【競馬ブログ】「気まぐれウマ放談」 静かな春のスプリント王決定戦~高松宮記念

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春秋スプリントG1制覇を狙うタワーオブロンドン(写真:伊藤 康夫/アフロ)

こんにちは!
競馬ページ担当の おかだ です!

このページでは、競馬観戦歴10数年の、まだまだ勉強することばかりのファンが、競馬にまつわるあらゆる話題を気ままに書いていきます。

春のG1戦線、本格始動です。3月29日、中京競馬場で高松宮記念(G1、芝1200m)が行われます。

しかし、無観客競馬は続きます。G1レースとしては1984年のグレード制導入以降、初めてのこと。G1ファンファーレで歓声がない光景を目の当たりにすることとなります。想像がつきません。

今回は生粋のスプリンターから短距離路線にシフトしてきた別路線の馬、さらには芝・ダートの両G1を制した馬まで参戦してきました。

G1馬は6頭。これだけのメンバーが揃った中で無観客は残念です。2019年は3連単449万円の大波乱決着でしたが、今回はどのような結末になるのか。有力馬を紹介しながら、過去の成績をもとに今回のレースで気になるポイントも整理していきます。ドバイの話は最後に。

 

 

 

 

スプリント界統一か、新王者誕生か

19年秋のスプリンターズステークス(G1)を制したタワーオブロンドン(牡5)。前哨戦のオーシャンステークス(G3)は3着に敗れましたが、G1馬としての自力を示しました。

もともと叩き良化のタイプと言える同馬。休み明け2戦目で上昇する可能性は高いとみています。春秋スプリントG1制覇へ。初騎乗となる福永祐一騎手とのコンビにも注目です。

オーシャンSでタワーオブロンドンを破ったダノンスマッシュ(牡5)は、引き続き川田将雅騎手とG1初制覇に挑みます。

2019年は4着。スプリンターズSは3着と悲願のG1制覇まで、あと一歩という競馬が続いています。能力は十分。2020年の課題は、悪化が予想される馬場への対応となりそうです。

19年桜花賞馬のグランアレグリア(牝4)も参戦。初の1200m戦に対応できるかが大きなカギとなります。前走・阪神カップ(G2)は、距離短縮となった1400mで5馬身差の圧勝。中団から抜け出す鮮やかな競馬で、古馬を一蹴しました。

G1に強い池添謙一騎手を鞍上に迎えて初のスプリントG1。桜の女王に新たな勲章は加わるでしょうか。

過去の優勝馬も再び頂点を狙います。17年優勝馬のセイウンコウセイ(牡7)は2019年2着。2020年は波乱の立役者ではなく、先頭でゴールして健在ぶりをアピールしたいところです。


別路線組も虎視眈々

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芝・ダートのG1ホースとして挑むモズアスコット。豪州遠征から矛先を変えてきた(20年2月・東京競馬場、撮影・おかだ)

 ここ最近のスプリントG1では珍しいと言っても良いでしょう。1200m専門外の馬、別路線のG1ホースが参戦します。

18年安田記念、20年フェブラリーステークスと芝・ダートの両G1を制したモズアスコット(牡6)。豪州遠征を取りやめ、初のスプリント戦に挑戦です。

ダート転向2戦2勝から再び芝に戻り、初めての距離になります。ローテーションが変わったことによる影響は心配されますが実績は上位。19年有馬記念(G1)からG1連勝が続く矢作芳人厩舎の勢いにも注目が集まります。

18年マイルチャンピオンシップ(G1)覇者のステルヴィオ(牡5)。2019年のスプリンターズSは回避したため、今回が初のスプリント戦になります。

前走・阪急杯(G3)は約9カ月ぶりの実戦。最後の直線でじりじりと足を伸ばして5着。復帰戦としてはまずまずの内容でした。

ひと叩きしての上積みが見込まれ、強敵揃いですが、G1馬として見劣りはありません。1200mのペースに対応できれば勝機は十分。最内1番枠から久々のG1制覇を目指します。

19年ヴィクトリアマイル勝ち馬のノームコア(牝5)も初の1200m。これまで1600~2000が中心で、スプリントは忙しいかもしれません。しかし、左回りコースは3着内率100%。G1馬としての意地を見せられるでしょうか。


気になるポイント~前走成績と乗り替わり

簡単ではありますが、過去5年の結果をもとに筆者が気になったポイントを紹介します。

まずは前走の成績。前哨戦に位置付けられているシルクロードステークス(G3)、阪急杯(同)、オーシャンステークス(同)組が、いずれの年も上位に来ています。3着以内の15頭中11頭が該当します。

ただし、3つの前哨戦で優勝した馬は過信できません。過去5年で1着は18年のファインニードル(シルクロードS1着)のみ。3着以内で見ても、ファインニードルと16年のミッキーアイル(阪急杯1着)、そして17年に京都牝馬ステークス(G3)を勝って臨んだレッツゴードンキ(2着)を含めて、3着以内に3頭しかいません。

前哨戦から本番に駒を進めてくる馬がほとんどですが、前哨戦で敗れていても本番での巻き返しは十分に可能です。2019年2着のセイウンコウセイは、シルクロードS12着。大敗した馬も見逃せません。

もう1つは乗り替わりです。今回は開催予定だったドバイ国際競走との関係で、主戦騎手が騎乗できない馬がいます。

タワーオブロンドン、グランアレグリアは、クリストフ・ルメール騎手からそれぞれ乗り替わります。

前走から乗り替わりで優勝したパターンは、過去5年では16年ビッグアーサー、17年セイウンコウセイの2頭が当てはまります。しかし、3着以内に広げると乗り替わりの馬は15頭中5頭。「コンビ継続」が基本と考えて良いでしょう。

ちなみに、前走1着馬の乗り替わりとなると、過去5年では3着以内に該当馬がいません。過去10年まで広げても、14年優勝馬のコパノリチャードしか当てはまりません。


以上を含めて筆者の見解です。本命はセイウンコウセイ。前走・シルクロードSは5着。差し馬有利の中、先行する競馬で5着に残りました。雨による馬場悪化も大歓迎。高松宮記念2度目の制覇に期待します。

相手上位はタワーオブロンドン、ステルヴィオ。いずれもG1馬。前走敗戦はプラスと見ます。以下、モズスーパーフレア、クリノガウディー、ダイアトニックを押さえます。

もう1頭、10歳馬ティーハーフ。17年4着、19年5着。内枠に入った差しの穴馬として押さえていました。今回も内の4番枠。厳しいことは承知ですが、今年もゴール前でテレビ画面に映り込んでくれることを願っています。


世界各地の競馬も異常事態

日本時間3月28日の夜に開催予定だったドバイ国際競走が、新型コロナウイルスの影響で中止になりました。

ドバイターフ連覇を目指していたアーモンドアイ(牝5)、再び海外のG1に挑戦するはずだったクリソベリル(牡4)など、7レースに20頭の日本馬が参戦予定でした。

無観客での開催も予定されていたため、出走予定だった日本馬も現地で調整していましたが、レースに出走しないまま帰国となります。

ドバイだけではありません。英国、フランス、ドイツ、アイルランドと欧州主要国は相次いで休止。南アフリカも休止。米国ではケンタッキーダービー(G1)が延期になり、騎手がコロナウイルス検査で陽性になるなど、世界各地の競馬にも影響は広がっています。

今や日本馬にとって春の恒例行事となっている海外遠征も、現状では断念せざるをえない状況が続いています。再び海外のレースで日本馬の活躍を見るには、もうしばらく時間がかかりそうです。




今回はここまで。
次回は大阪杯(G1)。2頭の牝馬に注目します。



参考:馬名、成績など競走馬に関するデータはJRA公式サイト