦痛ではなかった。

企業の事を知り、エントリーシートを書く。当時の私は、“就活生っぽい”自分の姿に悦に入っていたのだろう。

たまる不採用メール

しかし、就職活動を始めて半年がたった2019年5月。私の手元には、“不採用”のメールがたまっていくばかりだった。1次面接すら通過することができなかった。

かなり焦った。すでに内定をもらい、就職活動を終えた部活動の同期の姿が輝いて見えた。自分には何が足りないのか、誰も教えてくれはしなかった。

知るべきは企業情報の前に「自分」

 

 

 

私はあることに気づいた。

「自分のことを知らない」

行きたい企業のことは詳しく知っていても、その企業で自分が何をやりたいか、どうなりたいのかを全くイメージできていなかったのだ。

セミが鳴き始めた6月、私の就職活動はふりだしに戻った。

ひたすら自問自答「なぜ」

 

 

 

そして、自分に「なぜ」を問い続ける日々が始まった。

「なぜ、その会社に入りたいのか?」
「その会社で何をしたいのか」

自問自答するたびに、自分の知らない自分が見え始めた。目の前の霧が晴れていくような、そんな気持ちだった。

やがて、面接も通るようになった。自分という商品をどうやって売り込むか。企業という顧客にどうやって買いたいと思わせることができるかということに気を留めた。

言葉は詰まっても、自分の心から生まれる言葉は相手に必ず届く。当たり前のことが、できていなかった。

昔の人、ウソつかない

 

 

 

7月、志望業界の企業から内定をもらい、就職活動を終えた。少しの後悔もなかった。やっと終わったという気持ちと、諦めずに頑張ってよかったという気持ちで満たされた。

「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という故事があるが、まさにその通りだと思う。自分が知らない自分の魅力は、どうやっても相手に伝えることはできないのだ。
もちろん、内定をもらうことがゴールではない。就職活動で人生が決まるわけでもない。この経験を、新しい世界に飛び込み、今後の人生にどう生かしていくか。就職活動が成功か否か分かるのはまだ何年も先だ。

(mimiyori編集部=O・R 中止された卒業式を前に)