【行ったつもりシリーズ】GWが見頃!秩父で「芝桜の丘」へサイクリング<前編>

秩父・羊山公園の芝桜の丘へ!(撮影:光石 達哉)

読んでいるうちに行ったつもりになれるかもしれない、プチ旅行の紀行文コラム「行ったつもりシリーズ」。

今回は、ゴールデンウイーク(GW)のお出かけ先として根強いファンを持つ埼玉県秩父エリアをサイクリング。

見頃を迎えた芝桜に加え、市内の4カ所のダムをめぐる、ちょっとしたミッションにも挑戦した。

 

 

 

 GW中がまさに満開!芝桜の丘

芝桜の丘は関東有数の規模を誇り、一面が花のじゅうたん(撮影:光石 達哉)

朝8時過ぎ、秩父市の隣にある横瀬町の道の駅から出発。

4月後半の関東はすっきりしない天気が多いが、天気予報でピンポイントの晴れの日を選んだかいあって気持ちのいい朝だ。

 

最初は、芝桜の丘がある秩父市の羊山公園へ。

地図アプリが正面入口ではなく南側から入るルートを指示したので、それに従っていくと道端に警備の女性がいて、ここからは自転車を降りて歩いてくださいとのこと。

 

芝桜の丘は10品種、40万株の芝桜が、面積1万7600㎡に渡って植栽されている(撮影:光石 達哉)

その先、しばらく行くと入場券売り場があった。

10年ぐらい前にここに来たときは無料で入れたような記憶があったが、今は芝桜の期間は入場料一般300円となっている。

平日の午前中で空いていたからかもしれないが、自転車も押して中に入っていいということだった。

 

芝桜の丘は、濃淡のピンクと白、薄い青紫の芝桜が花畑を埋め尽くし、ほぼ満開だった。芝桜と言っても桜ではなく、ここでは10種類の花が咲いているという。

 

ひとつひとつの花はこんな感じ(撮影:光石 達哉)

幅200mぐらいとそれほど広いスペースではないため、10分~20分もあれば一回りできそうだし、もちろんベンチに腰掛けてゆっくり眺めるのもいいだろう。

 

芝桜の丘の奥には、山肌を削られ独特な姿をした武甲山が見える。

秩父はセメントの街としても知られるが、武甲山はセメントの材料である良質な石灰岩の採掘地で、ゴツゴツとした威容を見ると秩父に来たなあという気がする。

 

公園の南側には、セメント産業のため削日々られている武甲山がそびえる(撮影:光石 達哉)

芝桜は、GWいっぱいまでが見頃。

公園の駐車場は混むかもしれないが、近くの西武秩父駅などからも歩いていける距離だ。

公園までの上り坂はきついかもしれないけど…。

 

園内では「秩父路の特産市」も開催。地元グルメやお土産などの出店が並ぶ(撮影:光石 達哉)

帰りは正面から出て、急な坂を下り、秩父の市街地方面へ。

国道140号・秩父往還にぶつかったら南西へ向かい、浦山ダムの標識が出たら左斜め前の道に入る。

ここからは10%前後の上り坂が約2.5km続く。

最近、ほとんど上りを走っていなかったので、ちょっと心が折れそうになる。

 

 

 サイクリングの目標にもなる「ダムカード」とは?

1つ目のダム、浦山ダムへ。秩父の市街地から最も近いダムで、標高は400m(撮影:光石 達哉)

午前10時前、今回1つめのダムである浦山ダムに到着。芝桜の丘からは、約7kmの行程だった。

ダムのそばに、管理事務所がある。

ドアを開けたところにダムカードが置いてあり、どこから来たか記帳すれば、1枚もらって帰ることができる。

ダムカードは全国各地のダムで配布されていて、ダム好き、旅好きの間ではコレクションアイテムになっている。

 

ダム湖の名前は、秩父さくら湖、わかさぎ釣りでも有名だという(撮影:光石 達哉)

管理事務所の手前に「うららぴあ」という建物があり、1階のさくら湖食堂ではダムカレーが食べられるようだ。

ダムカレーはカレーを水、ご飯をダムに見立てたカレーで、各ダムの形に合わせた見た目になっている。

しかし、この日は食堂が臨時休業。ちなみに、2階はダムの資料室で、写真展なども開催されている。

 

ダムの上からは、遠く日光や赤城山までも見えるそうだ(撮影:光石 達哉)

 

この浦山ダムは、平成11年(1999年)完成の新しいダム。仮面ライダーや戦隊ヒーローなどの特撮のロケでもよく使われているらしく、出演者のサインもたくさん飾ってある。

ダムの上を渡り、帰りは反対側の道を下る。

 

ダムの下へ。
堤高(高さ)156mは重力式コンクリートダムでは国内第2位の高さ、提頂長(幅)は372m(撮影:光石 達哉)

ちょうどダムの真下に出られるポイントに出たが、エレベーターなどでダムの内部も見学できるらしい。

 

浦山ダムを出て、次は北西へ。

隣の小鹿野町に入り、秩父ミューズパークという大きな公園の横をかすめたり、国道299号を少し走ったりしながら、アップダウンを何度も繰り返して進んでいく。

秩父の市街地から離れていくと、交通量も少なく快適なサイクリングだ。

 

各ダムで配布されている「秩父4ダム周遊マップ」。今回はこれを参考にしながらサイクリング。「荒川ダム総合管理所」のサイトなどでも見ることができる(撮影:光石 達哉)

 

 絶景堪能も大ピンチ

2つ目の合角ダムは、堤高60.9m、提頂長195.0mと4つの中で最小。標高334.1mの地点にある(撮影:光石 達哉)

浦山ダムからは約22km走り、正午前に2つ目の合角(かっかく)ダムに到着。

秩父市と小鹿野町の境界付近にあり、平成15年(2003年)完成とここも新しいダムだ。

管理事務所でインターホンを押すと、職員の女性がダムカードを持ってきてくれた。

 

今回食べなかったが、合角ダムのダムカレーはこんな感じらしい(撮影:光石 達哉)

管理事務所に貼ってあったポスターによると、ダムの下流側にある吉田元気村というキャンプ場のレストランで合角ダムのダムカレーがあるらしい。

しかし、先ほど上ってきたばかりの道の途中にあり、また下って上ってくるのはしんどいため、ここはスルーする。

 

ダム湖の名前は西秩父湖。かつてこの下に合角という集落があったそうだ(撮影:光石 達哉)

代わりにダムの反対側を回って次に向かおうと思い、ダム湖の南側にかかる合角漣大橋(かっかくさざなみおおはし)を渡る。

橋の上を走っていると、胸に2~3cmぐらいの何かが当たった。

飛んでいるカナブンか何かとぶつかったのかな、山の中ではたまにあることだよな、と思っていたら、続けざまに胸や腕に2、3匹当たってきた。

 

どうやらカナブンではなく大きな蜂のようで、縄張りを荒らされたと思って、僕を攻撃しているのかもしれない。

刺されたらやばいと急いで橋を渡り、渡り切ったところでいったん止まると、右斜め前2mほどの頭上でクマバチのようなでっかい蜂がこちらをにらんでいた。

まだ狙っている様子なので急いでその場を退散すると、もう追ってこないようでホッと一安心…。

 

 ピンチはまだ続く⁉

蜂の攻撃を振り切った先は、無念の通行止め。戻る気にもなれず、山道を越えることに(撮影:光石 達哉)

と思いきや、橋から2kmほど進むと、台風の災害復旧工事で通行止めになっていた。

 

手前にも工事を示す立て看板がいくつかあったけど、別の枝道のことかなと思いよく見ていなかったのがいけなかったかも。通行止めでなければ1.5kmほどで国道299号に再合流できるのに、戻るとなると10km以上は引き返すことになる。

何より、また攻撃的な蜂のいる橋を通らなければいけないのかと思うと、ぞっとする…

 

ここまでゲットした浦山ダムと合角ダムのダムカード。
裏面にはダムのデータや豆知識が書いてある(撮影:光石 達哉)

 

幸い、通行止め地点のすぐ左に細い山道があり、地図を見るとショートカットできるようだ。ただ勾配はきつそうだし、ちゃんと通れる道かわからないけど、覚悟を決めて突っ込んでみた。

 

道幅は車1台通るのがギリギリで舗装も荒れ気味、勾配も15%前後とかなりしんどかったが、運よく5~600mほどで上り区間は終わり、その先は3kmほど下ってようやく大きな道に戻れた。

 

今回のルート:①羊山公園・芝桜の丘-②浦山ダム―③合角ダム(撮影:光石 達哉)

 

というわけで、ここまで約50kmを走って残るダムは2つ。

続きは次回!

(光石 達哉)

 

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