【就活】志望企業から内定ゲット! 東大卒の新社会人が語る「就活の極意」とは?

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再び桜の季節がやってきた。就活シーズン本格化の時期でもある(撮影:安藤伸良)

※写真はイメージ

2021年3月1日に22年卒の就活が解禁された。新型コロナウイルスの影響で従来と大きく違った方式が取られており、企業も就活生も試行錯誤が続いている。 

この春から大学生になる方にとっても就活は気になるところだろう。将来を大きく左右するイベントだから、今のうちから準備しておきたいという人もいると思う。 

今回は21年3月に東京大学を卒業したばかりの新社会人が、後輩に向けて就活の準備と心構えについて紹介するコラムを贈る。

 

  

就活は人生の四半期決算

就活は高校受験や大学受験と似ているようで全く性質が異なる。その時出された問題が解ければOKの学力試験とは違って、就活ではそれまでの人生すべての積み重ねが問われる。エントリーシート(ES)での言葉選びや面接での振る舞いには、付け焼刃のテクニックでごまかすことのできない人間性がにじみ出ると考えている。 

就活を企業側の目線に立って考えてみよう。企業にとって就活生は同じ場所で仕事をするかもしれない人だ。だから、「この人となら一緒も働きたいな」と思えるような人を採用する。もちろん、その人の出身大学や資格などは大事な判断材料の一つになるが、結局は採用側も人間だから理性だけではなく感情がある。そして、人の気持ちを動かすためにはテクニックだけではどうにもならない、その人本来の「人間性」が重要になる。 

こうした経験はみなさんにもあるはずだ。例えば、修学旅行のグループ分けで、なんとなく「あの人がいるグループがいいな」と思ったことはないだろうか。それはきっと理屈では説明できず、ただ気持ちの問題だとしか言いようがないだろう。「学力テストで一番だったから」とか「足が一番速いから」といった理由で班員を選ぶ人はまれだ。

 

では、就活に向けて今からやれることは何もないのか、ただ人生を過ごすしかないのかというとそんなことはない。就活がそれまでの人生の総決算とはいえ、最重要視される点は最新の実績、つまり大学生活の過ごし方だ。人間性を180度転換することが難しくても、大学で何をしていたのかということは自分の現在をアピールすることにつながる。大学生活に意味を持たせることが自分の将来の可能性を広げるということだ。

 

一生懸命になってみよう

大学生活に意味を持たせるには、一生懸命になることが必要だ。 

大学生は小中高とは大きく性質が違う。時間割は自分で決められるし、行動範囲も時間もずっと自由だ。何をするにも自分次第という状況は楽しみも多い一方で、何もしなければただ無為に時間が過ぎていくことを意味している。

 

そうした状況下で、目的を見失わずに何かに一生懸命になった経験はその時点で価値がある。就活未経験のみなさんでも「ガクチカ」という言葉は聞き覚えがあるのではないだろうか。「学生時代に力を入れたこと」の略だが、だいたいの企業で似たような質問が出る。インターネットではガクチカの例文や書き方指南といったものがあふれていることからも分かる通り、多くの人がこの質問で困ってしまうようだ。 

 

では、どんなことに打ち込むのが正解だろうか。僕は「なんでもいい」と思っている。必ずしも、全国クラスの強豪部活動や立派なボランティア活動でなくてもいい。重要なのは「何をしたか」よりも、「どのように考えたか」だからだ。僕自身、マイナースポーツのさらに弱小の部活動に所属していた。何を成したかと問われても胸を張って答えられるような成績を残すこともできなかった。でも、それで問題なかった。 

 

再び企業の立場になれば明らかだ。採用者が就活生に運動能力の高さやボランティア精神を求めているとは考えづらい。ほとんどの企業で身体能力を発揮することはないし、企業が利益を求める組織である以上、その本質はボランティアではないからだ。企業が重要視するのは、活動を通してどのような壁にぶつかり、何を考え、その結果どのような行動を起こしたかということだ。そこに人間性を見出している。 

就活のためだと割り切っていろいろな活動に手を出すのもありだと思う。そうした目的意識も人間性の一つだし、堅実さや任務遂行能力を評価する企業も多くあるはずだ。しかし、くどいようだが、所属していた組織が何を達成したかは大して重要ではない。企業に相対する時は自分の身一つだということを忘れてはいけない。

 

自分を知ろう

企業にアピールできるような人間性が形成されたとして、そのまま就活に臨むのは準備不足と言わざるを得ない。必ず自身の人間性を把握しなければならない。 

またしても企業の立場になってみよう。1人の学生を採用するということは、その後の40年以上の給料を考えた時に数億円のコストを支払うのと同じだ。決して安い買い物とは言えない。あなたは宝石の知識がない商人から高級な宝石を購入したいと思うだろうか。自分について正しく知ることが企業に自分をアピールする前提条件になる。 

自分のことは自分が一番よく知っている、と思われるかもしれない。僕自身、就活をする前は同じように思っていた。しかし、今までの自分の経験や人生の転機、強みや弱みについて企業から問いただされるたびに頭を抱える羽目になってしまった。用意していた回答はできても、不意の質問に思ったように答えられなかったと言う経験は一度や二度ではなく、歯がゆい思いをした。自分自身に関する事実が企業を志望する理由の前提にもなるから、僕の基礎はあやふやだった。 

書店に行けば自己分析本と呼ばれる本がたくさん並んでいる。少々面倒に感じられるかもしれないが、結局ESを書く時や面接の時に同じことには向きあわなければならないから、まとまった時間をとってしっかりやってみるのも手だと思う。 

また、自己分析本よりも重要なのが他人の話を聞くことだ。自分が考える自分の像と他人から見える自分の像はえてして一致していない。気遣いだと思っていたことが他人からすると多少うっとうしく感じられていたり、自分では取るに足りないと思っていたことが実は高く評価されていたといったことはよくある。主観と客観を上手に用いれば自分についてより正確に把握できる。

 

企業を知ろう

ある程度自分について理解が深まると、自然と志望する企業も絞られてくるかと思う。インターネットは情報収集手段として有用な一方で、虚偽の情報も交じっており、判断が難しい場合もある。そこで重要なのがインターンに足を運ぶことだ。 

インターンは採用活動の一環で、企業側もかなり真剣だ。企業の顔となるイベントだからお金も時間も人材も割いている。ところが、だいたいのインターンは無料で参加することができる。自分の肌で企業の雰囲気を感じることができるという点でも非常にお得なイベントだと思う。 

志望度の高い企業はもちろん、あえて興味のない業界に足を運んでみるのもおすすめだ。自分がどうして今の志望なのかを再確認できるし、新たな自分の可能性に気づける可能性もある。就活生同士の出会いと情報交換で意外な発見があるかもしれない。 

インターンに参加できるのはある意味就活生の特権だ。もし時間を持て余しているならとりあえず申し込んでみることをおすすめする。 

(mimiyori編集部=S・K)

 

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