自転車初心者の編集部見習いコイケとともに、サイクリングをより楽しむためのノウハウやアイテムを学んでいくシリーズ「若葉マーク脱出計画」。
今回は自転車を専用の袋に入れて電車で出かける輪行(りんこう)にコイケが初挑戦。まずは輪行袋の使い方を見てみよう。
電車に自転車を載せられる「輪行袋」って?
日本国内で電車に自転車を載せるには、基本的に「輪行袋」という専用のカバーが必要で、輪行袋には大きく縦型と横型の2種類がある。
縦型は前後の車輪を外して輪行袋に入れるもので、作業手順は多いが、比較的コンパクトになる。
一方、横型は前輪のみ外すため、作業自体は短時間で済む。
ただし、輪行袋自体が大きくなるので、担いで歩く時や車内に置く時に少し邪魔になる。
それぞれ一長一短あるのだ。
僕は縦型を使っているが、コイケは自転車にリアキャリアをつけているため縦型には入らず、横型の輪行袋を手に入れた。
輪行袋に自転車を入れる作業手順は写真を参考にしていただいて、個人的に気をつけている点についていくつか紹介しよう。
自転車に履かせる下駄の役割「リアエンド金具」
縦型の輪行袋には、リアエンド金具と呼ばれるパーツが付属していることがある。
縦型の場合、サドルとフレームのリアエンド(後端)が下向きになり、床に置く面になるのだが、リアエンドには変速機がついているため、そのまま置くと変速機やディレーラーハンガー(変速機をつけるパーツ)にダメージを与える可能性がある。
リアエンド金具はそれを避けるために、言わば下駄を履かせる役割も持っている。
また、後輪を外すとチェーンがたるんでしまい、そのまま輪行袋に収納するとチェーンがからまってしまうこともある。
リアエンド金具のシャフトにチェーンをひっかけるように通すと、ピンと張って絡まる心配がなくなる。
チェーンの張力に抗いながらシャフトやリアエンド金具をセットするのは、輪行の中でもややこしい作業の一つだが、頑張ってやってみよう。
この方法以外に、チェーンをゴムで引っ張って固定するチェーンハンガーというパーツも市販されているし、ゴム紐などで自作する方法もあるので自分で工夫してみるのもいいだろう。
前輪を外したフロントフォークの先も、フロントエンド金具(保護具)を使うと、輪行時にフロントフォークが横から押されて曲がったりしてしまうことを避けられる。
専用のパーツも市販されているが、僕は自転車屋さんで梱包時に使われているプラスチック製の保護具を分けてもらって使っている。
立った!…自転車が立った!
輪行時、フロントの変速はアウター(外側の大きいギア)にセットする。
アウターのギアの歯がむき出しだと、輪行袋を破いたり、自分や他人の身体に当たってケガする可能性があるので、チェーンで覆っておくのだ。
リアは車輪を外す時はハイ(外側の小さいギア)にしないと外れないが、エンド金具をセットしたらロー(内側の大きいギア)側にしておくと、変速機も内側に移動し、ぶつけたりするリスクが減る。
さらに僕は輪行袋以外にフレームプロテクター、チェーンカバー、スプロケットカバーなどのオプション品もそろえている。
持ち運びには多少かさばってしまうが、自転車が傷つきにくくなる。
ちなみにチェーンカバーは100円ショップなどで売っているトイレの便座カバー、スプロケットカバーは軍手で代用するという裏技もある。
一方、コイケの横型輪行袋は、外した前輪をストラップで固定して輪行袋に入れるのみと、作業はシンプルだ。
自転車を入れた輪行袋の重さはなんと〇〇kg ⁉︎
ちなみに、自転車を入れた輪行袋がどれくらいの重さか、飛行機に乗る時に使う手荷物用の携帯はかりで量ってみた。
僕のカーボンフレームのロードバイクは10㎏弱、コイケのランドナーは14kg以上あった。担ぐのはなかなか骨が折れる。
さて、次回は輪行旅の計画の立て方について紹介しよう。
(光石 達哉)