【行ったつもりシリーズ】世界最高峰の自転車イベント「ツール・ド・府中」!? ~五輪レガシーイベントに挑戦<1>

スタートからまずは多摩川サイクリングロードを下流側へ走る。天気もよくて、木々も紅葉していた(撮影:光石 達哉)

読んでいるうちに行ったつもりになれるかもしれない、プチ旅行の紀行文コラム「行ったつもりシリーズ」。

今回は2021年東京2020五輪・自転車ロードレースのスタート地点となった東京都府中市で開催されていた「ツール・ド・府中」に挑戦。15km、20km、30kmの各コースを完走すると、東京五輪1周年記念グッズがゲットできるのだ。

 

 

 3コース65キロ全走破に挑戦

東京五輪のレガシーイベントである「ツール・ド・府中」に挑戦。スタート・ゴール地点は、多摩川沿いの「府中市郷土の森観光物産館」(撮影:光石 達哉)

「ツール・ド・府中」は府中市内に15km、20km、30kmの3種類のコースが設定され、2022年9月1日(木)~11月30日(水)までの期間に走ると、各コースそれぞれ異なる記念品がもらえるというイベント。サイクリングマップアプリ「ツール・ド」を使用して、コース上のチェックポイントに立ち寄っていくのだが、チェックポイントさえ通ればコースを外れてもよいので、デジタルスタンプラリーとほぼ同じような遊び方だ。3コース全部走っても65kmと1日で回れそうな距離のため、まとめて走ってみようと思う。

スタート・ゴール地点は、3コースとも「府中市郷土の森観光物産館」。多摩川サイクリングロード(多摩サイ)のそばで、観光案内所、地元特産品の売店、食堂などがある施設だ。この日は天気もよく、芝生スペースに並べられたテーブルで休憩しているサイクリストも多かった。

まず「ツール・ド」アプリでGPSでチェックインして、スタート。コースのデータをガーミンのサイクルコンピューターに移せば、ルートをナビゲーションしてくれるはずだが、10分ほどいじって格闘してもうまくいかないので、あきらめて出発。

 

 まずは「武蔵野の森公園」から

最初のチェックポイントは「武蔵野の森公園」。園内のこのあたりが東京五輪・自転車ロードレースのスタート地点(撮影:光石 達哉)

最初は多摩川サイクリングコースを東に走り、稲城大橋の下をくぐったら北に進路を変える。スタートから約7km走って、1つ目のチェックポイント「武蔵野の森公園」に到着。ここは東京五輪・自転車ロードレースのスタート会場だ。近くにある「味の素スタジアム」や「武蔵野の森総合スポーツプラザ」も東京五輪・パラリンピックの競技会場として使われている。「ツール・ド」アプリを立ち上げて、公園内でGPSの届くところを探してチェックインして次に向かう。

 

次は「府中市美術館」にチェックイン。1階は美術図書室、市民ギャラリー、ミュージアムショップやカフェなどがあり、無料で誰でも利用できる(撮影:光石 達哉)

公園を出て、人見街道、新小金井街道、美術館通りを通って西へ約3km走り、「府中市美術館」が次のチェックポイント。2000年10月に開館した市の美術館で、緑豊かな都立府中の森公園の中にある。

 

東京農工大学農学部内にあるアンテナショップ「農工夢市場」。キウイジャム、トマトジャム、ミルクジャムなどを売っていた(撮影:光石 達哉)

続いて約1km西の「農工夢市場」へ。それらしきお店や市場はないなと探していたら、東京農工大のキャンパス内にあるショップで、同大学の施設で生産された農作物や加工品を売っているとのこと。この日はたまたま大学祭だったようで、キャンパス内に多くの人が出入りしていて、近くの馬場では学生たちが馬術競技を披露していた。

 

ブリトーが人気のお店「THE WRAP」。このときは開店準備中。コミュニティFM局も隣にある(撮影:光石 達哉)

この先で国分寺街道を左折し、けやき並木の手前で再び左折し、「THE WRAP」というお店へ。その名の通り、トルティーヤでラップする(巻く)メキシコ風ブリトーやクラフトビールが人気の店だそうだ。

 

 東京五輪のパレード走行区間「けやき並木」

府中市の中心部を南北に貫く「けやき並木通り」。国の天然記念物にも指定されている(撮影:光石 達哉)

少し戻って「大國魂神社と馬場大門のケヤキ並木入り口」が次のチェックポイントで、けやき並木北交差点付近でチェックイン。このけやき並木は大國魂神社の参道で、大鳥居まで約600m続く。この辺りが府中の街の中心部でもあり、沿道には京王線・府中駅や多くの商業ビルがある。

 

けやき並木通りには、源義家の銅像が立つ。源頼朝の4代前の源氏の棟梁で、最初に大國魂神社にけやき並木を寄進したと言われている(撮影:光石 達哉)

けやき並木は東京五輪・自転車ロードレースのパレード走行のコースでもあり、選手たちの集団はこのまま大鳥居をくぐって大國魂神社の境内を少し走り、府中街道に出ていった。しかし、普段は自転車は境内に入れないので神社の脇の道を進み、府中街道沿いにある「国司館(こくしのたち)と家康御殿史跡広場」へ。

 

大國魂神社の大鳥居の向かいには、自転車ロードレースのコースだったことを示すモニュメントが立っている(撮影:光石 達哉)

この場所は今から1,300年ほど前に武蔵国府の国司館、今でいう都庁的なものがあったところ。現在は広場になっているが、奈良時代の様子を再現した10分の1サイズのミニチュアのジオラマが置かれている。また徳川家康もここに府中御殿を置いたという。

 

府中街道沿いにある「国司館と家康御殿史跡広場」。このジオラマは、国司が赴任した時の儀式を再現しているそうだ(撮影:光石 達哉)

少し北に戻り、旧甲州街道を左折、またすぐ左折して下河原緑道に入る。この緑道は多摩川の砂利採取と運搬を行っていた東京砂利鉄道の跡地を利用して整備されたという。府中には、他にも自転車・歩行者専用の緑道が網の目のようにはりめぐらされている。ロードバイクではちょっと走りにくいけど、お散歩やのんびりしたサイクリングには快適な道だ。

 

「下河原緑道」は明治43年から昭和51年まで使われていた東京砂利鉄道の跡地(撮影:光石 達哉)

1kmほど走って緑道を外れ、スタート地点の「府中市郷土の森観光物産館」にゴール。わずか15kmだったけど、いろいろ見物したり写真撮ったりしていたら、2時間近くかかってしまった。というわけで、ちょっとペースを上げて次回は20kmコースと30kmコースをクリアしていく。

 

「府中市郷土の森観光物産館」に戻ってゴール。キッチンカーで売られていた大判焼きで軽く補給。今川焼きとも言われるけど、僕の地元では回転焼きと呼んでたな(撮影:光石 達哉)

(光石 達哉)

 

今回の経路

 

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